先般より、プーチンとゼレンスキーの直接会談がなかなか実現しないなどと言ってましたよね。言葉は悪いですが、思わず、「バカか?」と思いましたよ。
両者が膝を突き合わせて話せば、「俺は君のことを誤解していたよ」で、わだかまりが一気に解消し、停戦合意!になるとでも思っているのか?と。
両者が膝詰めで会うなどということは有り得ないし、あってもこれだけの犠牲者を出している以上、もはや、迂闊な譲歩は身の破滅。
掴み合い、罵りあいで逆効果・・・以外の何ものでもなく。
では、停戦から終戦に導くには何が有効か。
この点で、この盆休み、鳥井順 著「イラン・イラク戦争」読了しました。
だいぶ、分量もあったのですが、(他にも、少し前に、山崎雅弘 著「イラン・イラク戦争」ともう一つ、何か読んだのですが、思い出せません。)これを読んでいて、今のウクライナ戦争にも同じ公式が当てはまる部分があると思い至りました。
イラン・イラク戦争の背景には、両国とも莫大な石油収入があったのに、それを国民生活の福祉向上などに使わずに、軍事力強化に注ぎこんでいたということがあるようです。男なんて、ごっついナイフ持ったら、それだけで自分が強くなったように思う生き物。
最新鋭兵器なんか持たせれば、使いたくもなる。
当初から両国の関係は国境問題などあり、決して良好なものではなかったようですが、如何せん、イラクは面積の割に人口が少ない、わずか1,200万人(1985年当時)の小国。
いくら最新鋭兵器が充実しても、人口3,600万人(同)の大国イランには軽々に戦争を仕掛けられるものではなかったのに、イランに革命が起こり、国内がガタガタになったのを見て、「今がチャンス!」と小国イラクが攻め込んだが、最初は優勢だった小国側も、時間の経過とともに、大国側のなりふり構わぬ人海戦術の前に苦戦を強いられるようになっていく。
こうなると、当初は威勢が良かった小国側も停戦を模索し始めるが、優勢に立った大国側は容易に応じようとはしない。
これも半ば当然のことで、敵に勝利できる目途が立ったのにわざわざ、和平を乞う必要もなく、何より、安易な形で妥協することは、多大な犠牲が出ている国民が納得しないでしょう。
そのことは、日露戦争後の日比谷焼き討ち暴動が如実に物語っているかと。
もちろん、当時は、米ソ二大超大国は直接には参戦していなかったのに対し、今回は一方のロシアが直接の当事者であること、ウクライナ戦争では大国ロシアの方が攻め込んでいること、また、核兵器や石油資源の問題、周辺諸国の思惑など、他にもいろいろ、細かい違いはあるのですが、こと、小国側の善戦→大国の圧倒→長引く停戦合意という一連のプロセスに限って見てみると同じ構図をしているとも言えるわけです。
イラン・イラク戦争は1980年に始まり、1988年に停戦したものの、戦火がやむことはなく、最終的には1990年に両国間で国交が回復したことで、一応の決着を見たわけですから、丸10年やっていたわけです。
最後の方は両国ともにかなり疲弊していた印象でしたが、もう、互いにやめられなかったんでしょうね。
10年やって、多大な犠牲出して、国民生活は破綻。
それで、引き分けで終わったでは国民の怨嗟の声は指導者に向かうことになるから勝つまでやめられない。
国民も勝っていたら勝っていたで「もっと勝て!」となり、負けていたら負けていたで、「今までの犠牲は犬死か!」となる。
(講和は先にやめたいと言った方が不利な立場に立たされる。)
これが戦争の恐いところ。
和平に至る大きな要因としては、まず、イラクがイランの侵攻を押し返したこと。 そして何より、前年の1989年、徹底的にイラクのフセイン大統領の戦争責任を主張していたイランの革命の父・ホメイニ師が死去したことが大きいのでしょう。
ただ、プーチン大統領は150歳まで生きると言ってましたし、仮に、彼が死んだとしても、内乱でも起きない限り、後継者が停戦に応じる保証はありません。
そう考えれば、まず、ウクライナ戦争も10年続くとは言わないまでも、3年で終わるとは考えるべきではなく、とにもかくにも、ウクライナ軍はもっとロシア軍を押し返す必要がある。
ウクライナ側に戦況不利なままだと、ロシアがテーブルに着くことはないでしょう。 平太独白
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