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阿久悠物語に改めて想った昭和 その4
親愛なるアッティクスへ

「閑時、我、山を眺め 忙時、山、我を眺む」

阿久悠物語に改めて想った昭和 その4_e0027240_14144152.jpgなかなか、忙中閑あり・・・とはなりませんが、京都貴船川床(←)です。
以前、友人に誘われ、一献やった時のものですが、いやいや、なかなかに風情があって絶品でした(笑)。

で、さておき、昨日の続きです。

先日も申しましたように、当時、私は阿久悠という人の書く詩には、何とも、商業的な臭いを感じていたことから、あまり、この人物に対しては、良い印象を持っていませんでした。
ただ、そうは言っても、阿久さんの書いた詩がすべて「一般受けを狙った物ばかり」・・・だったなどとは言いませんよ。

「あなたお願いよ 席を立たないで 息がかかるほど そばにいて欲しい」・・・なんて詩は、距離感を表現するのに「息がかかるほど」という、生々しい臨場感を表現するなんて「流石!」と思いますし、大橋純子さんの「たそがれマイ・ラブ」などは、今でも私の好きな曲の一つです。
ただ、そうは言っても、氏のそれが阿木耀子さんのように「良い物が出来たから提供した」というアマチュアのものではなく、「提供するために良い物を書いた」というプロの仕事であった以上、どうにも、玉石混淆の感は免れず・・・。
中には石野真子ちゃんの「わたしの首領(ドン)と呼ばせてください~♪」のように、いくら、当時、「日本の首領(ドン)」という任侠映画が流行っていたからって、少し安易に過ぎるような・・・。

その辺の阿木さんとの対比に関しては、当時の若者として、消費の最前線にいた者としては実感としてよくわかりました。
その頃、私の友人が言ったセリフに、「音楽に関しては、福岡は東京よりも一ヶ月進んでいる」というのがあります。
今はどうか知りませんが、このセリフには、当時、私も実感としてまったく同感でした。
実際、我々が「良い曲だよな」と言ってレコードを買って、ぼちぼち、聞き飽きて、「あの曲、良い曲だったけどヒットしなかったな」などと言っている頃に、初めて、「ザ・ベストテン」で25位くらいに入ってきて、「え?」と思っていると、その後、大ヒット・・・となったような曲がたくさんありましたからね。

余談ですが、寺尾 聰さんのメガ・ヒット三部作は、私がレコードを買ったときにはシングルしか売ってなくって、レコード店の人に「アルバムは無いんですか?」と聞くと、「たぶん出ないんじゃないですかね」と言われましたからね。
あの大ヒットも、当初は、そういう扱いだったんですよ。
もっとも、このとき、私が「良いな」と思ったのは、「さすらい」、「シャドー・シティ」「ルビーの指輪」の順だったのですが、実際にヒットしたのは、その逆の順番でしたけどね。
ちなみに、私が一番良いと思った「さすらい」に関しては、私がシングルで買ったものと、後に、ヒットしてアルバムになった物とでは同じ曲でも似て非なる物・・・どころか、まったく別物でしたよ。
おそらく、ヒットを受けて、アルバムにするときに、改めて、吹き込み直したのではないかと思いますが、シングルにあった物がなくなっていました。
同じ事は、クリスタル・キング「大都会」にも言えましたね。
同じ歌を同じ歌手が歌っているのに、これほどに違うのか・・・・って。

次回に続きます。
                                平太独白
by heitaroh | 2008-08-09 08:03 | 文学芸術 | Trackback | Comments(9)
Commented by ねこママ at 2008-08-12 00:09 x
「さすらい」はよかったですねえ。
ねこママも「ルビーの指輪」よりはこっちの方が好きでした。
聴力が劇的に落ちる前に聴いていたので、今でもよっく覚えておりま~す。と言いたいが・・・・肝心の歌詞をド忘れ。
最後の
♪生きて~いく道連れは~ 夜明けの風さ~
 青い夜明けの 風さ~♪
しか覚えておらんですよ。
Commented by heitaroh at 2008-08-12 10:31
<ねこママ さん

さすが同世代!(笑)。
私と同じ感覚の少数派がいたんですねw

当時、デビュー前に、寺尾あきらが石原プロの専務にこれを聞かせたら、「なんだ、お経みてぇだな」と言われたそうですよ(笑)。

ちなみに、出だしは、「ひとつ また ひ・とつ~♪」です。

Commented by ねこママ at 2008-08-12 20:59 x
そうそうそうですた。2番がよかった。
♪どんな恋だって 色あせ崩れてゆく いつの日かこの俺も 命尽き果てるなら~ あの雲にまかせて はるかにさまよい歩く~♪
の部分が好きでした。
・・・・なぬ?お経だと?(▼皿▼)=3
まあ、岩が服着たみたいな専務だったからさもありなんと思いますけど。

しかし、「ルビーの指輪」ばっかり注目されていて「さすらい」は忘れられているのが今となっては不満だなあ。←自分だって忘れていたくせによく言うよ。
Commented by ねこママ at 2008-08-12 21:01 x
同世代じゃないけどね、うっへっへ。
やや年の離れたお姉ちゃま?
Commented by へいたらう at 2008-08-13 16:14 x
<ねこママさん

忘れると言えば、あれほど、寺尾のシーズンを作った割には、今では、尾崎きよひこ以下の取り上げられ方ですよねw

年が近いお母様でなければ、同世代ということでご検討ください(笑)。
Commented by ねこママ at 2008-08-14 09:37 x
尾崎紀代彦も寺尾聡もどちらかといえばキワモノめいていますから、そのせいではないんですか。
それに、2人とも外見がむさくるしくて汚く見えるので、そのせいもあるのではないかと。笑

母とするには物理的(?)に無理。こんな年齢での出産例が世界にありますか。
叔母とするにはトシが近過ぎ。やや同世代でいいです。「やや」がつく。笑
Commented by へいたらう at 2008-08-14 12:39 x
<ねこママ さん

でも、寺尾聡は元々、俳優じゃないですか。
尾崎紀よ彦は、純然たる歌手。
でもでも、あのヒットチャートの独占(ザ・ベストテンに寺尾聡デラックス椅子ができましたよね(笑)。)を考えれば、昭和を語る上では、もっと、取り上げられて良いように思うんですけどね。

>こんな年齢での出産例が世界にありますか。

って、言われても、幾つで出産されたのか知らないし(笑)。
ちなみに、うちの母と私は20歳、叔母とは多分、14歳くらいしか離れておりませんし、私の友人の所は、父と祖母が16歳しか離れていないと言っておりました。

・・・ていうか、確か、以前も年の話をしたら、お叱りを蒙ったような記憶が(笑)。
もう、同世代でいいじゃないですか。
同じ昭和という意味で←範囲広っ!
Commented by ねこママ at 2008-08-14 13:22 x
寺尾聡の元々のスタートはグループサウンズだったらしいですね。
平行して俳優業も始めたらしいですけど、存在感があるんだかないんだかさっぱりわからない存在なので、せっかくビッグヒットを放っても、その曖昧模糊とした存在感に同化されちゃってんのかもよです。

へいたらうさんがそんなにがお好きなら、どこに行っても寺尾聡を歌ったり口ずさんだりして、周囲の人の耳に入れるようにしたらどうでしょうね。案外、そこからジワジワジワジワと彼を見直す風潮が広がって中央に届くかも?

14,16離れてりゃ、立派におじさんおばさんじゃないですか。ねこママの先輩には、叔母と甥が同級生なんてのがありました。
しかも同じ家に住んでる。ウエ~、イヤだ。笑

>同じ昭和という意味で←範囲広っ!

いえ、ねこママ、平成生まれざんす。(-四-)シレ~ッ
Commented by へいたらう at 2008-08-14 13:34 x
<ねこママさん

そうでしたね。
言われてみれば、彼は元グループサウンズだったような。

ご心配なく。
私もしっかり、この人のことは普段、忘れてましたから(笑)。

ただ、世間はあれだけのビッグヒットを放った歌手なんだから、もう少し、思い出してもいいんじゃないかなと。

叔母と甥が年が近いなんてのは、昔は良くあったみたいですね。
やはり、10人兄弟とかだとそういうことになるのかな。
・・・・あれ?もしかして、大正生まれ?(笑)。←逆鱗に触れる前に年の話から離れたいのに、なぜか、地雷の方に近づいているような・・・。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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