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麻生太郎内閣の通信簿 その5 百年に一度の不況の真実
年末から未完のままになっていた続きです。
イマイチ、まとまってませんが、麻生内閣があるうちに終わらせなきゃ・・・と(笑)。

以前、予算案を評して、新聞に「哲学無き予算編成」という見出しが載ってましたが、この点では、まさしく、言い得て妙・・、その通りだと思います。
世の中には、小泉純一郎内閣時代の切り捨て政策を悪く言う人たちがいますが、でも、それって、小渕恵三内閣のときのバラマキの反動だという見方はできないでしょうか。
つまり、地域振興券公共事業の大奮発悪化して、どうしようもなくなった国家財政を立て直すのに、国民はもはや痛み止めではなく、痛みを伴う手術を望んだ・・・と。
その覚悟の表れが、小泉内閣に対する国民の支持率の高さだった・・・と。
思えば、橋本龍太郎内閣が進めてきた財政再建路線と、その反動による小渕政権・・・。
その小渕政権への反動としての小泉政権の登場と、さらに、その反動としての麻生政権・・・という見方もできるわけで、そう考えれば、このバラマキの後に来る物は何なのかということは国民はよく考えておかねばならないと思います。

その意味では、麻生太郎総理自身に明確な見識がなく、指導力も不足しているがゆえのように見えますが、政権発足の段階で財政再建路線論者を遠ざけたことを考えれば、表面は小泉改革の継承を装いながらも、本来の姿はやはり、旧来の自民党バラマキ政治の範疇から出ていない人物だと思います。
その麻生総理がバラマキの大義名分にしているのが、「百年に一度の不況」という謳い文句でしょうが、何度も言ってますが、この「百年に一度の不況」というのは、もの凄いトリックがある言葉で、「百年に一度」というのはあくまでアメリカでの話であって、日本では、昭和の初めの大恐慌からこの方だけでも、戦前戦中の生活苦、戦後のハイパーインフレ、オイルショック、バブル崩壊と・・・、何度も真っ青になるような凄い大不況があったわけで、私自身の印象でも、オイルショックの時はもっと状況は深刻だったと思いますよ。
ましてや、戦後の混乱期を思えば・・・。
そう考えれば、今がいくら酷いと言っても、昭和の頃よりは、生活レベル的にはまだ、恵まれてるんじゃないでしょうか?

この点で、先日、オイルショック後の昭和50年にパナソニックの創業者である経営の神様、松下幸之助翁がインタビューを受けている映像がやってましたが、彼が、「前の不況も厳しかったけど、今回のとあのときとでは状況が違う」・・・などというのを聞いて、思わず、「前の不況???」と。
よく聞いていると、どうやら、山陽特殊鋼倒産山一証券危機があった昭和40年不況のことのようでしたが、これは時の田中角栄大蔵大臣の決断で山一の破綻は回避でき、その後の経済成長路線へと向かったという程度の軽い物だったように聞いてましたが、オイルショック時点で「前回の不況も深刻だったが」と言わしめたほどに深刻な状況だったんですね・・・。
そう考えれば、昭和32~33年の鍋底不況、昭和50年代後半のゼロ・シーリング時期、昭和60年の円高不況等々、そもそも景気なんて悪かった方が多かったわけで・・・。
百年に一回・・・というのが、いつの間にか、選挙対策のお題目にするために、日本にも適用されるかのようにすり替えられているわけですね。
ちなみに、松下幸之助翁は「前回(昭和40年不況)の時は政治がしっかりしていた。今は、政治が安定してないでしょ。それが問題だ」とも述べておられましたが、これって、不況に対して、的確な政策を打てないという点で、不況というものの本質にも当てはまることなのかもしれません。
                                         平太独白

by heitaroh | 2009-01-15 08:14 | 政治 | Trackback | Comments(6)
Commented by kawazukiyoshi at 2009-01-15 16:14
面白い意見です。
麻生の見方もそうかもしれません。
ただ、麻生しか出せなくなっている政界はレベルが落ちていますね。
100年に一度の危機というのは政治化の危機でしょう。
実に人がいない。
情けないことです。
言いたいことばかり書いて失礼。
今日もスマイル
Commented by heitaroh at 2009-01-15 18:20
< kawazukiyoshiさん

>麻生しか出せなくなっている政界はレベルが落ちていますね。

そう思います。
昭和の自民党政治が良かったとは言いませんが、派閥の領袖というものがなくなり、どなたも小粒になったような・・・。
麻生さんの後は、ますますいませんからねぇ。
Commented by 熱田 at 2009-03-04 23:21
 特殊鋼業界は不況になると、倒産がおこりやすいのは、好景気時には特殊鋼の特殊鋼たる所以がわからないからだ。特殊鋼はJISにあるとおり特殊用途のハガネであるが、そのさまざまな用途において、耐久性が求められるものである。一度きりの使用だったら普通鋼だって用を成す。しかしそれが千回、数万回、数十万回たってもびくともしないものが特殊鋼だからである。好景気時に、この材料はどこまで持つかなどとはよっぽど暇な技術者でないと考えないだろう。
 しかし、いま時は逆転した。真にぎりぎりのコストダウンをはかるには、技術者は特殊鋼の耐久性に敏感にならざるを得ない。そういうわけで、平時に規格さえ入れておけば特殊鋼だということで普通鋼の何倍もの値段を付けられていたものが、品質のいいかげんさを見破られてしまい落伍する。そういったわけで、不況になると特殊鋼メーカーの峻別がなされる。だから、不況の荒波をくぐった伝統のある特殊鋼メーカーのものを採用するのが、品質を見抜けない低級技術者の第一のアクションとなる。
Commented by heitaroh at 2009-03-05 11:10
< 熱田さん

ふむ。
随分、専門的かつコアな内容ですが、ある意味、興味深いご意見です。
特殊鋼の専門的なことはわかりませんが、これは特殊鋼だけに言えることでもなく、経営全般にまで共通する「真理」かもしれません。
私の持論に「会社はいつ倒産するか?」というのがあります。
不景気になったから潰れるのではなく、実は好景気の時にすでに倒産しているんだと。
好景気の時には待遇も良いからそれが表面化することはないが、不景気になったらそれが表面化し、好景気のうちだったら対応できていた物が不景気になってでは対応できず、破綻に追い込まれる・・・と。

>不況の荒波をくぐった伝統のある特殊鋼メーカーのものを採用するのが、品質を見抜けない低級技術者の第一のアクションとなる。

これも、つまりは信用ということだと思いますが、信用できる物の方が値段は少々高くても、結局は安く付くわけで、こういう時期になれば、なおのこと、その辺の選別は厳しくなるのではないでしょうか。
Commented by 伊勢雲伯 at 2009-03-14 18:45
 特殊鋼といえば日立金属さんのS-MAGICという鋼種が最近ウチでは話題になっています。加工しやすさって結構コストダウンや精度に効くんですよね。
Commented by heitaroh at 2009-03-16 13:13
<伊勢雲伯さん

私は鉄鋼業界のことについては、まったくの素人ですが、友人には川鉄や神戸製鋼のOBが居ますので(ちなみに、私の祖父は八幡製鉄でしたが(笑)。)色々聞くと、同じ鉄鋼会社でも得意不得意があり、結構、棲み分けが出来ているそうですね。
この程度の知識しかなくてスミマセン。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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