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釜山紀行 その4 壬辰倭乱丙子胡乱


昨日の続きです。

釜山紀行 その4 壬辰倭乱丙子胡乱_e0027240_11413755.jpgこの日は、夕方、時間が余り、免税店やら何やらに連れて行かれましたが、私はいくら円高だからって、特に買う物も無し・・・で、独り抜け出して釜山の市場を散策。
とても、活気があって、これ以上、ウォンが下がったら国が破産する・・・というようには見えませんでしたけどね。

で、その日はもうひとつ、午前中のうちに朝鮮王朝が築いた山城跡を見たのですが、ここで印象に残ったのが、城跡そのものよりも説明看板にあった、「この城は、1592年『壬辰倭乱』1636年『丙子胡乱』で使われた」という文言です。
「壬辰倭乱」というのは豊臣秀吉朝鮮出兵に置ける韓国側の呼び名だということは私も知ってましたが、「丙子胡乱」というのは初耳で、ガイドさんに「これ何?」と聞くと、「それは、清朝が攻め込んできたときの戦争」だと・・・。
あー、そういえば、朝鮮は文禄慶長の役の後、新たに勃興した満州族の清王朝から攻められ屈服したんだっけ・・・と思いだしました。

そう考えれば、慶長の役が終結したのが1598年の12月ですから、日本では対外戦争はそれで終わっても、朝鮮ではその後も、もう一回、外国からの侵略を受けたのかと思うと、少しだけ感慨がありましたね。
おそらく、当時の日本人は皆、「外国との戦争はもう終わったことだ」という認識だったんじゃないでしょうか。
でも、実際には朝鮮では、秀吉の侵略が終結した後も1619年、1627年、1636年と三回も清と戦っていた・・・と。
(もっとも、日本は慶長の役から一年置いて、1600年に天下分け目の関ヶ原の戦いがあり、それから15年後の1615年大坂夏の陣で戦国時代には一応、終わりを告げたものの、1637年には4万人とも言われる死者を出した島原の乱が勃発しているわけで、やってることはあまり変わらなかったんでしょうけどね。)

で、ガイドさんに、「豊臣秀吉は韓国では大変憎まれているようだけど、満州族も嫌われてるの?」と聞いたところ、「丙子胡乱のときは朝鮮の王様がすぐに降参したのと、戦ったのは軍隊だけで、一般民衆には特に被害がなかった。ヒデヨシさんのときは戦争も長かったし、何より、一般民衆に被害が多かった」とのこと。
・・・納得。

そういえば、会津人が未だに薩長(鹿児島・山口)を嫌っているのは、 戊辰戦争での戦闘行為そのものよりも、戦後、戦死者の遺体の埋葬を許さなかったから・・・だと聞いたことがあります。
本当に恐いのは敵軍そのものよりも、むしろ、民衆の怒りであって、この点は、現代世界の指導者、特に、オバマ新米大統領(しんまい大統領ではありませんよ(笑)。新アメリカ大統領という意味です。)にはよく認識して欲しいことです。

ということで、あと、もう一回くらい続く・・・と思います。
                                         平太独白

by heitaroh | 2009-01-21 08:45 | 歴史 | Trackback | Comments(4)
Commented by 通りがかり at 2009-11-17 22:04 x
丙子胡乱のときは朝鮮の王様がすぐに降参したのと、戦ったのは軍隊だけで、一般民衆には特に被害がなかった。ヒデヨシさんのときは戦争も長かったし、何より、一般民衆に被害が多かった」とのこと。
・・・納得。

 おいおい。歴史事実に関して、ガイトの解説を紹介するのはいいけど、そんなガイドの話だけで納得しないでよ。ヒデヨシさんのときは、日本軍んい呼応した一般民衆が朝鮮の王をソウルから追い出したんだよ。

Commented by heitaroh at 2009-11-18 12:18
<通りがかり さん

それは知ってます。
戦争初期の頃は日本軍は解放軍として迎えられたけど、戦局が悪化して、民衆に被害が出だしてから民衆の恨みを買い、それがまた、偽首の多発などに繋がりるという悪循環となった・・・と。
でも、日本軍が歓迎されたのはほんの初期だけでしょ。
戦争全体を通してみれば、ガイドが言ったことは間違ってないと思いますよ。

ていうか、私が納得したのは古文書の真贋についてではなく、それらに対する現代の韓国人民の国民感情についてでした。
Commented by 韓国大好き at 2010-07-27 16:54 x
韓国旅行・・・・・・
うらやましい私も行きたくなりました。

1636年の丙子胡乱では通説によると清の侵略軍は
暴虐を繰りかえし
終戦時30万人から60万人(50万人の説が多い)もの
軍人と市民を奴隷として清国に連行しました。
さらに屈辱的な要求を呑んで王子を清国に差し出したり
毎年金・銀や牛馬ともに美女3000人が清国に送られていました。

これが日本が清国に勝って李氏朝鮮を独立させる
(下関条約1895年)まで約250年間つづきました。

もっともその後すぐに日本が属国にしてしまいましたが・・・・・
日本は毎年牛馬や3000名の美女は要求しませんでしたが
これは封建社会と近代社会の社会システムの違いで
日本も違う方法で属国とした朝鮮半島から搾取を繰り返しました。

壬辰倭乱と丙子胡乱では勃発の理由が異なり比較できませんが、
現在の韓国人の多くが日本人より中国人に好意を持っており
正確な史実より国民感情として豊臣秀吉=大罪人と
なるのだと思います。

清に勝てないと思いながらも秀吉と戦ったときに
援軍を出してくれた明への義理や
李氏朝鮮が差別と侵略を繰り返した女真族に対する感情など
現在の韓国人に残る激しい気質を感じますね。
Commented by heitaroh at 2010-07-27 17:52
<韓国大好きさん

私はこの後も一度だけ韓国には行きましたが、実はそれほど好きというわけでもなく・・・(スミマセン)。
というのも、ショッピングやエステなどに興味がないもので、かといって、「歴史」とういう視点での誘いはそれほど多くはなく・・・。
従って、貴台様のような歴史に造詣の深い方に誘ってもらったら行きますよ(笑)。

で、本題についてですが、丙子胡乱での被害がもちろん、なかったわけではないのでしょうが、壬辰倭乱の時の比ではない・・・というのが韓国人の認識なのかも知れませんね。
ただ、壬辰倭乱のときも朝鮮は日本を追い払ったのは良いけど、代わって明軍が送り狼になって居座ることを大いに懸念したように聞いております。
直後に、満州族の侵入や李自成(でしたっけ?)の乱などがあり、明が軍隊をすぐに呼び戻さなくてはならなくなったのが幸甚だったのでしょうが、その満州族が明を征服した後に侵入してきたことを思えば、危機の先送りに過ぎなかったとも言えるのでしょう。
いずれにしても、前門の狼後門の虎だったのでしょうが、日本と中国のこの図式は、今に至るも変わっていないように思います。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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