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よく遊びよく働けの野村證券創業者、野村徳七の教え
親愛なるアッティクスへ

最近、日興コーディアル証券が色々と世間を騒がせている。
これも、まあ、損失補塡と同じで、以前だったら、それほど騒がれなかったような話なのかも知れないが、松井証券の躍進などを見るにつけ、かつて、「四大証券」と呼ばれ、大いに、勢威を振るった時代があったことが、遠い昔のように思われる。
この点で、四大証券の一角を崩してしまた山一証券破綻は記憶に新しいところだが、ちなみに、山一証券は、昭和40年(1965年)5月にも、危機的状況に陥っている。
このときは、当時の大蔵大臣、田中角栄果断をもって何とか、事なきを得たようだが、その後の、山一破綻の時も日本初世界恐慌に成りかねないような事態だったが、このときも、単に山一の危機に留まらず、証券業界全体を揺るがす大激震だったとか。

ただ、このときも、リーディング・カンパニーである野村證券は微動だにしなかったという。
この点で、先般、平太郎独白録 「野村證券元会長、奥村綱雄の失意にみる創業者の役割」の中でも触れたように、野村證券の創業者、野村徳七翁には、「よく働きよく遊べ」の遺訓があるようで、その意味では、野村證券には、そういう社風が生きていると聞く。

今日でも、野村證券は、業績という点では、他の証券会社に比べ、一頭群を抜いていることはよく知られているが、昭和三十年代、野村證券に君臨した奥村綱雄、瀬川美能留といった人たちは、同時に遊びのほうも他社の追従を許さないと言われたとか。
ところが、よく見ていると、野村證券がよく「遊んで」いるのは、主に、証券業界が好調のときであり、一旦、証券不況となると、一変したという。

その、野村證券について、ここに、三鬼陽之助というかつての、老財界記者が遺した古い経済記事がある。
三鬼翁の記事から、その辺を抜粋すると、
「不況襲来の昭和38年後半から40年の前半にかけての野村の幹部連の活動が、じつにめざましかった。会長、社長をはじめとして、幹部総がかりの体制で、いわゆる新規投資層の開拓に、地方の農村・漁村をかけめぐったのである。
これに対して、山一では、地方支店の従業員をはぶけば、支店長以下幹部社員たちは、この非常時にあって、遊ぶでもなく働くでもなく、土曜日の午後になると浮かぬ顔でゴルフに出かけるというありさまであった。
軍隊では、賢明な指揮官であればあるほど、ここ一番の突撃という前夜など、兵士たちをよく遊ばせ、そしてよく眠らせるという。ビジネスの世界においても、これと同じことが言えるのである」と。

まあ、決戦前夜の兵士が「よく眠れる」ものかどうかは疑問だが、何をかいわんやという気はしてくる話ではある。
もっとも、遊びという意味では、「格差社会」などと言われながらも、現代の日本人は、ある意味、驚くほど、上手に実践しているのではなかろうか。
天正10年、宿敵、武田勝頼を滅ぼし天下統一をほぼ、確実なものにした、戦国の覇王、織田信長は、た帰途、徳川家康に案内させて、富士山を観光している。
しかし、思えば、戦国の覇者にして、事実上の日本国王と言っても過言ではなかった信長にして、この程度なのである。
そう考えれば、現代の日本では普通のOLさんたちが、フランスだ、エジプトだ、ハワイだ・・・と海外に出かけているわけで、そう考えると、これは国王以上の娯楽を満喫していると言えるからである。

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by heitaroh | 2007-02-19 08:36 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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