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有事法制議論にみる自衛隊創設史 その2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きですが、陸上自衛隊、海上自衛隊、その生い立ちの違いは、現在使われている自衛隊旗、自衛艦旗の違いにも現れているそうで、なかなか、興味深い内容ですので、成立過程での主導権の件も併せて抜粋してみました。

 【自衛隊旗、自衛艦旗は自衛隊発足直前の昭和二十九年六月、閣議で決定したものだが、自衛隊旗は日章旗に旭光八本、戦前の軍旗の半分の本数となっている。
 これに対して、海上自衛隊の自衛艦旗は先々と旭光一六本、戦前の軍艦旗と寸分違わない。これは今まで述べてきた陸上自衛隊と海上自衛隊の生まれ方、育ち方の遠いを象徴しているように思える。
 旧陸軍関係者は敗戦直後から四分五裂、極端な国家主義者が残ったり、北京政府礼讃者までがおり、団結してアーミーを復活しようとする態勢ではなかった。
 そのため警察予備隊創設以来、旧内務官僚が主導を握り、なにかと混乱した。 
 公職から追放されていたのだから仕方がないとはいうが、旧海軍関係者も多くは追放されていたにもかかわらず、彼らはネイビー再建を目指して団結し、米極東海軍とネイビー同士の話を進めたため、つねに主導権を振り、旧内務官僚の介入を最小限に止めた。それが旭光八本と一六本の旗の違いに現れている。】

e0027240_14521334.jpgもっとも、東西冷戦が激しさを増すと同時に、GHQ警察予備隊などではない、本格的な日本陸軍の復活の必要を感じたことから、海同様に陸にも旧陸軍軍人の採用に前向きになり始めたそうです。
そこから、旧陸軍参謀本部第二課長(作戦担当)服部卓四郎大佐を中心とする服部グループによる内務官僚よりの主導権奪取工作が活発化し、一時はほぼ決定したとさえ言います。
参考までに、そこから後の件も以下に抜粋しました。ご参照下さい。
 
 【そこで警察予備隊設立準備委員会が七月十七日にあらためて組織された。
 準備委員会が組織された直後、おそらく七月下旬のことだと思われるが、GHQのウィロビー少将の紹介状を持って準備委員会の前に現れたのが服部グループであった。
 「新たな組織に置かれる制服組の中枢は我々であるからよろしく」と挨拶したのである。
 軍刀や参謀飾措こそ吊っていないが、束条英機の懐刀と言われた服部らエリート大本営参謀の面々が突然現れたことに、旧内務官僚は悪夢を見る思いがしたことであろう。
 こうなると、旧内務官僚としては本能的に組織防衛を考えざるを得ない。】

この後、両者の攻防の結果として、旧内務官僚と旧軍人の協力体制が固まり、昭和27年10月15日に警察予備隊は保安隊に改組、そして昭和29年7月1日にそれぞれ、【陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊が発足する】のだそうです。
「今日、有事法制を議論する場合、半世紀前を振り返る必要がある・・・」との藤井 久氏の言には、耳を傾ける必要があるように思えますが如何でしょうか・・・。
                                  平太独白
by heitaroh | 2005-08-30 01:07 | 政治 | Trackback | Comments(0)

有事法制議論に見る「自衛隊創設史」 その1
親愛なるアッティクスへ


e0027240_11335781.jpg先日書きました平太郎独白録 映画「宣戦布告」に見る「戦争」の続きですが、この映画全編を通して、日本の(映画作成当時の)問題点が幾つか描かれていました。

中でも、もっとも端的に表されていたのが、「敵が上陸した」・・・との報せを受けて、自衛隊の出動を命じる総理大臣に対し、防衛庁の役人が山のような書類を抱えて来て、「これだけの各官庁の決済をもらわなければ、自衛隊は出動できません。」と言うシーン・・・。

こういった点は、以前から指摘されていたことであり、今では随分、整備されたようですが、私はこれを見て、思い出したことがあります。

数年前、ある雑誌の中で、藤井 久氏の自衛隊創設史という記事を読んだことがあるのですが、その中で、【「現在、注目されている有事法制三法案は、昭和五十三年七月のいわゆる栗栖発言に端を発している。たしかに警察予備隊創設の時点で整備しておくべき法制に不備があったのだろうが、旧軍正規将校ならば、戦争状態では行政法規の機能は死んでいるとの認識であるから、いざとなったら有事法制の欠陥をそれほど意識しなかっただろう。その一方、海上自衛隊は法制的な問題をあまり意識せずにストレートに行動してきた。平成三年四月、ペルシャ湾に掃海部隊を派遣する時も、機雷など危険物除ネを任務と定めた自衛隊法第九九条を援用しただけである。そして最近、テロ特措法だけですぐさま艦艇をインド洋に派遣した。この行動については議論されるべきところだが、両者の違いは、明らかに生まれ方育ち方から生じており、根は深いのである。今日、有事法制三法案を審議する際、半世紀前を振り返る必要があるのではなかろうか・・・。】ということが書いてありました。

敗戦後、海上自衛隊の方は、戦争責任の多くを陸軍が負わされたことや復員輸送も含め、日本周辺海域の治安体制が空白となったことでの治安維持、厄介だった機雷除去作業といった業務があったことから、わずかながらでも海軍としての組織が生き残ったそうですが、これと対照的に、陸上自衛隊は徹底的に旧陸軍の組織が破壊された上に、旧将校の間には幼年学校出身者中学出身者という根深い対立などもあったそうで、それは、単に旧陸軍内の対立に留まらず、当時の政界やGHQ内部の勢力争いにも繋がった、実に複雑な様相を呈するまでになっていたようです。

明日に続きます。
                                 平太独白
by heitaroh | 2005-08-29 07:27 | 政治 | Trackback | Comments(0)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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