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大河ドラマと映画の相違にみる風林火山の時代性 その1
親愛なるアッティクスへ

大河ドラマと映画の相違にみる風林火山の時代性 その1_e0027240_11192357.jpg今年の大河ドラマ「風林火山」ですが、以前も、平太郎独白録 「一般人の目線で描かれた風林火山にみる山本勘助の存在」で申し上げましたように、どうしても、昔見た三船敏郎主演の、映画・「風林火山」のイメージが強く、「今更!」って感じで、最初は否定的だったのですが、女子供の倫理観の世界は殆ど早送りしながら見ていると・・・、割と見るようになりました(笑)。

(←「風林火山」の舞台の一つ、諏訪。その諏訪大社御柱(おんばしら)です。御柱大祭で有名なやつですね。)
で、その大河版「風林火山」ですが、半ば辺りまで見終えて、何点か思ったことが・・・。


まずは、昨日、顔見せが終わった学徒・・・じゃなかったGackt上杉謙信の評価はさておくとして、武田信玄役の市川亀治郎ってのは、なかなか、良くできてますねぇ。
最初は、「誰だか知らないけど、何でもかんでも歌舞伎役者出せば良いってもんでもないだろ・・・」と思っていたのですが、若い割には、なかなかどうして、良い味出していることに驚きました。
でもって、それと対照的なのが、千葉真一御大・・・。
何だか、一人だけアクションしているみたいで浮いて見えます。
演技は大きいし、立ち回りはジャッキーチェンの世界だし、まだ、昔の癖が抜けてないんじゃ・・・(笑)。
時代劇には、ちと、ミスキャストだったのでは・・・。

次に、武田信玄と覇を競う好敵手として、北条氏康、上杉謙信、今川義元という人たちが出てきますが、この中で、今川義元についてだけはどうしてもネガティブに描かれてしまうようですねぇ。
桶狭間の合戦織田信長によって、討ち取られてしまったことが、どうにも、マイナスイメージになってしまっているのでしょうが、本来、海道一の弓取りと言われ、武田も北条も圧倒していたほどの人物なのですから、桶狭間の前の時代を描いているときくらいは、一人だけ、あんなふうな描き方をしなくても・・・と思うんですけど。
彼の「不幸」は、最初に織田信長という「革命児」と向き合ってしまったことにあったと思います。
(あくまで「不幸」です。過ちという言い方はしません。そこまでが、今川にしろ、武田にしろ、北条にしろ、旧時代人としての「限界」だったのではないかと。)

まあ、山本勘助自体が、原作の中では、今川家から来たことになっていることから、勘助が今川に仕えず、武田に仕えた以上、何らかの「仕えなかった理由」が必要になってくるわけで・・・。
となれば、今川義元という人物が、馬鹿だったか、気位が高かったか・・・にしないといけなかったのでしょうが、私自身はそもそも、山本勘助という人物は、実在しない・・・もしくは、実在しても、軍師でも何でもない「係長クラス」の人物だったと思っているので、この点でも、桶狭間史観に基づいているとはいえ、まったくもって、気の毒といえば気の毒な気が・・・。

明日に続きます。

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by heitaroh | 2007-06-18 08:17 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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