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2009年 12月 30日 ( 1 )

大工の世界は無駄をそぎ落としたボクサーの趣き
親愛なるアッティクスへ

巨匠、黒澤 明監督の代表作に名作、「七人の侍」があります。
この中で、改めて、私なりに思ったことがあります。
まず、劇中、野武士の襲撃から守らんとする村に到着したとき、早速、防備を固めようとする、幾多の戦場をくぐり抜けた志村 喬らのベテラン侍たち・・・。
その仕事ぶりは、新築住宅上棟式のときのベテラン大工たちの姿そのものに思えましたよ。
何も言わないでもわかるし、言わなくてもすでに誰かがとりかかっている・・・。
皆、長年の共通の体験があり、誰かが、系統立てて指揮指導しなくても、いつものように手慣れた手つきで眈々と段取りを進めている・・・。
(これは、私も経験あることなのですが、大工の世界というのは日本では異質なほどに合理的・・・、まるで無駄をそぎ落としたボクサーの体のような趣があるんですよ。)
つまり、この映画の中に出てくる侍たちは、あの時代にたくさんいた「職人」という人種たちの姿であり、ひいては、アメリカンナイズされてしまう前に存在した日本文化そのものでもあったのではないか・・・と。

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で、演技者という点では、ひとつ、印象に残る話があります。
先般、森繁久弥さんがお亡くなりになったときに、かつて、杉村春子さんとの対談の模様が放送されていたのですが、その中で、森繁さん曰く、「松竹のある監督は新人女優が来ればリハーサルで『良いよ』という。で、本番となったとき、その女優のセリフが終わり、本来なら、『カット!』となるはずのところで、しばらく何も言わずにカメラを廻し続ける・・・。すると、女優は自分のセリフが終わってるから、どうして良いかわからず、目が泳いだり、狼狽えたりする・・・と。すると、その監督は、『こいつはダメだ』というんですよ。『厳しすぎるのでは』と言ったところ、彼は、『人物を掴んでいると何とか言う』と言うんですよね」・・・と。

この話には、森繁さんも、杉村さんも、共に「新人には少し厳しすぎる話なんじゃないか」といって苦笑しておられましたが、確かに私も少々、厳しすぎるようにも感じるのですが、でも、考えさせられる話でもありました。
ああいう世界はそもそもが、スタート前の時点で何か他人と違う物を持っている人がスタートラインに立つべきであって、その、「持って入ってきた」かどうかを見るという意味では、酷なようですが、その監督さんが言っていることは一理あると思います。
無論、この時点で「持っていなかった」からと言って、すべてを否定する必要はないとは思いますが、足を一歩踏み入れた瞬間から選別は始まっていると言って良いわけで、その意味では、「持って入ってきた」人たちからすれば、大きく出遅れたことは否めず、一層の奮励が必要になってくるでしょう。
                                         平太独白

by heitaroh | 2009-12-30 18:28 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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