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戦争を知っている世代の反戦論 前編
先日、撮りだめしている録画番組を見ようとテレビを付けたら、たまたま、アメリカ映画、「ステルス」というのをやっていました。
まあ、見るともなしにみてしまったのですが、何より、後半しか見てないので、偉そうなことは言えませんが、ストーリー自体は、取り立てて言うほどの物ではなかったように感じました。
ただ、なぜか、黒澤明監督作品の「蜘蛛の巣城」と似ているな・・・と感じたのですが、確かに、最近のCGは大変良くできており、戦場の恐怖というものを伝えるという共通軸と、科学が発達しても、所詮、「人工知能」という「物の怪」に人間が振り回されているという部分に、何らかの相似性を感じたのかも知れません。

戦争を知っている世代の反戦論 前編_e0027240_12301678.jpg(←宮城県石巻市にある漫画家・石ノ森章太郞氏のミュージアム、石ノ森萬画館ですね。氏の想像力が生み出した漫画の主人公たちが音楽と共に上から降りてきているところです。)

で、科学というものが生み出した現代の「物の怪」・・・というと、どうしても核兵器という物を避けて通ることができないように思います。
この点で、以前、湯川秀樹という人のドキュメンタリー番組を見たのですが、湯川秀樹とは、言うまでもなく、日本が誇るノーベル賞学者でしょうが、この方は、研究での成果と同じくらい核廃絶活動に力を入れた方であり、それはもう信念を通り越して執念と言っていいくらいのものを感じました。

徹底して、「核と人類は共存出来ない」ということで、強く、核兵器の廃絶を訴えかけた人だったようですが、「核抑止論」を唱える米ソの御用学者に対しても、「核が拡散していけば、それだけ、暴発する可能性は高くなる」ということを主張されていたようです。
私も、この点では、確かに、その通りだと思います。
しかし、では、「無くなるのか?」と言えば、残念ながら、これには、私は少々、悲観的です。
人類は、自ら、自分の首を絞める方向へ進んでいるのでしょうが、それが人間という生き物のサガなのであれば、「無くならない」ということを前提に考えるべきだと思います。

ちなみに、先年亡くなった私の祖母が言った言葉で忘れられない言葉が二つあります。
ひとつは、「原爆が落ちたとき、福岡では地響きか何かあった?」と聞いたとき、「あった」と答えたことです。
重ねて聞くと、「もの凄い音がした」と。
・・・ばあさん、呆けたかな?と思い、参考までに尋ねてみました。
「それは、どっちな?広島な?長崎な?」と。
すると、はっきりと、「長崎」と答えましたから、「ふーん・・・、呆けちゃあいないようだな」と。
でも、福岡と長崎の間にある佐賀の年配の方に聞いても、「ん?そんな音したかいな?」と言う返事だったのですが・・・。
でも、祖母は元々、長崎県は五島列島の出身ですから、長崎には当然、知己も多かったはずで、あるいはムシの報せというものだったのかもしれません。

で、もうひとつが、「もう、戦争は嫌。こりごり。」と言った言葉です。
私は、いたずらに、非戦・反戦論者ではありませんが、しかし、今の日本人は、もう少し、こういった現実を知った上で、つまり、覚悟を持った上で、主張するべきだろうと思います。

この点で、続きがあるのですが、またいつか・・・ですね。
                        平太独白

by heitaroh | 2006-12-29 08:52 | 社会全般 | Trackback | Comments(6)
Commented by tokkey_0524zet at 2006-12-30 21:53
祖母(現在ボケて老人ホームにいる)は「リアルタイムできのこ雲を見た」と言っていました。
被爆こそしませんでしたがやはり相当頭に残っていた様です。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-12-31 09:27
>私は、いたずらに、非戦・反戦論者ではありません。

こういう台詞を口にする人間が手の届く範囲にいれば、私は躊躇なく殺します。
警察に通告するならどうぞ!

戦争については文字でしか知らず、弾の下を逃げ回って生き延びた経験がないヤツにわかるもんか!

くたばれ、バカ餓鬼!

これが体験者の感情です。
Commented by へいたらう at 2006-12-31 11:28 x
<tokkey_0524zetさん

こればかりは、実際に経験してみないとわからないんでしょうねぇ・・・。
現代で近い物と言えば、阪神大震災でしょうか。
かなり、関西の人の人生観は変わったと言いますから。
Commented by へいたらう at 2006-12-31 11:32 x
<Count_Basie_Bandさん

この問題の本質はまさしくこれです。

取るに足らないような発言で「殺す」と言ってくる相手にどう立ち向かうか?
頭を下げて言いなりになるか、それとも、こちらも武装するかでしょう。

これが、戦争を経験していない世代に共通する核心部分だと思います。
もっと、私たちを、きちんと納得させてください。
納得させることが出来る材料を持ってないから、足下を見透かされるんです。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-12-31 15:22
>納得させることが出来る材料を持ってないから、足下を見透かされるんです。

まず「足下を見透かす」の意味がわかりません。

ともかくこの問題が納得に至るかどうか、私は絶望視しています。

↑の無礼なコメントはアフリカン・アメリカンの友人の話を借用したものです。彼らの社会には「公民権法」を境にする深刻な世代間ギャップがあるそうです。「公民権法」ができる前の世代がいくら経験を話しても、どうにも理解されないようです。

生命の本当の危機は言葉では表現できないのですね。

ま、日本の場合には30年後にはギャップが無くなります。恐怖を記憶している人達は66歳から67歳になっているからです。

アメリカはもう少し掛かるでしょうね。
Commented by へいたらう at 2006-12-31 16:33 x
<Count_Basie_Bandさん

まず、よく私の周りでも、二言目には、「俺は苦労した」という人が居るのですが、いくら自分が苦労したと言ったところで、それを体験して無い人に皮膚感覚で解れ!というのは、無理な話だと思います。
それと一緒で、戦争を体験していない我々の世代や、戦場を経験していない貴台様の世代に、同じように皮膚感覚で戦という物を理解しろと言うのは土台、無理な話ではないでしょうか?

であれば、戦場を知っている世代、戦争を知っている世代は、それを知らない世代に、これでもかというくらい納得させる義務があると思うのです。
この点で、我々の子供の頃から、日本の教育は「臭い物には蓋をする」方式で来すぎたのではないでしょうか?

中国や韓国などのアジア諸国に対し、土下座外交ばかり見せられ、「立場が逆だったら攻めてこなかったと言い切れるの?」「元寇はどうなるの?」「戦勝国はどこも植民地支配に対して謝罪してないじゃない」と言った疑問には蓋をされてきたから、内心でたまったわだかまりが、今日のナショナリズムとして噴出してきているのだと思います。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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