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自民党総裁選候補に見る総理大臣論 その2。
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

自民党総裁選を争った三人のうち、安倍氏、麻生氏ときて、最後に、谷垣禎一氏ですが、見識的には、私は3人の中ではこの人が一番、適任だったろうと思います。
ただ、見識があれば適任かというと、これまた、難しいところで、かつて、故橋本龍太郞元総理は、「俺以上に実務に精通している奴はいない。」と豪語したと言いますが、しかし、総理大臣という物は、何も住民票の取り方にまで精通している必要はないわけですね。
つまり、総理大臣とは、「思考」の機関ではなく、「決断」の機関だということです。

かつて、中曽根退陣後に総裁の座を争った安倍、竹下、宮沢・・・、つまり、安竹宮の中で、誰が一番適任か?と聞かれたある評論家は、「それはもう、宮沢さんですよ。三人の中では、一番の政策通ですから。」と答えてました。
このとき、私は、それを聞いて、「そうかぁ?」と思いました。
宮沢さんは、政策通であり、もの凄く頭の良い人とは聞いてましたが、自民党の四十日抗争のときも、一人だけ、修羅場を脱けて出張に行ってしまうような人でしたから、「政策通」であっても「胆力に欠ける」・・・というのが私の認識であり、であれば、そういう人が総理の座についても、「良い政策」を披瀝することは出来ても、それを実行することは出来ない・・・というのが、私の判断でした。
で、結果は・・・、どなた様もご記憶の通りで・・・σ(^_^;)。

ついでに言うと、宮沢さんが「平成の高橋是清」などと呼ばれて、総理経験者でありながら、再び、大蔵大臣に就任したとき、私の友人は、「これで景気はよくなる。」と言いましたが、私は、言下に、「それは有り得ない。」と否定しました。
このときの結果も、また、記憶に新しいところで、住専の処理公金を投入することを表明したものの、国民からの猛反発をくらうや、急にトーンダウン・・・。
あのとき、宮沢さんが言った方法は正しかったと思いますよ。
納得は出来なかったけど、処理としては、一番、安上がりだったでしょう・・・でも!・・・という好例ですね。

この点で、小泉純一郎氏は、それが正しいかどうかは別にして、任期中、とにかく、決断してきましたよね。
だから、「好き」という人も多かった反面、「許せない」という声もそれなりに耳にしました。
しかし、決断を先送りし、自分の任期を何事もなく終えることも可能なのです。
かつて、ある任期切れ間近の防衛庁長官は、自衛隊機が民家に墜落したとき、「あと少しというのに・・・。次の長官になって落ちてくれれば・・・」と口走ったことがありました。
「好き」も「嫌い」もいないというのは、何もしてこなかった証拠ですよ。

谷垣さんのことは、余り知らないけど、私的には、宮沢さんと同じ臭いがするんですよね。
まあ、地位は人を育てると言いますし、また、地位と能力は反比例するとも言いますから結局は、その人の資質次第・・・ということになるのでしょうが。
谷垣さんに限らず、どなた様も、なお一層の飛躍をお祈りしたいものです。

余談ですが、地位と能力という点では、かつて、明治時代の医界の重鎮の言葉だったと思うのですが、「私も医者として、色々な人を看てきたが、地位が上がるに連れて能力も上がるという人は稀で、むしろ、大半が地位が上がると反比例して能力が低下する人が多い。ただ、二人だけ例外があった。陸奥宗光児玉源太郞の両氏である。この二人だけは、地位の向上に比例して、能力も高まった。」とか。
地位が上がると、人間、「失いたくない!」として、守りに入ってしまうんでしょうね・・・。
                              平太独白
by heitaroh | 2006-08-25 08:14 | 政治 | Trackback(5) | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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