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敬愛する藤沢武夫翁にそれでも敢えて呈する疑問
親愛なるアッティクスへ

昨年、平太郎独白録 : 続・ホンダの広告塔としての「本田宗一郎」の功罪是非 の中で、佐藤正明著「ホンダ神話~教祖のなき後で~」という本を読んだということを申し上げましたが覚えておられますでしょうか。
で、この本を読んで、改めて、私が企業人として敬愛してやまぬ藤沢武夫という人の、私なんぞ、もう、到底、追いつけそうもない手腕を見せつけらたのですが、即ち、藤沢さんが現役時代の、ホンダの手形小切手はすべて、「代表取締役 藤沢武夫」の名前で降り出されていたということや、鈴鹿サーキットは当初、藤沢翁個人の邸宅を抵当に入れて作られたこと・・・などはもとより、中でも特に、改めて思い知らされたのが、その資金調達並びに、その返済手腕についてでした。

本田・藤沢両氏が共同経営を始めた直後、「無」から始めたホンダには潤沢手元資金があるわけでもなかったことから、藤沢さんは随分と資金繰りに苦労されたようですね。
(この点では、ホンダの創業神話を語る上で、よく、引き合いに出されるソニーは、何だかんだ言っても、「銭形平次」のヒットで人気作家だった野村胡堂や、実業家だった盛田昭夫の実父などからの資金援助や、さらには、井深 大岳父であった文部大臣経験者・前田多聞の信用・・・と言った有形無形のバックアップがあったわけで・・・。)

そのことは、「あのとき、藤沢さんは泥棒と詐欺以外のことは全部やったんじゃないかな」という往事を知る人の言葉が、すべてを言い表しているように思いますが、ただ、企業人として敬愛してやまぬその藤沢さんに対し、私が敢えて、疑問に思わぬことがないでもありません。
藤沢翁は、現役時代、「ホンダが技術を売る会社である以上、ホンダの社長は技術畑から出るべきだ」ということを言っていたそうで、実際、ホンダの社長は、初代の本田宗一郎氏から現職の社長に至るまで、歴代の社長は全て、技術畑上がりなのだそうですが、しかし、私的には、これはおかしいと思っています。

かつて、本田・藤沢両人とも、「身内は入社させない」方針を貫き、そのことを不文律とするが為に、本田宗一郎氏は、創業当初から苦楽を共にしてきた実弟の弁二郎氏を辞めさせ、長男・博俊は別途に「無限」を創業させねばならなかったのでしょうが、これらは、それもこれも、ひとえに、ホンダは、「努力次第で誰にも社長になれるチャンスがある」ということではなかったでしょうか?
また、本田宗一郎氏は、「ホンダの社長に社内で適任者が居ないときは、日本中から呼んでこい。日本に適任者がいないときは、外国から探してこい」とさえ言っていたともいいます。
これなども、多分に、たとえ話だとしても、少なくとも、「中途採用」「生え抜き」などということには、何ら、こだわらなくて良いということであり、事実そうだったと聞いております。
であれば、技術畑出身者だけが社長になれて、それ以外の人たちは、最初から、いくら頑張っても社長にはなれないというのは、たとえ、不文律であるにしても、如何なものかと・・・。

つまり、「俺たちは、いくら努力しても、実績を上げても、社長にはなれない」と決まっているというのは、本田・藤沢の思想とは、ちと、違うような気がするのです。
少なくとも、門戸は開放されていないといけないと。
これじゃあ、まるで、初級公務員試験に合格して地方公務員になった者は、永遠に初級待遇のまま・・・というのと似ているような気がしますが、如何でしょうか・・・。

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by heitaroh | 2008-01-21 00:14 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(8)
Commented by D-KID at 2008-01-21 22:44
うーん、技術を売りにするメーカーであるなら社長が技術者あがりという考えは僕はありだと思います。

おそらく『必ずしも技術者であるべき』と言うより、『そうであったほうが企業の姿勢としては相応しい』という考え方なんじゃないでしょうか?

もっとも、優秀な営業あがりの社員が社長になることも場合によってはありえることだと思いますが。
Commented by heitaroh at 2008-01-22 10:32
<D-KID さん

私もその考えをすべて否定しているわけではありません。
技術やが社長になる・・・という路線は、それはそれで良いと思うのですが、「社長には技術やしかなれない」としてしまうことがどうなのか?ということです。
営業や経理などに対して、門戸を閉ざしてしまって良いのか?と。

これまでの歴代社長は、技術や上がりが5人に対し、営業上がりが1人・・・というのなら、別に問題ないのですが、一人もいないというのは如何なものでしょうか・・・。
私は、今のホンダの停滞感は、ぼちぼち、新しい人材の出現を必要としているように思います。
Commented by D-KID at 2008-01-22 22:35
確かにここ最近のホンダの停滞感、技術の高さを売りにしすぎて市場のニーズと乖離しているのが顕れているのかもしれませんね。
環境対応の車両でもトヨタの向こうを張って出してはいるものの、ちょっとベクトルがずれていて『ウチの技術も見てよ!』的な姿勢を感じるのですが。
Commented by heitaroh at 2008-01-23 11:35
<D-KID さん

まさに!
正鵠を射抜くとはまさしくこのことで、まったくもって同感です。
Commented by HANDO at 2008-03-14 18:37
特に固執している訳ではないと思います。ただ、極論を言うと、営業を主導と考えるか、技術主導と考えるか、という事だと思います。当然会社経営は数字が全てですから、経営をする上では営業上がりが社長になった方が良いのでしょうが、本田は「本田イズム」というべき、単に利益優先型の会社にはしたくなかったのではないでしょうか?それも藤沢氏が理解されていたのではないでしょうか?と私は思います。
Commented by heitaroh at 2008-03-15 12:21
<HANDOさん

確かに、営業を主導と考えるか、技術主導と考えるかということは、その会社の理念を表しており、それが、その会社の個性にも繋がっていくわけで(ホンダイズム?)しょうから、大いにあっていい話だと思います。
しかし、だからと言って、技術畑からのみしか社長になれないというのでは行きすぎではないでしょうか?
固執しているわけではない・・・とのことですが、私には固執を通り越して、今や、制度化してしまっているようにさえ思えます。

もっとも、内部にいたことがあるわけでもないので、本当のところはわかりませんが、1ユーザーとしては、外から見ている限りではそう感じます。
Commented by mm at 2012-09-26 21:48
いまさらの書き込みですが(2012年)、藤沢さんは著作で、社長の役 割と副社長の役割の違いについて書いていたはずです。「社長が出世レースの上り、営業は二番手」などとは、藤沢さんは考えていない。
そして、技術系の会社だからこそ、技術の話ができ、技術の話についていける人材が社長になるのが良いという理念なのだから、それはそれでよいのではありませんか。それを現在のホンダ社員がどう継承するかは現在の問題であって、藤沢さんの問題ではないと思います。
Commented by heitaroh at 2012-09-27 12:09
<mmさん

少し、論点が読めないのですが、企業にとっては社長こそがtopですよね?
ホンダは社長が技術系と営業系と二人いるということですか?
現実に、営業系社長はまだ、一人も出てませんよね?

その上で、

>そして、技術系の会社だからこそ、技術の話ができ、技術の話についていける人材が社長になるのが良いという理念なのだから、それはそれでよいのではありませんか。

それで良いと思います。
ただ、それでも9:1くらいならわかりますが、営業からは一人も社長が出ていないということはやはり異常な姿ではないでしょうか。

>それを現在のホンダ社員がどう継承するかは現在の問題であって、藤沢さんの問題ではないと思います。

まったくもっておっしゃるとおりだと思います。
問題は未だに藤沢さんがひいたレールに修正を加えられない現経営陣にあると思います。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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