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博多駅前史 その6 戦前昭和編 東部区画整理組合
親愛なるアッティクスへ

さあ、このシリーズ、時代は、いよいよ、大正から昭和へと移ってきました。
そして、注目すべきは、この頃より、博多駅移転問題が俎上に上がり始めたことです。

まず、博多駅自体の流れを時系列的に著しておきますと、明治22年(1890年)に九州鉄道の駅として完成した博多停車場ですが、完成して10年も経たないうちに、早速、手狭になったようで、拡張の必要性が叫ばれるようになったとか。
で、明治42年(1909年)に、当時としては、天文学的とまで言われた12万円の大金をかけて一新され、拡張改築された二代目博多駅ですが、これまた、福岡市の発展に追いつけなかったようで、拡張から10年も経たない大正6年(1917年)には、博多駅移転拡張が新聞紙上にて提起されたのを受け、翌年には、当時の福岡市長らが門司鉄道局へ博多駅移転の為の陳情を行ったものの、国鉄側からは、あまり、色よい返事はもらえなかったようで、それ以上の進展はみられなかったようです。
が、ともあれ、これが、この後、戦争を挟んで、46年間に渡って繰り広げられる博多駅移転区画整理の嚆矢となります。

で、この動きは一旦、忘れられたかに見えたものの、水面下では止むことなく続けられていたようで、ついに、昭和3年(1928年)5月、博多駅移転の為の、東部区画整理組合創立が決議され、昭和7年より、移転を見越した有志らによる区画整理に着手したようです。

このとき、当地(現博多駅前三丁目地域)でも、この東部区画整理に呼応してのことか、区画整理着手の前年の昭和6年、下人参畑町のうち、拙宅を含む一帯が、下人参畑町より分離して、新たに、福岡市東林寺町となっております。
ただ、分離したとは言え、町内の行事などはすべて、下人参畑町と一緒にやっていたと言いますから、実態はそれまでと何も変わらなかったようです。

博多駅前史 その6 戦前昭和編 東部区画整理組合_e0027240_12114055.jpg(←これは、東林寺町設立記念式典の際の横断幕です。発起人の中には、私の曾祖父の名前が見えます。)

その後、昭和9年に、同地では、土地の分譲が為されたと登記簿には記載されております。
あるいは、分譲を契機に町が分離したのかも知れません。

(当時の登記簿は今と違って、納税台帳の一部ですから、必ずしも正確とは言い難いようで・・・。)
ちなみに、先述しましたように、大正12年に同地に転居してきた当家ですが、当時は建物は自前でも、土地は借地だったようです。
これは、何も珍しいことではなく、当時は、日本では、住宅というのは借地が一般的だったそうで、これを劇的に変えたのが、関東大震災だったと・・・。
つまり、震災によって、家が倒壊すると、家ばかりか、借地権自体が消滅してしまうという事態に被災者が直面することになったからです。
このとき、分譲された理由の一つには、あるいは、そういった意識の変化があったのかもしれません。

で、その後、東部区画整理組合の関係者は、博多駅移転区画整理に向け、数多の陳情を繰り返し、その努力あって、ついに昭和18年、事業費774万円をもってする都市計画決定が告示されるに至るも、折からの太平洋戦争の戦局の悪化と共に、区域決定のみで、結局、事業認可は得られないままに終わりました。

ということで、続きはまたまた、来週のココロだ~♡
                             平太独白
by heitaroh | 2006-08-26 08:10 | 地域 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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