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教師も中途採用を奨励すべき論
以前、テレビの「100万円あげます」とか何とかいう番組で、ある教員が、「学校で、地理を教えているのに、自分がその地域に行ったことが無い。それで地理を教えていることに矛盾を感じている。だから100万円当てて、世界中ではないにしても、海外旅行に行きたい」と言って出場されてきたことがありました。
番組のコメンテーターなどからは、失笑が漏れてましたが、私には彼が言っていることが、それほど、おかしなことだとは思えませんでした。

無論、すべての地理教員だけを公費世界一周旅行に行かせてやる・・・というのは、到底、現実的なことではないでしょう。
しかし、いくらマスメディアが発達しようとも、とにかく、現地に行ってみないとわからないことがあるのも、また事実です。
そういう意味では、やはり、教師の側も、行ったこともなくて教えているのであれば、教科書に書いてあること以上のことは教えられないでしょうし、生徒の突飛な質問にも答えられず、ひいては、授業にを拡げてあげることもできないでしょう。
で、私が言いたいのは、「教員も、もっと、中途採用を増やすべきだ」と言うことです・・・。

そう言うと、以前、校長を民間から採用したものの、うまくいかずに、その方が自殺した・・・という事件を持ち出されるかもしれませんが、それって、校長を採用するからだめなんですよ。
校長を民間から採用すると言うことは一般教員(特に教頭)にとっては、自分たちのポストが一つ減るということでもあり、だとすれば、こんなのがもし、「評判!」ということなれば、「やはり、校長は民間から・・・」ということにも成りかねず、何より、これまでの校長が否定されることになるわけで、到底、歓迎される要素を見つけ出すことはできないでしょう。
だから、そうではなく、一般教員をもっと、積極的に民間から採用すべきだと思うのです。

私の友人にも学校の先生がいますが、「あれはあれで大変そうだな・・・」とは思うのですが、ところが、彼に限らず、新卒から、そのまま教員になった方が圧倒的に多いようで、私の見るところ、教員以外の経験というモノが、余りにも不足しているように思えるのです。
「先生だけを専一にやってきたプロの先生でないと学力低下が心配だ!」というPTAの声もあると伺いましたが、小学校、中学校程度の勉強であれば、基本的に先生だけをやってきた人間でないと教えられてない・・・というレベルでもないでしょうし、何より、教えるのはうまくても、それ以外の人生経験がないと生徒の相談にのってやることにも限界があるのではないでしょうか?

教員とは、宗教人同様、生徒をただ、良い学校に送り込むことだけが本来の姿ではないはずですから、わずかでも、教員というものに「聖職」という意識をもたれる方があれば、こういった葛藤に悩まされることも十分に考えられると思います。
そんなときに、「銀行員時代に、営業成績が上がらないと机の上に正座させられた。」、「マンションの販売で、成績が上がらなかったとき、夜中に消防署や警察署などに飛び込みで営業に行った」、「自分ばかりが悪いわけではないのに顧客から罵詈雑言の限りを浴びせられた」などなどの経験がないと、生徒の痛みなどわかってやれないでしょう。
また、「商社マンとして世界中を渡り歩いてきた」、「旅行代理店の添乗員として色々な国に行った」から、果ては、「商談に行ったら、あと少しでギャングに殺されるところだった」、「北極海の海に転落したときは、もうだめだと思った・・・」などの経験がある人を雇えば地理の先生も助かるし、生徒にとっても、貴重な記憶となるのではないでしょうか?

少なくとも、教員の殆どが教員経験しかないという現状は、もう少し、変えてもいいのではないかと思いますし、むしろ、教員を新卒で採用する枠を半分と、色々な経験をしてきた人を優先的に雇うべき枠を半分、設けてもいいのではないかと思うんですけどね・・・。
                                      平太独白

by heitaroh | 2008-02-02 07:40 | 教育 | Trackback(2) | Comments(10)
Tracked from 墓の中からコンニチワ at 2008-02-03 11:45
タイトル : 無限に広がる?
毒入り冷凍食品事件でJTの取締役が記者会見をしていたが、問屋や小売店など商品の卸先を列挙していた。そのまま読み上げてくれれば行き先がハッキリ聞き取れていただろうが、全部に「様」「さん」を付けるのでサッパリ分からない。分からなくするために敬称を付けた、と邪推したくなる。 その翌日、もっと凄い「敬称」に出会った。 自宅から電話でタクシーを呼んだら「ODAタクシーのニキュウキュウサンサン」が参ります、と配車センターの女性が言う。 玄関で待っていたら、やってきたのは「ODAタクシー」の「293」番の...... more
Tracked from 墓の中からコンニチワ at 2008-02-03 12:51
タイトル : ビックリガニ
冷凍餃子問題との関連で、あるニュースでは中国からの生鮮を含む輸入食品を列挙していた。 ビックリしたのは「ズワイガニ」だ。 生息地は、日本海側では山口県以北、太平洋側では茨城県以北のはずだ。 中国にはいない。しかし中国からの輸入食品に挙げられている。 北海道でも取れるが、本当の北海道産は水っぽくて人気がない。 「通販」などで「北海道直送」として売られている冷凍ズワイはロシアからの輸入物が主らしい。 ロシアと韓国、北朝鮮は日本海に面しているから獲れて当たり前。 だが中国は日本から...... more
Commented by FUSA at 2008-02-02 12:44 x
高畠導宏さんをモデルにしたドラマ、どこから先がフィクションなのかわかりませんが、毎週楽しみに見ています。
私は97年から7年間パソコン教室を開いていましたが、その間いろんな職業の方が習いに来ました。教員の方もかなりの数にのぼります。その間、私が一番強く感じたのは教員の方々の社会性の無さです。そんな頼りない人たちに子どもを預けることの空恐ろしささえ覚えたものです。教員に社会性を身に付けさせるためのシステムが絶対必要だと思います。
Commented by heitaroh at 2008-02-02 13:09
<FUSA さん

なるほど・・・。
私も、学生時代、仲が良かった友人が教師になったのですが、卒業後、数年したくらいの頃、皆で集まったことがありました。
その折り、その教師になったやつだけが、とにかく、人を見下すようなことばかりいうようになっていました。
後で思うと、まるで、「先生、先生」と呼ばれることで、自分が代議士かにでもなったように錯覚しているとしか思えませんでした。

私たちとしてみれば、教員という物が、それほどステイタスが高いものだとういう認識はありませんでしたので、「おまえから見下される覚えはない!」と言って、その後、一切、音信をたちましたが、やはり、教職の世界しか知らない集団の中にいて、夜郎自大になってしまうことの恐ろしさを痛感しましたね。
Commented by Count_Basie_Band at 2008-02-03 10:41
このブログにしては珍しい(?)話題ですね。

私の高校生時代は、どうにか高校は卒業はできるがどこの大学や学部へも入れる見込の連中が地元の大学の「教育学部」へ進学していました。したがって彼等の学力は推して知るべし。
そしてそれから20年ばかり後、セガレ共の高校生時代も事態は同様でした。
「社会経験」以前に先ず「学力劣等」なのです。

さらに英語の教師は「英文科卒」、国語の教師は「国文科卒」でなければならないことになっています。
慶應、早稲田、上智などでは、経済学部や政経学部の学生の方が英文科より英語ができるのが常識なんですけど。特に現代の実用英語は。

定年退職した商社員の英語は、そんじょそこらの高校英語教師とは天と地ほど違うレベルですし、工場その他で大勢の部下を管理してきた人々の「「ヒトの多様性」に関する知識はお医者さんより優れています。

そうした能力を備えた人々が定年退職し、「居場所」がなくて困っています。

もったいない。
Commented by へいたらう at 2008-02-03 12:34 x
<Count_Basie_Bandさん

>このブログにしては珍しい(?)話題ですね。

・・・ん、そうですか?
一応、「教育」というカテゴリーがあるんですですけどねぇ・・・。

さておき、学力劣等というのは、まず、教員の給料が高級官僚並でもない以上は、一定レベル以上を望むのは、ちと、酷だと思います。
つまり、学力としては、ある程度、人に教えられれば良しとすべきで、それ以上の専門教育を望むのであれば、相応の施設、つまり、大学へ行って学べばいいのでは・・・。

定年退職でないまでも、「これまで、家族と一緒に入れなかったから」とか、「親の面倒を見ないといけない」、「故郷に戻りたい」・・・などという理由で転職を考えている人には、教職というのは、双方にとって、良い受け容れぐちであり、もっと、門戸を開放するべきだと思います。
日教組と教育行政のあり方にも、大いに問題があるところでしょうが・・・。
Commented by D-KID at 2008-02-05 22:16 x
へいたらうサンは校長先生の民間からの登用については、是もなく非もなくといったところでしょうか。

校長経験者の伯父・伯母がいるのですが、親戚が集まる場でよく言われていたのが『教師は見識が狭いからダメだ』という指摘。やはり学校という世界で30余年過ごしてきた人間と、一般企業で過ごしてきた人間の見識というのは明らかな差が出てくるのでしょう。
(もっとも指摘された当人も重々承知はしていたようです)
そういう点からも民間からの教職への登用は『あり』というか『必要』と言うべきでしょうか。



…かく言う僕も教育学部に合格していましたので、もしかしたら小学校教員になっていた可能性もあるわけで、そうなってくると見識の幅が今より少ない人間であったかも…
Commented by heitaroh at 2008-02-06 12:13
<D-KID さん

校長の民間からの登用には、基本的には賛成なのですが、その場合、もっと、環境を整備してやる必要があります。
その意味では、その一つが、民間からの転職組の一般教員の増加でしょうか。
まず、一般教員の転職組を増やし、意識を改革してからでないと、新たな施策も、何ら実行されないまま・・・ということになると思います。

教員に限らず、既存層というものは、「ほらね、やっぱり、民間からの登用なんてダメだったでしょう」となるほうが望ましいわけで。

>そうなってくると見識の幅が今より少ない人間であったかも…

人間万事塞翁が馬・・・ですよ(笑)。
Commented at 2020-10-08 14:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by heitaroh at 2020-10-08 15:23
>非公開コメントさん

過分なお言葉ありがとうございます。
工学部ではあるのですが、家業が大工だったもので、むりやり行かされたような感じでして、胸を張って言うにはいささか微妙なところです(笑)。

>現在の教員制度を授業を専門に行う教員と、生徒の生活指導、進路指導など授業以外の部分の面倒を見る教員に分ける

というのは、確かに、おっしゃるとおり、一種の理想ではあるのでしょうが、昨今の情勢を考えれば、やや、現実離れしているかなという気はします。

つまりは、それだけ、経費に余裕があればいいのでしょうが、税収不足の上に災害やコロナで財政破綻さえささやかれている昨今、教育現場にはとてもそれほどの余裕はないでしょう。
公共事業から医療機関からが、どんどん減らされている時代に、学校だけそんなことやれば、「経費の無駄だ」から、果ては「あんな余剰人員がいるから、俺たちの給料が低く据え置かれてるんだ」で教員同士のいがみ合いにまで発展するでしょう。
後者の比率を低く据え置いたとしても、基本は同じで変わらないと思います。
切り詰めろ切り詰めろと言われている時代には、そういう人はたとえ、一人だったとしても、余剰人員以外のなにものでもないわけで。

その意味では、むしろ、現実的なのは教員を二種類採用するのではなく、教員と別に、定年退職した人たちをボランティアで呼んできて、生徒に話をさせることかと。
近所の「元OO」の定年退職者を呼んできて、話をさせ、何もしないときは、昔の用務員室(今も?)でぶらぶらさせる。
(する方も居場所ができ、いい刺激になるでしょう。)
そのときに、部屋のドアはいつでも開けておいて、子供たちはいつでも入れるようにしておく。
(お茶と光熱費くらいは学校の負担。それすらも、難しいようなら、水筒で持ってきてもらう。買って持ってきたお菓子を生徒に「ここで食べていけよ」と言って、あげるくらいは大目に見る。子供が叩かれたの何のと問題も出るでしょうが、嫌なら、用務員室に行かなければいい。)
もちろん、中途採用者を否定しているわけではないですよ。
中途採用者でも授業を受け持って、一般教員として勤務する分には問題ないわけで、授業をせずに話を聞くだけというのが現実的ではないように思うだけです。
Commented at 2020-10-12 14:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by heitaroh at 2020-10-12 20:26
>非公開コメントさん

ご趣旨、よくわかります。
本来はどの学校に入る・・・ではなく、どの先生の門下に入る・・・であるべきですよね。
そして、その先生の人格も含め、啓蒙を受けると。
まあ、なかなか、現実には難しいんでしょうけどね。
<< 経済知識の普及を怠ってきた日... レインボーマン的日本人考察 >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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