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日本に学校制度はなじまない。
親愛なるアッティクスへ

などがこれほど充実した今、もはや学校は不要ですべて民営化すべきだという意見もありますが、私は義務教育は別として、日本に於ける、最も相応しい本来の大学教育のあり方とは、やはり、江戸時代の私塾という形式ではなかろうかと思います。
つまり、どの学校に入るのか・・・ではなく、誰の門下に学ぶのか・・・ということです。
高校生くらいまではまだしも、本来、高度な専門知識を学ぶはずの大学制度が、「何を専攻するか・・・」ではなく、「どこに入るか・・・」、また、「何を学んだか・・・」よりも、「どこで学んだか・・・」が重視されるというのは、少々、本末転倒のような気がします。
やはり、本来有るべき形としては、そうではなく、自分は何を学びたいから、その為には、この方面での第一人者である誰々先生の下で学びたい・・・であるべきではないでしょうか?

もっと、その師なり、学長なりの顔はもっと見えていて良いように思います。
かつての、緒方洪庵適塾は幕末、多くの人材を輩出したことで知られていますが、すべての生徒を緒方洪庵一人が教えたわけではありません。
村田蔵六、後の大村益次郞など、優秀な生徒を助教授として、その人に授業をさせていたようです。
ただ、それでも、緒方洪庵という人の教育方針に根ざした校風というものは、厳然と存在しており、この点は、現代の大学の多くも同様の物を掲げてはいるのでしょうが、いかんせん、多くの大学が創立から歳月が経ちすぎたことで、創立当初の教育方針などというものは形骸化しているように思えます。
こういうった、創立者の教育方針、校風などというものは、所詮、創立者個人のものであり、せいぜい、実際に、その謦咳を受けた世代くらいまででしょう。
(一部、外語大学などは、まだ、わかりやすいということもあり、そういった校風がしっかり残っているようにも思えますが・・・。)

場合によっては、もっと、こういう小規模の私塾が、たくさん出来ても良いと思います。
その上で、もっとも自分の適性にあった校風を選び入学する。
ここで、さらに大事なのは、「自分の気風にあわない、学問の方向が違う・・・ということを感じたなら、即座に自分にあった学風の私塾への転入を可能とすべきである」ということです。
学校などというものは、所詮、行ってみないとわからないものなのですから・・・。
現在の学校制度は、この点で、春先の一回だけの入学ですが、もっと、柔軟に対応しても良いのではないでしょうか?
小学校ならまだしも、最高学府であるはずの大学生を皆、ひとつの部屋に押し込め、同じカリキュラムを餌をついばむヒヨコのよう教え込む必要はないのではないですから・・・。
要は、学問とは志である・・・ということでしょうか。
                            平太独白
by heitaroh | 2008-07-05 08:18 | 教育 | Trackback | Comments(2)
Commented by motton at 2008-07-09 10:04 x
現代では、大学までは寺子屋(すなわち「教育」)で、志を持った「学問」は大学院からではないでしょうか。少なくとも理系では「高度な専門知識」は大学では無理です。
私塾にあたるのは研究室でしょう。先生によって気風も違い、「この先生の下で」と進学する人も多いです。
(他大学からの「編入」枠が少ないのは問題かもしれません。)
ただ江戸の私塾に例えると、修士課程でも人が多すぎ、博士課程からでしょうね。
Commented by へいたらう at 2008-07-09 10:27 x
<motton さん

なるほど。
興味深い話です。

大学も今や、準義務教育化してしまっているということですね。
思えば、江戸時代の私塾進学率も、今日の大学院とそう変わりはないように思いますし。

大変、参考になりました。
<< 七夕に見る刹那的「手は付けど ... 西本幸雄という大正男についての... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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