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世間様というものに対する意識の欠如と波平さんの安堵
先日、うちの子供が、公園で近所の子とけんかになって、木の実や小石を投げつけたところ、その子のお母さんから激しく怒られ、かつ、問題になったとか。
こういうのを聞くと、私としては、いつも違和感を感じざるを得ないんですよね・・・。

世間様というものに対する意識の欠如と波平さんの安堵_e0027240_1122434.jpg私の子供の頃、下町の風情を色濃く残していた福岡市下人参町では近所の子供を殴ったり突き落としたり、逆に、頭にレンガを落とされたり・・・なんてことはちょくちょくありましたよ。
(その意味では、なんとも、子供にとっては「住みづらい世の中になったもんだ」と嘆息尽きず・・・。)

ていうか、それ以前に、我々の頃は、親は、いくら相手が悪かろうと、「おまえが悪い!」と自分の子供を怒りましたよ。
互いに自分ちの子供を叱りあうことで、コミュニティの中で大人同士が気まずい関係にならないように・・・という意図があったのでしょうが、皆、「暗黙の了解」などではなく、「常識」のようにやってたましたけどね。

この点では、NHKで、平成3年(1991)に放送された「のんのんばあとオレ」という、老漫画家・水木しげる翁の子供の頃を描いたドラマの中で、しげる少年を始めとする当時の子供たちは、隣町の子供たちと、もう、「抗争」と言っていいようなけんかをしたり、近所の子供を蜂の巣の木の下に縛り付けたり、レンガで頭を殴った・・・というようなことをやっていたみたいですね。
水木翁は大正11年生まれといいますから、そのドラマの舞台になった頃というのはおそらく昭和の初め頃なのでしょうが、その辺の世界は、あまり、私が子供の下人参町の世界とそうは変わっていなかったように思います。
それが今や・・・、世も末だな・・・と。

とまあ、そこまで考えて、故長谷川町子さん原作のアニメ・「サザエさん」の一コマを思い出しました。
あるとき、磯野家の末娘・ワカメちゃんが、男の子から、あまりにひどい怪我をさせられて帰ってきて、さすがにこれは、ちと、「親に注意したほうが・・・」ということになったのですが、一家の主、波平さんは一日考えた後、結局、帰宅途中で注意することをやめます。
で、帰宅して、家に入ろうとして波平さんが見たものは、「うちのカツオが申し訳ございません!」と平謝りに謝る、妻・フネさんの姿・・・。
見ると、玄関先には、怪我して泣いている子供と激怒している母親の姿・・・。
慌てて姿を隠し、「人様に注意などしないでよかった~」と胸をなで下ろす波平さん・・・。
波平さんの心情は「危うく世間様の物笑いの種になるところだった」というところだったのでしょうが、思えば、最近、一番欠けているのは、この「世間様」というものを憚る意識なのかもしれませんね。
と、そこまで考えて気が付きました。
こういう光景もまた、何も今に始まったことじゃなかったんですねぇ・・・。
私も、あやうく、「世間様」の物笑いの種になるところでした・・・(汗)。
                          平太独白
by heitaroh | 2007-07-02 07:58 | 社会全般 | Trackback(1) | Comments(6)
Commented by tokkey_0524zet at 2007-07-02 19:29
その「世間様」の認識も最近変化してきてますけどね・・・でもやっぱり田舎の方はまだ保守的です。
Commented by へいたらう at 2007-07-02 20:22
<tokkey_0524zetさん

世間様の側の認識ですか?
それとも、世間様というモノの認識でしょうか?
いずれにしても、時代と共に変化していくのはやむを得ないでしょうね。
私的には、少し、抵抗ありますけど。
Commented by D-KID at 2007-07-02 22:53
最近よく耳にするのが『ケンカの仕方を知らない子供が多い』という表現。
極言すると、痛みを与える限界を知らない子供が増えているってことでしょうか?小学生の頃とか平気で机の上からとび蹴り喰らわせてましたけどネェ。
後は当事者同士で手打ち(つーとコトバ悪いですが…)してましたよ。


うちのオヤジなんかは手は出さないものの、平気で僕と悪さしてた同級生なんかを叱りつけてましたね。
Commented by heitaroh at 2007-07-03 09:44
<D-KID さん

へー、お宅のお父さんは偉い!
やはり、そうでなくちゃ。

うちは、よその子は怒りませんでしたけど、その分、目の前で我々が怒られました(笑)。
やはり、ゲームのリアル感が向上したことで、現実とゲームの区別がついてない子供が増えたのでは・・・。
Commented by どこも一緒ですね at 2007-07-04 01:07
最近、娘達の学校の中でも、いじめや喧嘩について、保護者が騒いでいますが、私には、子供よりもその親御さんに問題があるような気がしてなりません。
喧嘩も子供同士が解決するからこそ、建設的な関係が出来上がっていくわけですし・・・・いじめも然りです。親に間に入って欲しくないと思っている子供の何と多い事か!!子供には子供の世界があるのですよね。
子供のほうも、親に助けて欲しい時にはちゃんとSOSを出すものです。
いつ出ても、見落とさないようにするのが母親なのだと思います。
Commented by heitaroh at 2007-07-04 16:36
<どこも一緒ですね さん

仰るとおりですね。
まあ、今に始まったことではないのでしょうが・・・。
先日の大河ドラマで、武田信玄が国法をつくるときに、その一条に、子供のけんかに親がでていかないこと・・・というのが出てましたよ。
改めて、何だかんだ言っても、いつの時代も、「うちの子だけは!」というのがあったんですね(笑)。

でも、子供はけんかして、ナンボだと思うんですよね。
特に男の子は。
昔は、よく、「負けたら、勝つまで帰ってくるな」と言って叱った親の話がありましたが、うちも、似たようなものでしたよ。
いじめっ子よりも、親の方が怖いという(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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