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新旧2作ずつの映画に想う心休まらぬ昭和の不条理 前編
親愛なるアッティクスへ

この連休、天気が悪かったこともあり、概ね、家でゴロゴロしていました。
e0027240_1340163.jpgで、以前、ケーブルテレビでやったいた「山本薩夫監督特集」の中から、「白い巨塔」「真空地帯」、そして、最近の作品、容疑者 室井慎次」「沈まぬ太陽」を見たのですが、まず、「白い巨塔」について言えば、この作品は昭和41年(1966年)公開で、後年、主演の田宮二郎氏が「若すぎて演じきれなかった」との思いからドラマ化を強く要望し昭和53年に制作されたテレビドラマの方が有名なのではないかと思います。
(ドラマ放送当時は私もまだ若すぎて・・・、見てませんでした(笑)。)

で、今回、ドラマの方が大変な名作であったということを耳にしたこともあり、映画の方も見てみようという気になったのですが、確かに、田宮氏が言うように、実年齢と設定年齢の差には違和感があり、それをカバーし切れていない演技の稚拙さなどは目に付きましたが、それでもやはり、原作が作られた時代背景ということを考えれば、これはこれで一見の価値がありましたよ。
(もっとも印象に残ったのは田宮氏演じる財前助教授の、「教授、助教授と一口に言うが、教授は大名で助教授は足軽頭、医局員は足軽、婦長は女中頭、看護婦は女中・・・」という言葉でした。今も近いものがあるのかどうか知りませんが・・・。)

特に、それらを体現して余りあったのがその脇役陣で、主人公の義父で資力に富む粗野な産婦人科院長を演じる石山健二郎、同じく、主人公の上司で権力に固執する浪速大学医学部第一外科教授を演じた東野英治郎、くせ者の第一内科教授役の小沢栄太郎、掃き溜めに鶴の観がある高潔な病理学教授役の加藤嘉、第三勢力の形勢を狙う野心家・整形外科教授役の加藤武、日本医学界の大権力者で浪速大学の紛争に介入しようとする東都大学医学部教授役の滝沢修に、下條正巳、田村高廣、早川雄三、船越英二、見明凡太朗、鈴木瑞穂といった昭和の名優たち・・・。
尊大、卑屈、野卑、偽善、追従、虚栄・・・と、別に今の時代でも珍しくない要素でしょうが、あの時代はまだ、戦後から大して時間が経っていない時代ですから、それらがオブラートに包まれることなく、むき出しのままなんですよね。

次に、「真空地帯」ですが、これを見るともう、日本は太平洋戦争当時を舞台にした映画は作るべきではないな・・・という観を強くさせられます。
今、毎年、盆近くになると、若者の徴兵や、極端なもので言えばタイムスリップまでして「戦争は酷い!」などということを言わんとする噴飯物の作品が多く作られるようですが、本当に戦争の現実、醜悪さを伝えようと思えば、こういう物を見せれば事足りますよ。
特に、ここ数年の作品はCGの技術は向上したでしょうが、如何せん、出ているのは小顔で足が長い、平成の若者たちですから・・・。
それに対して、この映画は、終戦から7年後の昭和27年(1952年)の公開ですから、そこに出ている木村功、加藤嘉、西村晃、金子信雄、花沢徳衛、岡田英次、佐野浅夫、高原駿雄といった人たちは皆、普通にあの戦争を経験しているわけで・・・。
ちなみに、私の学生時代というのは戦後、まだ30年ちょっとしか経っていなかったわけで、ここで出てくるイジメというか、しごきというかは、結構、耳にした記憶がありますね。

明日に続きます。
                                         平太独白

by heitaroh | 2011-02-14 07:56 | 文学芸術 | Trackback | Comments(2)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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