2005年 12月 10日 ( 1 )

続・七百年前の港湾都市の現実にみる年越しそばの起源!
先週の続きです。

港湾都市という物は、まあ、今もそうなんでしょうが、多かれ少なかれ、その生計は、入港時に船員が落としていってくれる金以前に港湾荷役などの現金収入に依存していることが多く、それだけに、シケが続いたりして港に船が入らなくなったりすると、労働者の仕事が減ることになり、そうなると、彼らに物を売ることで生計を立てている人たちから、歓楽街のお姉さん方まで、これまた、多かれ少なかれ何らかの打撃を受けるわけで・・・。

この点で、私には強く印象に残っているテレビ・アニメの1シーンがあります。
「男一匹ガキ大将」というマンガだったかと思うのですが、どういう理由によるものかは忘れましたが、主人公が、「港湾労働者たちの中で住み込みで働く・・・」という場面があったのですが、私が覚えているシーンは、ある日、監督者が、「シケで今日の作業は休みだ!」と労働者たちに告げるシーンでした。
主人公とは関係なく、なぜか、その場にいた場違いな学生が、「やったあ!休みだ!」と喜ぶのに対し、その横で、苦虫を噛み潰したような港湾労働者たちが、「冗談じゃねえぞ!」と吐き捨てます。
「休みったってな、シケが収まるまで、何日も、ずっと休みなんだ!」
「え!それじゃあ・・・」
「つまり、このまま、シケが続けば、俺たちは干物になっちまうってことさ!」と・・・。
このマンガの当時とは、まあ、随分と社会保障なども充実したでしょうから、こんなことはないにしても、おそらく、謝国明の時代は、事情はこの当時とあまり、大差ないのではないでしょうか?

司馬遼太郞氏の小説、「菜の花の沖」でも、同様の理由で、各地の港は船の入港を大歓迎するという既述が随所に見られたように記憶しております。
ましてや、「菜の花の沖」の時代からでも500年、男一匹ガキ大将からは700年も遡るわけですから、社会保障などというものは、おそらく、発想すら無かったでしょうし、それ以上に、何より、当時の操船技術では、冬場の渡航というものは、大変な危険を伴う物だったことから、オフ・シーズンという物がはっきりしており、ということは、事実上、夏場の稼ぎで一年を暮らさなければならかったと思われるわけで、となれば、冬に入る前にあまり、船が寄港することがない年があったとしたら・・・。

で、ある年の大晦日、飢えた町民たちを見かねた謝国明は、承天寺の境内に飢民を集め、そば粉を用いて、そばを振舞ったのだとか・・・。

e0027240_17261642.jpgすると、翌年には、から多くの貿易船が来航し、博多の町が再び活気づくことになったそうで、以来、博多では、年越しには「運そば」を食べる習慣が出来、それがやがて日本中に広まり、現在の「年越しそば」となったそうです。
(←数少ない私の原風景の一つです。)

もっとも、当時の運そばは、今のような細切り麺ではなく、そばがきのような形だったと言われていますが・・・。

ということで、今年は少し、飲む方を控えめにして、もっと年越しそばを味わって食べましょう、御同輩・・・(笑)。
                                         平太独白

by heitaroh | 2005-12-10 19:44 | 歴史 | Trackback | Comments(0)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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