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越後路顛末記 長岡編 その2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

実は、長岡に来るのは二度目だったのですが、前回来たときにはなかった河井継之助記念館なるものも出来ており、折角だからと、そこへ向かうべく、タクシーに乗り込んだのですが、行き先を聞いて、年配の運転手さんが、「河井継之助は、昔は、土地の老人などはあまり良くは言わなかったんですけどねぇ・・・」としみじみと述懐されました。
このことは、私も、河井継之助という人は、「無謀な戦争を起こし、地元に甚大な被害をもたらした愚かな指導者」として、その墓を鞭打つ人が絶えなかった・・・という話も聞いておりましたので、さほど、驚きはしなかったのですが、それが、今や、「記念館」が出来、さらに、中に入ると、たまたま、地元の小学生の見学団が来ており、教える側の話を聞いていると、そこでの河合は、「無謀な指導者」ではなく、「悲劇の偉人」として教えられていたことに、運転手さんの述懐と考え合わせ、改めて、「今や、時代は変わったんだなぁ・・・」という感慨を持ちました。

越後路顛末記 長岡編 その2_e0027240_1411455.jpg(←郷土資料館より北方向を臨む。この正面方向が、河井継之助が長岡城奪還奇襲作戦の為に渡っていった八丁沖大沼地帯。河合は、ちょうど、この画像の右手から左手に向かい、泥の中を進軍していったことになる。まさしく、つわものどもが夢の跡・・・かと。)

ちなみに、同じ戦争指導者でも、河合と違い、鹿児島での西郷隆盛の人気が高いのは有名で、地元の明治生まれの人の話で、その方が子供の頃には、その方の祖父は、墓参りに行くと、いつも、まず、西郷隆盛の墓に詣でて、次に、桐野利秋(中村半次郎)の墓に詣で、それから、自家の墓に詣る・・・ということだったそうです。
もっとも、先日、ある取引先の人が鹿児島に出張に行った際に、「こちらでは西郷隆盛の人気は高いんでしょう?」と尋ねると、土地の古老曰く、「あんなもん、何が偉いもんか!たくさんの人を殺して、土地を荒らしただけのやつだ!」という意味のことを吐き捨てられたとか(笑)。
どこも、負ければ賊軍・・・ということでしょうか。

ちなみに、私の河井継之助評というのは、以前、平太郎独白録 : 幕末における大局的見地からみた最大の功労者としての徳川慶喜で述べた通りです。
以前、ある友人が、「今日の日本があるのは、河井継之助のような人がいたからこそだ・・・」と言ったのに対し、私は、「彼がやったことは、ナポレオンと一緒で、多くの人を殺して、国を小さくして、次代に申し送っただけに過ぎない」と言いました。
まあ、歴史上のロマンは感じるかもしれないけど、結果的には土方歳三なども同様でしょうが、歴史の歯車を、ほんの少しだけ遅らせただけに過ぎなかったと。

続きは明日のココロだ~・・・けれども、新潟にはなかなか辿り着かない・・・。

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by heitaroh | 2007-10-17 07:48 | 地域 | Trackback(1) | Comments(2)
Tracked from <徳島早苗の間> at 2007-10-30 18:39
タイトル : 長岡での〝思い出の品々〟。
 ってパンフレットの類なんですがw。 お土産にはそのものズバリ「米百俵」という名前の酒を買って帰りました。さっぱりした辛口で美味しかったです。 時に、長岡市内の土産物店を覗いてみても河井継之助関連の絵ハガキが見当たらなかったのは何故なんでしょう。鹿児島の「尚古集成館」へ妹と行った時には西郷・大久保〝倒幕コンビ〟の絵ハガキはちゃんとあったのに。(でも近年の研究で、これまで「西郷」とされてきた肖像画は本人ではない可能性があるんだそうで。) あった方が絶対買う人いると思うんですが。これ...... more
Commented by tokkey_0524zet at 2007-10-30 19:12
長岡へ行かれたんですね、いいなぁ。(私もまた行きたい・・・。)
小千谷に司馬遼太郎「峠」の文学碑があるそうですが、これは見なかった。

河井継之助がドラマ化される時、何故かいつも「本当は戦争したくなかった、平和を望んでいた」描かれ方をされていますが実は戦争したくてしたくて仕方が無かったのかも知れませんね。

河井の見方に関しては私もほぼ同意してますが、やった事の良し悪しは別として好きな人物です(ただ身近にいたら疲れそう・・・^^;)。
Commented by heitaroh at 2007-10-31 11:34
<tokkey_0524zetさん

おお!お久しぶりです。
ご健在でしたか(笑)。

今回は、私もそれほどゆっくりできたわけではありませんでしたので、小千谷まではいけませんでしたね。
もっとも、私は、あちこちにある司馬遼太郎文学碑などには興味はないので、行けたとしても行かなかったでしょうが。
むしろ、上杉謙信が最初の持ち城となった栃尾城や直江かねつぐの与板城などを見てみたかったのですが・・・。

>実は戦争したくてしたくて仕方が無かったのかも

彼も、果たして、ガトリング砲を持っていなければ、戦争しようという気になったかどうか・・・。

>やった事の良し悪しは別として好きな人物です(ただ身近にいたら疲れそう・・・^^;)。

たぶん、向こうもそう言うと思いますよ(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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