親愛なるアッティクスへ
「頃は良し 群れ飛ぶ雀 乱れ撃ち」 梁庵平太 (何のこっちゃ・・・。)
今、ここにある文書があります。
「日本は現在、もっとも困難な状況に直面している。にもかかわらず、日本には政治の
指導者が存在しない。その政府は、
財界、
官僚、
政党の
寄せ木細工の観を呈し、誰も統制力を持っていない。
腐敗と各派閥の
内部闘争は、かつて政党が持っていた力を奪い、国民の大多数が
政党を
軽蔑している。日本を注意深く見守っている者は、矛盾と決断能力の無さに充ちた、このような状態が長続きするとは決して思っていない。」
これを見ると、「なるほど。」と、頷かれる方も多いのではないかと思います。
むしろ、「今更!」と言われるかもしれません。
だが、これは、実は
昭和十年(一九三五年)のものであり、これを書いた人物こそ、戦前、日本を揺るがしたスパイ事件で有名な
リヒャルト・ゾルゲなのです。
本当は、「財界、官僚、政党の寄せ木細工の観を呈し・・・」の前に、「
軍部」が入るのですが、ちょっとしたいたずら心で割愛させてもらいました。
しかし、「軍部」の文字さえなければ、何と、現代と
酷似していることかと思われませんか?
その余りの酷似ぶりに、寒気さえ覚えるのは私だけでしょうか・・・。
この後、日本は
権力の重心不在から、軍部の突出を招き、遂には、
東條英機に全ての権力を集中させることを許し、坂を転がるように、破滅への道を突き進んでいくのです。
ちなみに、ゾルゲの言葉には
「日本の銀行は決定的に時代遅れである」というのもあったそうです。
こちらも、何ともデジャブ・・・。
平太独白