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一芸で飯が食えるということの定理
親愛なるアッティクスへ

一芸で飯が食えるということの定理_e0027240_141099.jpg以前、人気お笑い芸人のぐっつぁんこと、山口智充さんが、素人時代に、スナックのカラオケで北島三郎さんの物まねをして歌ったら、向こうに座っていた強面のおじさんたちから大喝采の挙句、ボトルが差し入れられてきた・・・という話をしておられました。

この話を聞いて、なるほど、一芸で飯を食っていくということが出来る人というのは、こういう人のことを言うんだろうな・・・と。
そして、ここにこそ、興業というものの本来的な姿、つまり、本質があるような気がします。

世の中、単に歌や物まねが上手い人なら掃いて捨てるほどいますよ。
100点満点の100点かもしれない・・・。
しかし、それで飯が食っていける人というのは、それ以上の何か・・・、魚が、海底から、一気に浮き上がって海面すれすれまで行けるのを100点だとしたら、一瞬でも海面を突き抜けて、水がない世界でひるがえって見せることができるような・・・、つまり、120点がとれる者こそが、一芸で飯を食って行くというこを為し得る者だと思うのです。
そういう人の芸域に、初めて、人は金を払って見に来る・・・と。

そのことを、上述の北島三郎さんは、「僕の兄弟は皆、歌がうまい。しかし、歌で飯が食えるのは僕だけ」と言ったといいます。
そのことは、同様に、明石家さんまさんは、芸人辞めて、東京の喫茶店でアルバイトをしていた頃、「おもろい兄ちゃんがおる!」ということでさんまさん目当てに来る客が激増し、店の売り上げが飛躍的に伸び、店のマスターから給料を上げるから残って欲しいと言われたといいますし、島田紳助さんは、芸人辞めてキャバレーの支配人をしていた時代には、若くして名支配人の呼び声高く、かなりの収入を得ていたといいます。
まあ、こういう、違う仕事に就いていても、それなり・・・、いや、それ以上に光ることが出来る人こそが、一芸で飯を食って行くことが出来る人なのでしょう。

その意味では、敬愛する大橋武夫氏の著書に描いてあったことですが、旧帝国陸軍のバイブル、「統帥綱領要項」には、「まず計算し、しかる後にこれを超越せよ」という言葉があるそうですが、まさにこれではないかと。
計算するまでなら、参謀というのは、大体、秀才と名が付く人ばかりですから、出来不出来はあったとしても、それなりに出来る・・・と。
しかし、計算して出てきた物を、ただ、実行に移すだけなら司令官はいらないわけで、司令官は、その計算値をさらに超越した答えを出さなければならない・・・というような意味ですね。
まあ、そこで求められるのが、経験であり、それに裏打ちされた直感力だったりするわけでしょうが、しかし、いくら頭が良くても、やはり、参謀止まりの器の人というのはいるわけで・・・。
                             平太独白
by heitaroh | 2008-07-01 08:29 | 思想哲学 | Trackback(2) | Comments(6)
Tracked from 好都合な虚構 at 2008-07-02 15:18
タイトル : もう一つの「知らしむべからず」      
もしかすると「未成年の喫煙」よりもっと差し迫っていて、深刻かもしれない問題についても「日本が例外である」という事実をマスコミは報道せず、政府も黙っています。 マスコミは主として内閣支持率について面白そうに「世論調査」をやりますが、必ず「消費税引き上げ」問題についても質問しています。しかし設問は「引き上げ」に対する賛否だけです。品目別などの分別課税に関しては問いません。政府も分別課税には触れません。ここでも政府とマスコミの協調は見事です。政府とマスコミは、今や北朝鮮に負けないくらい足並みを揃えています...... more
Tracked from 好都合な虚構 at 2008-07-02 15:19
タイトル : 他人様のことは言えない          
ついに「taspo」システムが首都圏で先行実施された。未成年者はタバコを購入することができなくなったのだ。 確信を持って禁煙運動に専念している方たちにすれば一顧だにする値もない些細な動きに過ぎないだろう。 しかし政治の世界では財源確保の一手段としてタバコの値上げがマジメに議論されているのだから喫煙者が絶滅すると困るのか。 摂取が習慣になりやすい、依存症を起こしやすい嗜好品は、その製造販売を国家の管理下に置くと安定財源になる。しかし、現代ではほとんどの先進国はアルコールとタバコ以外の麻薬や覚醒...... more
Commented by チョンガー公爵 at 2008-07-02 11:43 x
いつもお世話になります。
大橋武夫さんの本、わたくしめもよく読みますよ。教養過程にいる大学生あたりには最適だと思います。もちろん、経営者にも。
Commented by へいたらう at 2008-07-02 13:49 x
< チョンガー公爵さん

こちらこそお世話になっております(笑)。

読破されましたら、是非、ご感想を・・・。

Commented by 芙蓉 at 2008-07-02 22:06 x
ぐっつぁん、結構好きです。
歌だけでなく、役者としてもなかなか(^^♪。

ところで、「直感力」に反応しまして...、
さきほど、将棋名人戦で、森内俊之名人を4-2で下し、
名人位に復帰しました羽生善治棋士のこと、思い浮かべました。
彼もよく、直感力、ということを言っていましたが、
中学時代から天才と呼ばれながらも、
このところは、かなり苦しい数年、でもその後さまざまな経験を積んで、
さらなる進化・飛躍を遂げた感がします。

仰る通り、彼も、頭の良さだけではありませんね。
将棋で(芸ではないのかもしれませんが)、
ご飯を食べるのも、また大変なこと..。

それから先日のお父様のエピソード、微笑ましく拝見しました。
その大らかな心根、平太郎様、
充分継いでいらっしゃるように、お見受けいたしました!(^^)!
Commented by へいたらう at 2008-07-03 09:57 x
< 芙蓉さん

羽生が勝ったんですか。
何か、そういう対戦がある・・・ということだけは聞いてましたが、詳しいことは知りませんでした。
一時期は、羽生の一人勝ち状態が続きましたから、何か、盛り上がりに欠けるな・・・という感がありましたが、彼が、圧倒的な強さが無くなって、逆に面白くなったんじゃないですか?

将棋も立派な一芸ですよ。
プロスポーツも然り、芸能人も然りでしょう。
客が金を払っても見たい・・・と思うだけの何かを提供できるということが原点なのでしょうから。

ちなみに、うちの父のエピソードは決して、微笑ましいエピソードなどではありません。
やつに、もう少し理解があれば、私の人生ももう少し、マシなものになってたんですけどね。
Commented by silku928 at 2008-07-03 15:07
>羽生が勝ったんですか

17日、名人5期を達成し、
永世名人の資格を獲得したようです。
彼も37歳。
このところ苦しみ、勝てない時が続いていましたから、
今回の勝利は、さぞ嬉しかったのでは。
ここまでくるには、さまざまなご苦労があったのでしょうね。

Commented by heitaroh at 2008-07-03 18:42
< silku928さん

かつて、将棋の大山名人は、「若いうちは強いのは当たり前です」と言っていたという話を聞いたことがあります。
その意味では、いくら、体力には関係ないとはいえ、羽生さんの苦境は時代の変化かもしれませんね・・・。
<< 西本幸雄という大正男についての... もふや人種が違うとしか思えない... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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