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痴漢えん罪にみる「やり方」を変えたがらない役所の体質
親愛なるアッティクスへ

以前、平太郎独白録 : 映画、それでもボクはやってないに想うそれを生業にする女性以来、たびたび、電車内での痴漢えん罪事件について書いおりましたが、先般、知人より、この件で以下のような記事をメールでもらいました。

----------------------------
2007年11月16日付 毎日新聞中部夕刊
  
痴漢:男性無罪確定 愛知県警、物証収集怠る 警察庁通達に反し
 ◇担当部署に要請もせず


 満員電車で痴漢をしたとして愛知県迷惑防止条例違反の罪に問われた同県職員の男性(43)に対する名古屋簡裁の無罪判決が確定した問題で、男性を逮捕した県警鉄道警察隊警察庁の通達に反し、容疑者に付着する被害者の衣服の繊維片など物証の収集を怠っていたことが16日までに分かった。
 痴漢の無罪判決が全国で相次いだため、通達は客観的証拠に基づく捜査を促した。県警幹部は「通達を徹底したい」と話している。

 電車内での痴漢は、周囲の乗客や被害者が取り押さえて警察官に引き渡すケースが多く、明確な目撃証言や物証がないことが多い。
 このため警察庁は05年11月、全国各警察本部に▽目撃者の早期確保▽容疑者に付着した被害者の衣服の繊維片などの鑑定▽証言や供述を基にした実況見分--などを文書で要請。
 警視庁や大阪府警などは既に繊維鑑定による証拠固めを行っており、愛知県警も実施できる体制にある。しかし、鉄道警察隊は通達後の06年1月、電車内で下腹部を女性の右太ももに押し付け、手の甲で胸を触ったとして男性を現行犯逮捕した後、繊維片などの採取をせず、県警の担当部署に鑑定要請もしていなかった。

 男性は当初容疑を認め同年8月に名古屋簡裁に在宅起訴されたが、公判で否認に転じた。男性の弁護士は「被害者の衣服と類似の繊維が見つかれば有力な物証になるし、逆に見つからなければ冤罪(えんざい)の防止にもつながった。警察官が現認し男性も認めた事件で、男性が犯人でない物証が出たら困るため鑑定を怠ったのではないか」と指摘する。
 異例の16回に及ぶ公判では、男性と女性の股下に14センチの差があって下腹部を押しつけようがなかったことが判明するなど捜査のほころびも明るみに出た。県警幹部は「繊維片の採取は手間のかかることではない。改めて実施を呼びかける必要がある」と話している。

 県警によると、列車や駅構内での痴漢被害の受理件数は▽04年81件▽05年135件▽06年159件
 今年は10月末現在で134件増加傾向にある。【石原聖、岡崎大輔、米川直己】
----------------------------------

この問題は映画の公開と共に、犯罪を誘発する恐れがある・・・ことから、法整備を含めた対策の必要性を指摘していたのですが、今や案の定、社会問題にさえなっているようですね。
でもって、やはり、このような通達が出ていたんですね。
先日の平太郎独白録 : 野村高将氏の身に起きた大難に憤慨ひとかたならず 前編では、警察が何の手だてもとってなかったのにむしろ、驚いていたんですよ。
ちなみに、この通達の内容とは、
①目撃者の早期確保
②容疑者に付着した被害者の衣服の繊維片などの鑑定
③証言や供述を基にした実況見分

・・・となっているようですが、この野村高将氏の場合でも、警察は、②③以前に、①の目撃者という点で、「逮捕協力者」(黒幕?)とされる茶髪の若者に対して、公平という観点から、もっときちんと状況を聞いておけば、こういうことにはならなかったのではないかと思えてなりません。
結局、自動的に、ベルトコンベヤーに乗せられて送られてきた「容疑者」というものに、一律、同じような加工方法を施していたということであり、つまるところ警察に限らず、役所とは、長年やってきた自分たちの「やり方」を変えたがらないものなんだろうな・・・と。

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by heitaroh | 2007-11-30 08:22 | 社会全般 | Trackback | Comments(2)
Commented by D-KID at 2007-12-02 11:45 x
結局、やり方を変えないのは上層部の姿勢を如実に表している悪い意味でのトップダウン方式と言うか、そういう結果でしょうか。

反対にもしかすると、現場の情報収集怠慢だったりすれば全体の体質そのものでしょうが。
Commented by heitaroh at 2007-12-03 10:14
<D-KID さん

まあ、役所に限らず、人間というのはそれまでのやり方を変えたくないもののようで・・・。
よく、刑事ドラマなどで、昔気質の刑事などは、「おれはあくまで足で捜査する」なんていうじゃないですか。
結局は、上から通達が降りてきても、それが実行されるまでには、しばらく、時間がかかる・・・ということなんでしょうね。
<< 仮面ライダーのV3化に見るサイ... ALWAYS的等身大の昭和!そ... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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