人気ブログランキング | 話題のタグを見る


権力の重心不在
親愛なるアッティクスへ

ある資料を探していたら、8年前に友人にあてたメールをプリントアウトしたものが出てきました。
当時の世相と相まって、なかなか面白いと思うのですが、如何でしょうか?
以下。
------------------------------

以前、「今の日本の一番問題点は、権力に重心がないことだ。」と申し上げましたが、その件で、私なりに、ちょっと考えてみました。
権力の重心不在・・・。
一つには、戦前の反省から誰かに(どこかに)権力が突出するのを警戒するということ、フィクサーになったほうが責任もとらなくていいし、そうなると余計突出した権力者の出現というのは困る・・・という風潮も有ると思います。
さりながら、私の意見としては、現在の日本の制度上の欠陥に問題があると思います。

本来でしたら、重心は内閣総理大臣に有るべきなのでしょうが、(本来の首相の権限は旧帝国陸軍GHQを併せたより強いという人もいます。)現在その力が発揮できる環境にはないことは、よくご存じのことと存じます。
確かに議院内閣制というものは、行政のトップが議会のトップも兼ねられるという建前があり、その意味では、理屈では確かにそうなるのですが、実際はそうなっておりません。
私としては、どうしても、持論である行政と立法の未分離というところへ行き着かざるをえません。
(その一つとして、議会のトップが行政のトップを兼ねるところまではいいとしても、大臣をはじめ議員みんなが行政にタッチすることが、すでに議会の放棄につながっていると思います。)
参考:平太郎独白録: 「日本の最大の問題点は行立未分離に在りと見つけたり!」

制度上の欠陥というところへ話を戻しますと、かつて、共和制時代の古代ローマでは、通常は選挙で選ばれた2名の執政官がトップとして国家の運営に当たっていたそうですが、非常時には執政官が指名した独裁官1名任期を区切って、事にあたったそうです。
日本でも、江戸幕府などは通常4名老中によって運営されていましたが、将軍が非常事態の必要を感じれば大老というものを老中の上におき、強大な権限を与えて、事に当たらせたわけで、その意味では現代の日本の首相も戒厳令を布告する権限を持っているあたりは、そうだと言えるでしょう。
しかし、首相自体、選挙で選ばれる以上、国民に不人気な政策や、選挙に影響を与える利権をなくす政策は採りにくく、それでは思い切った政策はとれないと思います。
しかし、非常時には、強大な権限を与え、任期を区切って、選挙を気にせずに(場合によっては憲法の一時停止すらも含め)、 首相の指名ででも誰かをたてるべきではないでしょうか?

先日より私の主張であります、資本主義の「民意を反映しすぎるがゆえの行き詰まり」という前提に対しては、こういった補足制度が必要だと思います。
ツキディデスペロポネス戦役の中で「大国統治には民主制は向かない。」と言っておりますし、スッラは「民衆の思うままに国家を運営すれば、君主制に行き着く他はない。」とも言っております。
現代に置いて、絶対君主制というのは不可能でしょうが、国家主席という名の君主制もあることですし、このままでは日本も軍事政権の登場以外に打開策はないように思えて成りません・・・。

「身は防人の露となり 何とこの世はみたむない」 平太郎
------------------------------
以上。
まあ、若気の至りということで・・・(笑)。
                                平太独白
by heitaroh | 2005-08-20 08:29 | 政治 | Trackback(1) | Comments(2)
Tracked from 墓の中からコンニチワ at 2008-02-17 15:24
タイトル : オバマを守れ!
ついにオバマがヒラリーを逆転リードした。 こうなると「ロバート・ケネディ」を思い出さざるを得ない。彼も民主党候補としてリードした途端に殺された、兄のジョンは大統領になってからだったが、ロバートは民主党の一候補の間に殺されてしまったのだ。 ロバートの時とオバマが任期を集めている現在では状況が似ている。片やベトナム戦争、一方はイラク問題に曝されている。さらにケネディ兄弟は公民権に関して黒人にしか注意を払わなかったが、オバマは中南米やアジア系の国民の人権にも言及している。何しろヒスパニックは全米で4...... more
Commented by D-KID at 2008-02-17 22:29 x
以前もカキコしたかと思いますが、今の問題点って制度上の欠陥もさることながら衆愚政治の極みもあるんじゃないですかね。

あとは『第4の権力』であるマスコミのパワーアップでしょうか?
Commented by heitaroh at 2008-02-18 12:01
<D-KID さん

確かに。
私も日本に民主主義は少し早すぎた・・・と思っております。

私も以前書いたのですが、今の日本の三権分立とは「行政・立法・司法」ではなく、「マスコミ・官僚・新興宗教」だと思っておりますので。
<< 中継貿易基地として見た対馬の存在 男の老後、そのひとつの形・・・... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
ライフログ
最新のコメント
sakanoueno-k..
by heitaroh at 19:20
おっしゃる通りですね。 ..
by sakanoueno-kumo at 14:59
> sakanoueno..
by heitaroh at 18:01
堀で防御を固めたような大..
by sakanoueno-kumo at 15:36
> sakanoueno..
by heitaroh at 11:34
> sakanoueno..
by heitaroh at 11:24
おっ! ここ行かれたん..
by sakanoueno-kumo at 22:00
なるほど。 そこまでは..
by sakanoueno-kumo at 21:49
> sakanoueno..
by heitaroh at 18:13
おっしゃるとおり、悪人と..
by sakanoueno-kumo at 13:53
> sakanoueno..
by heitaroh at 11:42
案外、美魔女妻に叱られて..
by sakanoueno-kumo at 21:20
> sakanoueno..
by heitaroh at 19:43
だけど、黒木華ちゃんって..
by sakanoueno-kumo at 10:59
> sakanoueno..
by heitaroh at 18:21
検索
タグ
(67)
(56)
(55)
(53)
(51)
(46)
(43)
(42)
(42)
(36)
(33)
(32)
(31)
(31)
(30)
(28)
(27)
(27)
(26)
(26)
(25)
(24)
(24)
(24)
(24)
(23)
(22)
(21)
(21)
(21)
(21)
(20)
(20)
(19)
(19)
(18)
(18)
(17)
(17)
(17)
(17)
(16)
(16)
(15)
(15)
(15)
(14)
(14)
(14)
(14)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(12)
(12)
(12)
(12)
(12)
(11)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
カテゴリ
以前の記事
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
最新のトラックバック
フォロー中のブログ
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧