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赤ちゃんポストにみるその是非は反対で賛成 その2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

で、この問題での私の考えを言わせて頂くなら、「反対で賛成」です。
どういうことかというと、まず、「反対」というのは、昨日も述べましたように、私は人の生き死にというものは、自然の摂理に逆らうべきではない・・・という考えを持っているということがあります。

ジャングルでは、怪我をして動けなくなった動物(特に子供)や、群れからはぐれた子供は、酷なようですが、他の動物の餌になるわけですよね。
また、子供を捨てる親が居る・・・というのは、動物の社会でも、時折、あることだと聞いております。
元々、地球上には、これだけ生命体がいるわけですから、そういう生命の根源を揺るがすような何かが欠落して生まれて来るものがいても、おかしくはないといのではないでしょうか。
それが多い種族は種の理論から言えば、淘汰されやすくなるというだけで。

人間社会だって、人間の遺伝子解析の成果で、あと2年もすれば人間は永遠に死ななくなる・・・などということも言われていますが、私は、人間も寿命が尽きれば死ぬべきだと思っています。
ここで、誤解のないように申し上げておきますと、私は、「人間社会の常識に反してでも、ジャングルと同じ摂理で生きろ!」と言っているわけではありませんよ。
私だって、じゃあ、今、病気になったから、そのまま、死んで良いかと言われれば、現実には、家族もあることですし、手術も受ければ、も飲みます。
ただ、死ねるような境遇になったなら、必要以上の延命措置はしたくないなと・・・。
(まあ、女房も私が長生きするのを望んでないでしょうから・・・。マジです。)

で、本題ですが、この赤ちゃんポストの主旨である「小さな命を救いたい」という想い自体はわからないでもないのですが、収容して以降のことはどの程度、考えているのか・・・という気もします。
テレビで女優の高木美保さんが、「親に捨てられた子供は、壁に向かって独りで泣く」と言ってましたが、まさしく、真実・・・、いや、現実だろうと思います。
いくら、素晴らしい里親にもらわれたとしても、十月十日という妊娠期間があるわけですから、周囲の人は気づきますし、人の口に戸は立てられませんから、いつかは本人の耳にも入りますよ。
やがて、自分が「捨てられていた」子供だったと知ったとき、その子の、その後の人生に対して、誰がどう責任を持てるのでしょうか?
(また、里親によっては、大変、残酷なことにもなる可能性もあるわけで・・・。)
道ばたに捨てられている子猫を「可哀想」に思い、拾って帰っても、結局、育てられなかったりしますよね。
ましてや、相手は意志もあれば、思惑も持っている人間の子供ですよ。
良かれと思って、入り口だけ広げても、その後のことにまで、きちんと、責任を持てないのであれば、赤ちゃんポストというものは、あまりにも無責任だと思うのです。

この問題では、反対の人の主旨は、多くが「モラル・ハザードを誘発」するということにあるようですが、私が「反対で賛成」の「反対」を唱える主旨は上記の通りです。
で、その一方で、「反対で賛成」の「賛成」という点での続きは、また、明日ですね。

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by heitaroh | 2007-05-30 17:22 | 時事問題 | Trackback | Comments(2)
Commented by D-KID at 2007-05-30 23:56 x
非常にデリケート且つ悩ませる問題ですね。

赤ちゃんポストを設置した病院がいわゆるミッション系と言うのか、院長先生(理事だったかもしれません)がクリスチャン思想に基づき救いの手をという考えで創設したそうですね。
反面日本に根強い儒教思想と言うのか、子育てが親の務めであるという考えが当該施設に対し疑問を投げかけています。

僕個人としては、今回の設置は安易な子育て放棄を助長しかねないと今思っています。古臭い日本人の考えでしょうが、人間は『物』では無く『者』である以上然るべき考えて行動する存在であると今一度考え直す機会に来ているのかもしれませんね。
Commented by heitaroh at 2007-05-31 10:57
<D-KID さん

まさしく。

西洋思想と東洋思想・・・、どちらが是でどちらが非という問題ではないのでしょう。

>人間は『物』では無く『者』である

至言だと思います。
では、何が『物』なのか・・・というと。
人間だけが助かればいいのか・・・、人間だけが至高の存在だと勝手に自認して良いのか・・・、神ならぬ人間が線引きしていいものなのかと。
そもそも、人間は他者の生命を吸収しながら生きているわけで・・・。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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