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食糧自給率低下にみる農業立国というものの是非 その2
親愛なるアッティクスへ

船場吉兆・・・、ついに、廃業に追い込まれましたね。
使い回し発覚が決定的な打撃となったといいますが、あれが発覚したとき、私も思わず絶句したのですが、うちの家人は、「へー、でも、普通の定食屋じゃ、どこでもやってることなんだろうにね」と・・・。
これには、結構、「言われてみれば、十二分にあり得る話・・・」だなと。
今更ながら、我が身の知らぬが仏・・・愕然としましたね(笑)。
で、ちょうど良い機会ですから、以前申し上げた平太郎独白録 : 食糧自給率低下にみる農業立国というものの是非 その1の続きについてふれてみたいと思います。

食の問題が取りざたされている昨今、食糧自給率の低さが問題となってますよね。
世界的慢性的食糧危機が迫りつつあるようです。
この点では、以前、「どうせ作り手が居ないんだから」・・・などという政治家の議論を聞いたことがありますが、これは、大いに間違っていると思います。
なぜなら、これは、「どうせ全員助からないんだから全滅してもいい」・・・というような意味の話であり、であるならば、これは以前から言っていることですが、「100人助けられないときは、90人助けるようする」ことこそが政治の仕事だと思っていますから。

で、その食料自給率低下の問題ですが、この点は、前回も申し上げましたように、江戸時代、日本が自給自足できていた頃は、その人口が3千万人程度であり、なおかつ、それでいて、国民の大半が第一次産業の従事者だったわけで、それを考えれば、いくら、技術が進歩したとはいえ、山が多い日本の地勢では、1億を超す人口を養うだけの食料を生産することは本質的に無理があるように思うのです。
で、これをある程度、劇的に解決する妙案があります。
それ即ち、捨てている食料を再利用することです。

日本人は、食糧自給率をもっと上げるべきだなどと言いながら、国内には山海の珍味が満ちあふれ、さらにそれを大量に廃棄していますよね。
(国内の米の生産量の二倍もの食料品が廃棄されているとか・・・。)
期限切れとなった食品は、一部が、販売者のまかない食になっているようですが、その他は業者によって回収され、大半が廃棄処分にされ、かつ、その8割が焼却処分にされているそうです。
この点は、以前、平太郎独白録 : 歴史の真実でも申し上げた「企業が自分の力の100%を発揮できているところは少ない。そう考えると新規に開拓するとか、新たに積み増すなどということをやるより、少しでも100%に近づけることを考える方が効果的なのではないか」というものとも共通することでしょうが、食料自給率を上げる・・・などという困難なことを口走るよりも前に、廃棄される食料をもう少し何とか減らすことを考えるべきではないでしょうか。

再利用ということになると、問題の、船場吉兆が思い浮かびますが、でも、これは、客が食べ残した物を、そのまま隠して使うから、倫理上、衛生上、問題なわけで、焼くなり煮るなりして、火を通して、「残り物を再利用していますが、衛生上、まったく問題はありません」と銘打ち、弁当のおかずなどとして安く販売すれば理解も得られるのではないでしょうか。
コンビニ弁当だって、全部、国内産でやると、金額的に誰も買わない・・・といいますから・・・。
                                       平太独白
by heitaroh | 2008-05-29 08:48 | 社会全般 | Trackback | Comments(6)
Commented by Kazu at 2008-05-29 18:29 x
昨年の正月田舎(香川)で祖母と父の法事をし、実家でお膳をしたのですが、もちろん食べきれる量ではなく、折箱を準備して残りはみんな持ち帰ってもらいました。私の田舎では昔からそれが当り前で、子供のころは父親が持ち帰る折箱を楽しみにしていました(私の父は飲むと食べれない昔の酒のみで、料理はほとんど手つかずでした)。都会ではどうか知りませんが、これいい慣習ですよね。また、オランダ駐在時、中華・イタリアンに行ったときは、余ったものをdo-eat-bagと称して持ち帰り、冷凍して後日家族で食べていました。さすがにフレンチはだめでしたが。日本でもこんなことが恥ずかしいことではなく普通になればいいのにとふと思った次第です。そうすれば食材の輸入が劇的にとは言いませんが減ると思います。今更昭和30年代の食生活に戻るわけにはいきませんですしね。カレーライスの上に生卵のせ、その上にソースをかけるのが一番の御馳走でした。
Commented by dawase86 at 2008-05-29 22:41
トラックバック、ありがとうございます。
平太郎さまの御意見に全く同感です。
レアメタルも食料もすべてはリサイクル。この国が得意とする
リサイクル文化をこれこそ国民運動とすべきだと思います。
Commented by へいたらう(管理人) at 2008-05-30 13:45 x
<Kazuさん

なるほど。
持ち帰り文化ですか・・・。
確かに、言われてみれば、いつから、あれを「恥ずかしい行為」などと認識し始めたのでしょうか。
昔は、割と普通でしたよね。
それに、特に温泉旅館の晩飯などに顕著なように思いますが、よく、食べきれないくらい料理が出てきますよね。
中国の人は、料理が足りなくなるのを極端に嫌がるようですが、いくらごちそうでも、食べきれないくらい出てくるのは意味がないように思います。

ちなみに、私にとって、子供時代の最大のごちそうは「とんちゃん」と呼ばれていたホルモンでした(笑)。
Commented by へいたらう(管理人) at 2008-05-30 13:52 x
<dawase86さん

こちらこそ、コメント有り難うございます。
円高不況前は、割とリサイクルが機能していたのでしょうが、プラザ合意以降の円高で崩れちゃいましたね。

ただ、この問題をもっと煎じ詰めれば・・・、そして、誤解を恐れずに言うならば、その意味では、商品価格が高騰するのはも必ずしも悪いことでもないと思うんですよ。
高くなれば、たくさん食べられなくなるから、メタボなどとも無縁になるし、何より、食品をもっと大事にしようと思う意識が芽生える・・・と。
それに、人間、少し腹減ったくらいが一番、生産意欲も高まるように思えますしね。
もっとも、餓死者は出ないようにしないといけないでしょうから、その辺は何らかのセーフティネットは必要でしょうが。
Commented by mimishimizu3 at 2008-05-30 17:20
吉兆の、「食べ残し」をまた使うなんて、ゆるされません。
お金はちゃっかり両方から取っていたのでしょう。詐欺です。
「のれんに胡坐をかいていた」というのはたしかでしょう。
また、「のれん」を重んじすぎた日本人もいけないと思います。
Commented by heitaroh at 2008-05-31 10:13
<mimishimizu3さん

そうですね。
私も、あれを聞いたときは、本当に、絶句すると同時にゲロゲロと思いましたよ。

でも、文中でも書いてますように隠していたのが問題であって、「客の残りだけど悪くはなっていない。安くしておく」と言われた場合、納得ずくでそれを買う人を非難する気にはなりません。
服などの、アウトレット商品が最近、大人気ですが、あれも、いくら服だからと言って、古着を新品だと言って売っていたら、やはり、ゲロゲロと思う人もいるんじゃないでしょうか。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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