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イチローが言う「ファンに背けない」に三原脩の信念を想う
親愛なるアッティクスへ

正月に、NHK「プロフェッショナル」という番組で「イチロー・スペシャル」というのをやってましたが、ご覧になりましたでしょうか。
その中で、イチローが、「ファンの人・・・、自分の生活の一部を捧げて見に来てくれる人に背くことなんて出来ないですよね、僕らは。その人たちがいなければ、僕らの存在意義なんてないんだから」とコメントしているシーンがありました。
曰く、「だから僕らも、自分の生活の中の何かを犠牲にするというのは当然のこと」・・・だと。
さすがに、イチローはよくわかっている・・・と思いましたね。
まさしく、昨年の鉄腕・稲尾和久氏の急逝以来、私が述べてきたことと同義のことだと思いましたよ。

で、この点で、私には思い出すことがあります。
昭和33年日本シリーズ・巨人対西鉄ライオンズ戦・・・。
このシリーズは、巨人が冒頭の三試合で三連勝し、王手を掛けたものの、雨で一日順延となった後、西鉄が逆に四連勝して、奇跡の大逆転日本一を手にした、まさしく、「世紀のシリーズ」だったわけですが、その西鉄の奇跡の原動力となったものこそ、「恐怖」だったといいます。

場面は、三連敗した試合後の当時の平和台球場のロッカールーム・・・。
ここまで、一人気を吐いていた闘将・豊田泰光選手がぼそっと呟きます。
「おれたち、ストレートで四連敗したら、生きて帰れんかもしれんぞ・・・」
その瞬間、皆の手が、ぴくっと止まったと・・・。
当時の西鉄ファンというのは、日本の重要資源であった炭坑で働いている人も少なくなく、そういう人たちは、明日、落盤事故があって死ぬかもしれないわけですから、実入りも良い反面、荒くれ者が多く、熱狂的を通り越して、もう、狂信的でさえあり・・・。
それは、今の阪神ファンなどよりももっと過激で、投手が打たれようものなら、球場にビール瓶一升瓶などが雨あられと降り注いだといいます。
従って、この豊田選手の言葉も、あながち、大げさな話ではなく、一勝も出来なかった・・・などということになった場合、本当に暴動でも起きかねず、選手は皆、「生命の危険」を感じ、ここから、奇跡の逆転日本一が始まったと・・・。

ところが、このことは、何も選手だけが感じていたことではなく、当時の西鉄監督であった三原 脩翁も真剣にその危険性を肌で感じていたのでしょう、三原監督は、王手を掛けられた時点で、残りすべての試合にエース・稲尾和久投手を登板させます。
周囲から見れば乾坤一擲名采配・・・に見えたかもしれませんが、監督の本音は、「稲尾で負けなければファンは納得しない」というものだったそうです。
来る日も来る日も、マウンドで一人投げ続けている稲尾であれば負けても誰も、「このヤロー!」とは言わないでしょうし、稲尾が疲労困憊し、矢折れ力尽きようとも、誰も、「だらしない!」とは言わないであろう・・・と。
おそらく、「有り難う、稲尾!」 とは言わないまでも、「稲尾で負けたのなら仕方ないか・・・」だったのではないでしょうか・・・。

後年、三原翁は、稲尾さんと会った際、「稲尾君、実は私は君に詫びなければならないことがある」と言い、「あのシリーズ、私は負けるつもりで君を投げさせた。これは、監督として、絶対にやってはいけないことだった」と頭を下げられたとか。
この、三原翁の信念・・・、そして、負けても納得できた稲尾さんの姿こそが、イチローが言う「存在意義」をわかりやすく体現した物ではなかったでしょうか・・・。
少し舌っ足らずですが、少し、長くなりすぎましたので、このことは、また、後日、補足させて頂きたいと思います。

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by heitaroh | 2008-01-15 00:37 | スポーツ | Trackback | Comments(2)
Commented by D-KID at 2008-01-13 23:58
まぁあえて言うなれば、一昨年のパリーグ・プレーオフ第2Sの2戦目、
9回に力尽きた斉藤和巳に近いところでしょうか?


あんだけ投げて負けたんなら、しょうがねぇや…って。








…今年は是が非でも!!!!
Commented by heitaroh at 2008-01-15 11:14
<D-KID さん

今の時代、選手もそうですが、ファンも物わかりが良くなりましたよね。
本当の感動を知らないということもあるのでしょうが。

斉藤の力投は認めますが、稲尾さんのそれは、来る日も来る日も・・・ですから、おそらく、20倍くらい、ファンを納得させる物があったと思います。

なーんか、今のホークスには、あんまり、魅力を感じないんですよね・・・。
もう少し、いきのいい若手が伸びてこないと・・・。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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