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損して得取れを知らない19世紀的発想のアメリカ、その2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

大橋武夫氏の著書の中にあったのは、戦前の中国の古老曰くの話は、あくまで、パーセンテージの話であり、少し、トリッキーな感もあるし、何より、人間という物は、「足りるということを知らない生き物」であるといえ、その意味では、相手が30%しか取らなければ、次回は、必ずや、25%に抑えようとしてくるであろうことを考えれば、諸手を挙げて賛成というわけにはいかないと思う。
(私も、相手のレベルによっては、紳士的に話をしてあげると、かえって、いい結果を生まないということを身を以て知っている。「ひと癖もふた癖もあるやつ」、「若造のくせに生意気なやつ」と思われないと、話が前に進まないことがあるのも、また、現実なのである。)
だが、話としては、「損して得取れ」という言葉もあるように、必ずしも、一概に否定するものでもないように思う。

損して得取れを知らない19世紀的発想のアメリカ、その2_e0027240_14195049.jpg

実際、私の父は、昔、ある仕事で、それまで、その仕事の経験がなかったことから、遠縁にあたる大手業者に、その仕事の遂行を依頼し、仕事の内容を見せてもらったことがあったところが、仕事が終わった後、かなり、割高な請求をされたらしく、後に人づてに聞いたところ、先方曰く、「こっちは仕事を教えてやっているんだ。それくらいもらって何が悪い」ということだったそうである。
確かに、その通りで、以後、父は、自力で、それらの仕事をこなしていったというから、そのとき、支払った以上のものを得ていたのだろうと思う。
しかし、私に言わせれば、この遠縁の業者社長さんも、ずいぶんと、お人好しなことだと、嘆息の感がないでもない。
このとき、良心的な対応をしてあげていれば、また、困った時には、仕事を頼んだのだろうが、以後、他社に頼んでも、ここには、一切、頼むことはなかったのである。
おそらく、先方にとっては、こちらの方が、かなり、高くついたと思われる。

この論でいえば、アメリカという国は、まるで、底なしのブラックホールのように、貪欲に、何もかもを呑み込もうとする傾向があるように思える。
だが、これは、ある意味、戦前の日本が、無邪気に、「領土を拡げたい」という意識を持っていたのと同じで、「ただ、ひたすら、儲けたい・・・」というだけの話なのではないだろうか。
(大日本帝国の領土拡張は、食えない農民に農地を与えるという側面もあっただろうが、私には、無邪気な、「まず、領土拡張有りき」だったように思える。)

そのうち続く・・・と言いたいところだが、鉄は熱いうちに打て・・・、(現代風に、また、私の体験的に言うならば、コンクリートは固まらないうちに枠に流し込め・・・だろうか。)という言葉もあることから、明日に続く・・・と思う。
                               平太独白
by heitaroh | 2007-03-14 08:13 | 国際問題 | Trackback | Comments(2)
Commented by D-KID at 2007-03-14 23:24 x
『損して得取れ』で思うのが、日々の営業活動(私事ですが外回りの営業やってます)。

商談の場にて「会社が決めた規定価格を守り取引する」べきか「取引先を繋ぐために若干価格を崩して取引する」べきかよく悩みますね。その時のシチュエーションというか状況にも寄ろうかと思いますが、僕個人としては後者の考えを多く採っています。
良い評判を自分で作ろうとしてもいけないんでしょうが同業者の横のつながりというのは甘く見てはいけないもので、「いい取引ができた」という話を流布してもらえるように新しい営業範囲で日々悪戦苦闘しています。
まぁ今は特に顔がまだ売れてない段階なので、今後の取っ掛かりとして若干の無理をコいて仕事しています。
Commented by へいたらう at 2007-03-15 16:06 x
<D-KID さん

私も身に覚えがありますね。
客のためを思うなら、会社の利益を犠牲にしろって話になるのでしょう。
でも、こういうのは、「客に後から、十分にアフターサービスをしてやれるように、適正利益をもらっておくのだ・・・」と考えればどうでしょうか。
客に喜んでもらうのは、取引のときだけではないはずですよね。

もっとも、偉そうなことを言っても、私は、サラリーマン時代は、平気で後者を選んでましたけどね。
まあ、そうせざるを得ない特殊な事情がありましたから、一概にはいえないのでしょうが。
それに、皆、建前としては、前者を口にするのでしょうが、現場の営業マンとしての本音は、現実には、やはり、成績が欲しいですよ。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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