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吉野ヶ里遺跡に遊び邪馬台国のロマンを想う その3
親愛なるアッティクスへ

またまた、昨日の続きです。

ここで、畿内説の疑問点である方位についてですが、そもそも、私は、中国人というものは、方位というものには、かなり、アバウトな民族なのではないか・・・という感があります。
かつて、三国志などを読んでいて、その方位のいい加減さには、かなり混乱させられました。
「赤壁の戦い」で有名な赤壁も、記述を読めば、明らかに南なのに、なぜか西だったりします。
「こっちから来た軍が、こっちに向かって、ここで戦うぅ???」みたいな(笑)。
ましてや、倭国などという、中華思想以前に、何ともしれない未開の蛮国でのことですから、方位に関する記述など、「南」でも「東」でもいい・・・、船出したときに、「南」と思ったので、「南でいいや」ということになったとしても不思議はないのでは・・・と。

と、まあ、畿内説を採る意味について述べてきたわけですが、ただ、九州説も捨てきれない部分があります。
といいますのも、魏志倭人伝の記述を詳細に読んでいくと、北部九州一円だけの、ごく狭い範囲での記述のようにも感じるからです。
で、畿内説を採ると言いながらも、イマイチ、捨てきれない邪馬台国=北部九州説についても、敢えて、触れておきたいと思います。

まず、吉野ヶ里遺跡=邪馬台国説ですが、私も、遺構などが、魏志倭人伝の表記と合致するからと言っても、おそらく、この構成は、当時のそれなりの規模の国では、標準仕様だったのではないかと思っており、それだけで、吉野ヶ里遺跡が邪馬台国だと類推するには、ちと、説得力に欠けるかと・・・。

吉野ヶ里遺跡に遊び邪馬台国のロマンを想う その3_e0027240_18212773.jpg一方で、魏志倭人伝には、「女王国より北には、一大率という指令官を置いて諸国を監視させている。一大率は伊都国にいる」という記述もあり、その記述通りに見てみたならば、伊都国のある福岡県糸島郡の南には、まさしく、吉野ヶ里遺跡があるのです。

ただ、その吉野ヶ里遺跡ですが、その展示や説明書きなどでは、かなり論争に気を遣った書き方をしており、「ここが邪馬台国だ!」というような直裁的な表現は一切無かったですね。

で、そもそも、魏志倭人伝そのものの信憑性を問う説もあるようですが、確かに、どの程度、信憑性があるのか・・・と言われれば、極めて、頼りない気もしますが、私はある程度、信用して良いのではないか・・・と思っています。
対馬壱岐などの記述は、地政学的に見ても、現代のそれとかなり合致してますし、それ以降のものも、部分部分を見る限りでは、「水行20日」のように、考えようによっては符合していると思われる記述もあるからです。
おそらく、この魏志倭人伝の記述の基になった報告者たちは、実際に使節団の一員として、日本に来ていたように思えます。

で、結論を言えば、私は、この魏志倭人伝が記された少し前辺りに、邪馬台国は吉野ヶ里辺りの北部九州から、畿内へ移ったのではないかと考えています。
いわゆる、神武東征というやつですね。
で、おそらく、使者は数度にわたり、その時々で、邪馬台国を訪ね・・・、つまり、北部九州期にも、畿内期にも派遣されていたことで、使節が派遣された年代と人により、混乱してしまったのではないか・・・と。
まあ、本店所在地が変わった取引先の場所を尋ねるのに、前の担当者と今の担当者に聞いたら、前の担当者が移転したことを知らなかったことで混乱してしまった・・・ようなものでしょうか。
如何ですかな、卑弥呼の子孫各位様・・・(笑)。
                                       平太独白
by heitaroh | 2007-05-24 00:12 | 歴史 | Trackback | Comments(7)
Commented by D-KID at 2007-05-23 23:02 x
ここ数日書かれてきた邪馬台国論争に水を注すようで申し訳無いのですが『魏志倭人伝』というと僕は歴史で学習した一つの書物という程度の認識しかないのですが、考古学や世界史の論壇ではどのように扱われているのでしょうか?

基本的に魏の視点からの文面なので、これをもって先史日本を描写するのは難しいだろうとする向きもあるようですが…
Commented by funatoku at 2007-05-24 09:02
十数年前に邪馬台国関連の本を読み漁ったことがありますが、キレイに内容を忘れてしまいました(笑)。当時、畿内説優勢という印象を受けましたが、私はへそ曲がりなので敢えて九州説の肩を持ちます。
「魏志倭人伝」の記述を元にする限り結論は出ませんが、“探検隊の報告書”という性格を持つ文章ですから、嘘は書かないまでも誇張はあったろうなと思うんです。「黄金の国ジパング」のような。
Commented by へいたらう at 2007-05-24 10:00 x
<D-KID

>考古学や世界史の論壇ではどのように扱われているのでしょうか?

さあ・・・。
私も学者じゃないので、そこまでは知りません。
何かには、「魏志倭人伝だけじゃだめで、その前項まで含めて読まないと全体が理解できない」と書いてあったような・・・。
ま、しょせん、これ!という決まり手がないわけですから、いいんじゃないですか?

それと、これも、間違っていたらごめんなさいなんですが、ああいう魏志とか三国志というのは、その王朝がリアルタイムで作るわけではなく、その王朝が滅びた後に、新たに出来た王朝が前の王朝を総括して作るもので、魏志自体、作られたのは、その後の、晋の時代かもしれませんね。
もっとも、三国志と魏志の関係がどうなのかはわかりませんが。

ちなみに、卑弥呼が魏に使いを送ることが出来たのは、諸葛亮孔明死んで、蜀の脅威がなくなったことから、北平に盤踞していたこうそうんさんという武将を司馬仲達が撃破するに至ったからだと言われています。
諸葛亮孔明と卑弥呼が微妙に関係していたという・・・。
Commented by へいたらう(管理人) at 2007-05-24 10:04 x
<funatokuさん

私も、むかーし、読んだのですが、覚えてませんでした(笑)。
それに、当時は、吉野ヶ里遺跡は発掘されてませんでしたし、時間が経つと、色々な物証という意味での発見もあるでしょうから、また、変わってくるでしょう。
でも、おみゃあさん、でっら名古屋説というのは、どうだがね?
これもありかなとも思うだなも。
Commented by 先日行きました。。。 at 2007-05-24 13:50 x
行きましたが。。。

建物の構造が気になって。。歴史は。。。。(笑)
Commented by ふろ屋。。。 at 2007-05-24 13:51 x
↑僕です。。ごめんなさい。。。(爆)
Commented by へいたらう at 2007-05-24 14:21 x
<ふろ屋。。。 先日行きました。。。 さん

勝手に名前変えるんじゃねぇ(笑)。
ややこしくていけねぇ。

君が気になってたのは、建物の構造。。。ではなくて。。。。
****の構造。。。でしょ。。。(爆)

はよ、嫁もらえ。。。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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