親愛なるアッティクスへ
先般、たまたま、ある小雑誌で、「江戸商人の家訓に学ぶ」という記事を目にした。
その中で、中村治兵衛という商家の家訓として、「他国へ行商するも、総て我がことのみと思わず、その国の一切の人を大切にして、私利を貪ることなかれ」というものがあるのを目にした。
つまり、「他の国へ行って商売をする場合も、自分や自分の顧客ことばかりではなく、その地域全体のことを考えて商売せよ」という意味であろうか。
この点で、思い浮かんだことがある。
かつては、
「アメリカの裏庭」と呼ばれたこの地域も、今や、仇敵は、
キューバのみならず、
ベネズエラや
アルゼンチンなどを始め、公然たる
反米の動きが
顕著になりつつあるようだ。
現に、
ブラジルでは、国民は
ブッシュ来訪に際して、ブッシュの人形を燃やすなどの
抗議行動を繰り広げ、中米の
グアテマラでは、
先住民マヤの指導者が、「神聖な土地踏まれるのは
侮辱」として、米大統領訪問後には、
「お清め」をしなければならないと述べるなど、決して、歓迎されているとは言い難い状況だ。
思えば、以前、
平太郎独白録 映画、『太陽 The Sun』にみるGHQは日本の捕虜?」でも触れた、終戦直後の
昭和天皇を描いた
「太陽 The Sun」という映画の中で、
マッカーサーが天皇に対し、「我々は、
他国の領土を欲しいとは思わない。なぜなら、欲しいものは、すべて
金で買うからだ」というような意味のことを言っていたが、確かに、戦前の日本のそれは、「ただ、ひたすらに領土を拡げたい・・・」みたいな面も無きにしも非ずだったように思う。
が、そのアメリカも、領土こそ求めないものの、中南米やアフリカなど、世界中のあらゆる地域で、
「すべてを根こそぎ持って行こう」という姿勢が強すぎるように思う。
せめて、もう少し、地元にも
分け前を残しておいてやれば、やっていること自体は、商行為なのだから、あそこまで、
毛嫌いされるということもないのではないかと。
思い起こせば、
中東はもとより、
中国でも、
ロシアでも
反米の動きは顕著になりつつあるし、
日本や
韓国などでも、
嫌米の動きが巻き起こりつつあるようにも思える。
それら、世界中で嫌われ者になりつつあるアメリカだが、以下は、拙稿でも、たびたび、取り上げている、私が敬愛する、元帝国陸軍参謀であり、兵法研究科でも知られた、故、
大橋武夫氏の著書の中にある言葉である。
「日本人は、中国で商売するときに利益の90%を欲しがる。だが、そんなことをしなくても、30%しか取らなければ、
『あの人と組めば儲けさせてくれる』という評判が立ち、皆、仕事を持ってくる。たとえ、30%でも、3人からそういう話が来れば
90%の取り分となるではないか」
続きは明日ということでご理解賜れば、もっけの幸いでさあ。
平太独白