人気ブログランキング | 話題のタグを見る


「人生意気に感ず 功名誰かまた論ぜん」
「唐王朝」というのは変わった王朝です。
「大唐」と呼ばれ、中国の歴史上、「牡丹の花」にも例えられるほどの繁栄を誇ったほどであるにもかかわらず、創業者よりも二代目の方が有名な王朝なのです。
普通、二代目というのは、どうしても、創業者・徳川家康に置ける二代将軍秀忠のように、あくの強い創業者の陰に隠れてしまいがちなのですが、この唐王朝に限っては、その限りではありません。
二代目である太宗皇帝・李世民は、兄を殺し、初代皇帝である父を軟禁して、帝位についたほどにあくの強い人物であり、この点は、父にして鎌倉幕府初代執権、北条時政を追放し、権力を掌握した二代目・北条義時を想起するでしょうか。

ただ、その李世民の治世は、「貞観の治」と呼ばれ、徳川家康も参考にしたほどに治世の理想とされています。
で、それほどの治世を補佐した重臣に魏徴という人物がいるのですが、この人は、元々、太宗が殺した兄皇太子の側近だった人物で、当時、皇太子に対し、たびたび、「早く弟君を殺すように」と進言していたとのことで、皇太子死去後、A級戦犯として断罪される立場となった人です。
が、その能力を見込まれ、逆に、太宗皇帝の重臣として重用され、癇癪を起こした太宗を度々、諫めたとか。
で、本日の表題は、その魏徴が詠んだ歌の一部です。

「人生意気に感ず 功名誰かまた論ぜん」

この話で思い出すのが、春秋時代の中国の故事です。
王を囲んでの宴の席で、余興として、灯りを消して飲もう・・・ということになったとき、暗闇に紛れて、誰かが王の寵姫の唇を盗んだ・・・と。
このとき、寵姫は機転を利かせて、その者の冠に傷を付け、すぐに、王の側に駆け寄り、王に灯りを付けて犯人を探してくれるようにと注進したところ、事情を聞いた王は、「いや、今宵は無礼講と言ったはず。皆、今宵は冠を外して飲むことにしよう」と言い、宴席は灯りを付けないまま、お開きとなった・・・と。
後年、王は大国・との戦いに大敗し、命からがら敗走を重ねる身となったところ、このとき、一人の戦士が現れ、全身に針鼠の如く、矢を受けながらも、王を安全なところまで逃がし、「実はあのとき、寵姫にいたずらをしたのは私でした。王の配慮のおかげで、満座の前でさらし者にならなくて済みました。私はいつか、この恩義に報いねばならないと思っていました」と言い残し、ついに息絶えたと・・・。

何かの浪曲でもありましたよね。
親分が祝儀の席に行かないものだから、やむなく、子分が代理として出席したものの、そうそうたる親分衆が集まる中で肩身が狭い思いをし、さらに、続々と高額の祝儀金が発表されていくと、自腹でなけなしの金1両を包んだその子分は、何ともいたたまれない気持ちになる・・・。
ところが、自分の番で、読み上げられたのは「OO親分!金100両!」のコール・・・。
満座のどよめきに面目を施したこの子分は、同時に、心中、「いつか、この人の為に働かなきゃなるまい」と思う・・・と。

人生意気に感ず 功名誰かまた論ぜん・・・
(「人生なんてのは意気に感じるもの。功績や手柄などというのは誰か好きな人が語ってくれ」:平太意訳)・・・と。
最近、こういうのを聞くとパブロフの犬並に涙もろくなりました・・・。
                     平太独白
by heitaroh | 2008-02-12 00:49 | 歴史 | Trackback | Comments(4)
Commented by 松尾香里 at 2008-02-13 16:19
お久しぶりです(^v^)/。粋なお話をありがとうございます。

最近、「粋」という表現をあまり使わないなあ、と感じておりまして。
人の恥を察してカバーするような人が少なくて残念に思う反面、
歴史の中から学ぶことは多いと思う次第です。


Commented by heitaroh at 2008-02-13 16:35
<松尾香里さん

あれ、ご多忙中だったはずでは(^v^!)。
粋どころか、あたしなんぞは、すぐに、人に枠をはめがちなもんで・・・(笑)。
Commented by 松尾香里 at 2008-02-14 19:43
座布団一枚☆ですね~。
Commented by heitaroh at 2008-02-15 10:04
<松尾香里さん

有り難うございます(笑)。
<< 昭和43年の全共闘にみる親の立... ふと気づけば夜も明るい日本と自... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
ライフログ
最新のコメント
< sakanoueno..
by heitaroh at 11:21
< sakanoueno..
by heitaroh at 11:16
お説ごもっとも! 戦争は..
by sakanoueno-kumo at 10:50
ご無沙汰しておりました。..
by sakanoueno-kumo at 10:46
<sakanoueno..
by heitaroh at 18:10
ご無沙汰しております。 ..
by sakanoueno-kumo at 13:01
< hibiscus20..
by heitaroh at 18:09
継続は力、努力素晴らしい..
by hibiscus2025 at 19:25
sakanoueno-..
by heitaroh at 20:17
遅ればせながら20周年お..
by sakanoueno-kumo at 19:45
< hibiscus20..
by heitaroh at 11:57
今晩は!何とも女性にとっ..
by hibiscus2025 at 22:47
>sakanoueno-..
by heitaroh at 01:40
こんばんは。 今年は喪..
by sakanoueno-kumo at 22:12
> hibiscus20..
by heitaroh at 19:10
検索
タグ
(67)
(56)
(56)
(53)
(51)
(46)
(43)
(42)
(42)
(36)
(33)
(32)
(31)
(31)
(30)
(28)
(27)
(27)
(26)
(26)
(25)
(24)
(24)
(24)
(24)
(23)
(22)
(22)
(21)
(21)
(21)
(20)
(20)
(19)
(19)
(18)
(18)
(18)
(17)
(17)
(17)
(16)
(16)
(16)
(15)
(15)
(14)
(14)
(14)
(14)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(12)
(12)
(12)
(12)
(12)
(12)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
カテゴリ
以前の記事
2025年 11月
2025年 10月
2025年 09月
2025年 08月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 04月
2025年 03月
2025年 02月
2025年 01月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
最新のトラックバック
フォロー中のブログ
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧