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吉野ヶ里遺跡に遊び邪馬台国のロマンを想う その2
親愛なるアッティクスへ

続きです。

まず、私が畿内説を採ったのは、この魏志倭人伝における「水行」という記述です。
対馬壱岐などに行く場合の記述は、はっきりと、「海」と書いてあるのに対し、ここでは、「水行」とあります。
このことから、これを海ではなく、「川」だという人もいるようですが、いくら当時の交通事情でも、水路を20日と10日の計30日も行けば、仮に九州最大の大河、筑後川であったとしても尽きてしまうし、九州内からはみ出てしまうのではないでしょうか・・・。

吉野ヶ里遺跡に遊び邪馬台国のロマンを想う その2_e0027240_16532692.jpgやはり、敢えて、「水行」とはっきり書いてあることは、外してはいけないと思うのです。
この点は、はるばる、玄界灘を渡ってきた外国人から見れば、瀬戸内海は川なのか、海なのかわからなかったのではないかと。
川でも、下流だと、塩分濃度は高いしですね。

おそらく、奴国の次に記載されている不弥国というのは、現在の福岡市北九州市の中間付近だと思いますが、ここから、「南」へ行ったというのは、門司から瀬戸内海を行く場合、一旦、周防灘南下しますので、この報告者は、途中で「東」へ向きを変えたことに最後まで気づかず、「南」へ向かっていると思いこんでいたのではないかと思います。
そう考えれば、水行20日という投馬国は岡山県辺り、そこから、水行10日大阪・難波の津に上陸・・・というのは、割と当を得た記述ではないでしょうか。
この時代より、約1500年後の安土桃山時代、当時の毛利家当主であった毛利輝元が初めて豊臣秀吉に謁見するために瀬戸内海を東上した際に、広島から大阪まで、船旅で15日間かかっています。

動力という点では大差なかったでしょうが、船の装備、受け入れ側の施設、航海技術などの面では、おそらく、かなりの差があったと思われます。
ただ、一方で、この旅自体は、かなり、のんびりした旅であったこととを考えれば、ある程度、参考にして良い日数なのではないかと・・・。
それに、広島からの船出であり、「伊都国と奴国間が100里、奴国と不弥国間も100里」という魏志倭人伝の記述に従えば、少なくとも、船出は現在の福岡市と北九州市の中間に位置する宗像郡・遠賀郡付近ではないかと思われ、そこからの距離を加えたならば、おおよそ30日弱になるのではないかと・・・。
ただ、わからないのは、むしろ、「水行」を終えて、上陸した後の記述でしょうか。
大阪・難波の津に上陸したとして、そこから、陸路を1月も行けば、これまた、かなり遠方まで行って、近畿地方を突き抜けてしまうのではないかと思うからです。
1月というのは、今日の30日ではないのかもしれませんが、それにしても・・・と。

・・・という、ここから先の続きは明日のココロだ~。
                               平太独白
by heitaroh | 2007-05-23 00:48 | 歴史 | Trackback | Comments(4)
Commented by D-KID at 2007-05-22 22:20 x
1月≠現代の30日では無いとするより、へいたらうサンの『のんびりした旅』という推測からひょっとして寄り道をした上での1月というのも考えられないでしょうか?あくまで勝手な思い込みで、『じゃあ何処に行ったんだ?』という話ですが…

追記:そうそう甘木市⇒朝倉市でしたね忘れてました。もう少し突っ込んで言うと、三連水車の近所が実家です(^^;
Commented by へいたらう at 2007-05-22 23:04 x
<D-KID さん

私も、輝元同様、邪馬台国への使節団も、ある意味、のんびりした旅だったのではないかと思っています。
1日当たりの航続能力という点で・・・。
つまり、あちこちに寄港しながらでないといけなかったという。

追記:え!うちの妹婿も三連水車のすぐ近くですよ。
歩いて20歩くらいだったような・・・。
もしかして、親戚???(笑)。
Commented by tokkey_0524zet at 2007-05-23 09:47
「魏志倭人伝」を詳しく読んだ事はありませんが、この説は興味深いですね。
吉野ヶ里、通りかかった事がありますが本当に周りに何も無さそうな所でした^^;。
Commented by へいたらう at 2007-05-23 10:35 x
< tokkey_0524zetさん

吉野ヶ里遺跡・・・は確かに周りは何もないですよね。
でも、最近では温泉はできるは、トンネルは開通するわ・・・で、駅の名前も、町の名前も吉野ヶ里になりました・・・(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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