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プロスポーツ、興業と修行のねじれ・中編 
親愛なるアッティクスへ

プロスポーツ、興業と修行のねじれ・中編 _e0027240_17485684.jpg←以前、私の通勤路で見かけた風景です。
いつぞやの台風で倒れた物ですね。
台風慣れしている九州人も、この台風だけは生まれて初めて、「怖い」と思いましたよ。

・・・などと、感心している場合ではなく、昨日の続きです。

時々、実力はともかくとして、奇抜な格好で出てくるアスリートがいますよね。
この点では、「盛り上がってるんだから良いジャン!」という考え方のアスリートもいれば、一方で、成績さえ残せばば、報酬は自動的に付いてくる・・・と思っているアスリートが多いのも、また、事実・・・。
では、なぜ、日本のプロスポーツは、こうも、興業と競技に整合性を見出せないのでしょうか?

思えば、とかく、日本のプロスポーツというものの基本的な考え方は、「修行」になりがちですよね。
(その反動で、興業としての側面のみを重視する人たちが出てくるという素地があるように思います。)
まあ、それもやむを得ないことで、平太郎独白録 「興業としてのプロスポーツのあり方」でも触れたところですが、元々、日本のプロスポーツとは、剣豪が腕を磨く為に行う「修行」から出ているわけで、問題は、その行き着く所に在ったように思います。

では、彼ら剣豪は、剣の達人になって何をするか?
人を集めて、自分の鍛え上げた技を、直接、大衆に見て貰い、報酬を得ようとするのではなく、それなりの大名家に「仕官」するんですね。
(つまり、大企業に就職する為のもので、今で言うなら、履歴書に「ボランティア活動歴何年」などと書くような感覚でしょうか(笑)。)
それは、江戸期の相撲取りも然りです。
つまり、大名という貴族(パトロン)お抱えとなるわけですね。
その辺は、まあ、同時代のヨーロッパの画家たちも、似たり寄ったりではあったでしょうが・・・。

元々、日本のプロスポーツとは、剣豪が腕を磨く為に行う「修行」から出ているわけで、彼ら剣豪は、己の鍛え上げた技を、直接、大衆に見て貰い、報酬を得ようとするのではなく、それなりの大名家に「仕官」することを目的にする・・・と申し上げたわけですが、それに対し、アメリカ型のプロスポーツとは、一人のパトロンに頼らず、自らの技を見せて、直接、客から金をもらう・・・という画期的なものであり、この辺は、間接金融に対する直接金融のような位置づけのようにも思えます。
まさしく、いつまでも、なかなか間接金融から抜け出せない日本人の思考法と、あるいは、何か共通する物があるのかも知れません。

ただ、日本では、とかく、この直接金融方式は白い目で見られがちのようです。
川上哲治元巨人監督は、戦前、生活苦の為に、高い契約金をくれる職業野球に入ることになったとき、「まるで、サーカスにでも売られていくかのような、惨めな気持ちだった。」と述懐しておられました。
この辺に、日本のプロ・スポーツという直接金融に対しての、根本的な考え方が如実に表れているような気がします。

明日に続く。
                              平太独白
by heitaroh | 2006-09-27 07:36 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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