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空海はなぜ空海なのか。
親愛なるアッティクスへ

貴方は海外に行かれるとき、どうやって行かれますか?
現代日本では、まず大半の方が飛行機で行かれるのではないかと思います。
私は以前、博多港から韓国の釜山まで玄界灘で行ったことがあるのですが(ちなみに、博多港日本一国際旅客港だそうです。まあ、そりゃそうでしょうね。東京や大阪にで出入りする人も少ないでしょうから・・・。)、その間、窓外に拡がる景色は、驚くことに突起物は壱岐対馬(の付近)だけで、そこ以外では、島影はおろか、しがみつくすらなく、そこには、ひたすら海と空の二種類の色しか存在しなかったんです。

空海はなぜ空海なのか。_e0027240_16264624.jpg

陸海空と言いながら、ひたすら、陸がない空と海だけ・・・、海・空・海・空・海・・・」
そこまで考えて、私はハッとしました。
「あ、弘法大師・空海「空海」とはここから来たんだ・・・」と。

空海は実際、留学僧として大陸に渡る際、同様に船上の人となった経歴があります。
私が乗った、この、わずか数時間の船旅でも、その見渡す限り「空」「海」という風景は、地面という「依って立つ足場」が必ずしも絶対では無いということを思い知らしめると同時に、自らの無力さ非力さを改めて感じさせてくれました。
ましてや、空海の当時は、私が乗ったようなジェットホイールなどあるはずもなく、彼は何日もこの「空と海」だけの寄る辺ない風景を眺めていたに相違有りません。
そう考えると、彼が自らを空海と名乗ったのが、わからないでもないように思えました。
秀才と呼ばれ、留学僧にまで選ばれたこれまでのことなど、何の根拠もない儚い夢物語のように思えたのではないでしょうか?

もっとも、空海が行ったのはこの博多~壱岐~対馬~朝鮮半島というコースではなく、博多から沿岸部をなぞりながら福江(五島列島)へ行き、そこから直接、東シナ海を横切り、直接、中国へ行くというコースでしたが・・・。
(最短コースですが、逆に、難破の確率は遥かに高くなります。おまけに、時期は中国側の都合に合わせたから航海に適していない時期に渡らねばならなかった・・・と。その意味では、死刑台の上に10日間くらい立つような感覚でしょうか。)
彼が、いつの時代から空海と名乗っていたのか、宗教などにはとんと理解のない私には、知るよしもないことですが、なぜか、そう強く実感しました。
                       平太独白
by heitaroh | 2005-08-03 18:18 | 社会全般 | Trackback(2) | Comments(4)
Tracked from PARDES at 2005-08-04 20:56
タイトル : 風に逆らおうとするな・・・
いやあ、仕事が忙しくて朝の目覚めが悪いです。週の初めだというのにもう疲れてきて、何をやるのも億劫になります。夜も熱帯夜で、起きたら体全体汗だらけ。若い連中が私のような三十代も大台に乗った「年寄り」よりも二倍も三倍も元気で、頭が良くて、仕事覚えが早く、あせってきます。それに加えて先週から風邪をこじらせて休みつづけている社員もおり、放置すると上の会社から < 解雇勧告 > が降りるので、請負グループのまとめ役として「工作活動」をしている毎日です。こんな忙しい毎日で、このブログに記事を書いて、皆さんに...... more
Tracked from 郎女迷々日録 at 2006-01-03 01:46
タイトル : 景福宮と漢字教育
あけましておめでとうございます。 元旦で韓国旅行随想をしめくくります。 本日の写真は景福宮(キョンボックン)です。 ツアーには含まれていなかったのですが、時間があったので訪れました。 ソウル市内の宮殿を次々に再建しているその心意気は買うのですが、すでに王朝のない、つまり主のいない宮殿の再建というのは、なんとなく寂しいものでした。 李王朝時代の歴史の記録は、その大部分が漢文です。 先日、水原華城のところで述べましたように、ハングル文は主に、宮中の女性によって綴られたものなのです。歌辞、つまり詩文なん...... more
Commented by ジンマーマン at 2005-08-03 21:52 x
これは谷川俊太郎の詩です。(一脈、通じるものがあると思いましたので…。)



そこで地球は終わっていた
上下の青い無限…

僕はぎらりと再武装した
更にきびしい生を感じて
Commented by skwakasaman at 2005-08-03 22:00
こんばんわ。
最近リンクさせてもらい記事を読ませて頂いております。
凡人には少しむづかしい内容ですが文章がしっかりしてますね。
ちょくちよく覗かせてもらすます。
よろしく。
Commented by へいたらう at 2005-08-04 12:02 x
>ジンマーマンさん

私は谷川俊太郞という人は名前だけしか知りません。
この方がどういう状況で、この詩を詠んだのかわかりませんが、おそらく、浜辺か何か足下のしっかりしたところで詠まれたのではないでしょうか?
太平洋の真ん中で小舟に揺られたなら、「再武装」という前向きな表現は出て来ないのではないかと思うからです。
もっとも、航海というものは晴れた日ばかりとは限らないし、私も嵐の海での航海を経験したわけではないので、偉そうなことは言えないのですが・・・。
Commented by へいたらう at 2005-08-04 12:18 x
>skwakasamanさん

コメント有り難うございます。
実は私は恥ずかしながら、著書を一冊持っているのですが、いざ、これを書くに当たって、はたと当惑したことがあります。
それは、表現の的確さ、多様さを優先させるべきか、それとも、幅広く色々な人に受け容れられやすいように平易な文体を心がけるべきかということでした。
で、壁に当たった私は16歳の頃に愛読した、神様、「司馬」小説を取り出してきて読んだところ、あの頃はハマって読んだのに、今見たら、ムチャクチャ難しいんですよね(笑)。
こんな単語初めて聞いた!みたないのもあるし・・・。

そこで、初めて、司馬さんが「気にすることはない。思い切ってやりなさい!」と言ってくれているように感じ、それ以来、敢えて自分の好きなように書くようになりました。
読む方のことを考えず、自分勝手な独りよがりの文章になっていると思いますが、何卒、これに懲りず、今後とも宜しくお願います。
<< 対馬が日本にある幸せ 日本の戦後を作った人々 >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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