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すーさんと食品偽装の社長は藤原銀次郎翁に学ぶべし
親愛なるアッティクスへ

とかく、世間を騒がせる食品偽装ですが、あれは、ちと、酷いですね。
酷いというのは、やったことではなく(あんなの今さら驚きませんよ。)、社長が「現場が勝手にやった」という責任逃れをしようとしていたことで、仮に、この主張が正しいとしても、社長には現場で行われていることを知らなかった責任があると思いますよ。
とかくTOPへは、耳当たりのいい情報しか上がってこなくなることが多く、だとすれば、彼ら経営陣は、知らなかったというのならば、それに、何らかの対策を立てていなければならなかったといえるでしょう。

この点では、一代の製紙王・藤原銀次郎翁の話が思い出されます。
翁がまだ王子製紙の専務だったころ、苫小牧工場の再建を託されたことがあったとかで、このとき、翁がまず手はじめに行なったことが、工場の抜き打ち調査でした。
以下、老財界記者・故三鬼陽之助翁の著書によると、
『あらかじめ日時を工場長に連絡して、それより二、三日まえに、極秘裏に東京を出発、現地に現われる。そして、一見土方風に顔をきたなくし、つけひげをつけ、ハンチングを深くかぶり、くまなく工場内を巡視する。すると、工場内は乱雑で、ときには禁煙の札のかかっている付近で平然とタバコを吸っている。藤原は、そしらぬ風をして、その場所、時間をメモする。ところが、二、三日後、専務として工場に行くと、見ちがえるように工場内は整頓され、タバコを吸っている不届者は一人もいない。工場長も、「製紙工場として、なにより火災に注意、したがって当工場では、禁煙個所では一人たりとも喫煙する者はいない」と胸を張る。そこで藤原はおもむろにメモを取り出し、工場長に厳重戒告したのである。その結果、苫小牧工場は藤原の不在中でも秩序が維持され、おおいに生産が上がったのである』と。

で、この話を聞いて思い出したことがあります。
以前、業界の旅行でどこやらへ行ったときのこと。
朝昼夜朝昼と飲みっぱなしの旅行ですから、「お疲れでしょう」からと貸し切りバスの中でのお休みタイムに、起きている人のため・・・ということで、映画・「釣りバカ日誌」のビデオが上映されたことがありました。

その中で、三国廉太郎扮する大会社の社長である「すーさん」が勘違いから失踪する・・・というユーモラスな場面があり、失踪後、すーさんはアルバイトで、ある会社に就職したところ、入社初日から、連れて行かれたところが自分の会社の清掃業務・・・。
大企業の社長だから、一々、出入り業者の名前まで知らないし、末端の社員の方も自分の所の社長の顔を直には知らない・・・。
(実際、かつてダイエー中内 功氏は、「俺は、この子たちとは顔も合わせないままで終わるだろう。だから、せめて、こうやって、写真だけででも会っておきたいと」と言って自分の会社の女子社員の顔写真をしげしげと見入っていたとか。)
でもってそこで、すーさんが目にしたものは、上役には媚びへつらい、その分、下請けに威張りちらし、「袖の下」を要求しようとする自社の末端社員の姿・・・。

何だか、あながち笑えないシーンでしたね。
世の大社長と名が付くお方ほど、実際、こういう目にあってみるべきだと。
「現場が勝手にやったこと」なんていうくらいなら、なおさらだ・・・と。
如何でしょうかな、御同輩・・・。
                                平太独白

by heitaroh | 2007-11-22 00:00 | 経済・マネジメント | Trackback(1) | Comments(7)
Tracked from 墓の中からコンニチワ at 2007-11-24 13:39
タイトル : 本当はどうなんだろう?
11月17日付だから前号になるが『週刊ダイヤモンド』が「うつ」の特集を組んでいた。書き出しは うつ病を「心の風邪」と表現する医師がいる。誰もがかかることがあり、治療すれば治るが、放置して悪化すれば死を招くからだ。最近は30代を襲う“新型”が続出したり、子どももおとな同様の有病率であったりと多様化し蔓延している。 となっているが、私が接した精神科医の見解は アレルギー体質が変わらないように、鬱気質が変わることもない。 アレルギーを持っている人がアレルゲンに近づいてはいけないように、鬱...... more
Commented by D-KID at 2007-11-22 22:47 x
ここ数日『研修』という名の規律訓練にてカキコが出来ませんでした(笑)
モバイル版にてトピの内容は確認していたのですが、ケータイでのカキコは面倒くさくて…(^^;

船場吉兆の社長のコメントは大笑いしましたね、あまりの責任放棄に。一昨年あたりの東横インホテルの社長を髣髴とさせる脳天気っぷりだったんではないでしょうか?

まぁ、とかく御山の大将には耳障りのいい言葉しか入ってこないでしょうからね、おっしゃることに同感です。
Commented at 2007-11-22 22:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by チョンガー公爵 at 2007-11-26 17:55 x
ズルする人って、死後、どのようにご先祖様に申し開きするのか
まったく考えてないのでしょうね。
Commented by heitaroh at 2007-11-26 21:10
< D-KID さん

ここ数日、同じく、研修という名の旅行に行ってましたので、カキコが出来ませんでした(笑)。

あら・・・、知らぬ事とはいえ、失礼しました(笑)。
社長になられた際にはご自愛下さいw
Commented by heitaroh at 2007-11-26 21:12
<チョンガー公爵さん

ズルする・・・というのは、多くがそれほどの悪意をもってずるしてないケースが多いんですよね。
まあ、人間とは弱い物ですから・・・。
Commented by D-KID at 2007-11-26 22:36 x
社長になったら我がまま出来なくなりますから、ご勘弁を(^^;
Commented by heitaroh at 2007-11-27 10:13
<D-KID さん

では、相談役・・・(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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