人気ブログランキング |


博多駅前史 その2 江戸時代~明治編
e0027240_15403724.jpgたびたび、ご紹介申し上げております私の通勤路からの風景ですが、この川が福岡市で一番、メインの川、那珂川です。
中世以前は、前回申し上げましたように、この川ともう一つ四十川(現在の薬院新川)が、現在の住吉一帯にあった入江付近に注いでいたわけですね。

しょっちゅう、氾濫を繰り返していたとは言え、平時は、清流が注ぎ込む、さぞかし魅力的な風景だったことでしょう。
叶う物なら、是非、往事の風景を見てみたいものです。

で、先週の続きです。

福岡市博多区博多駅前三丁目・・・。
ここの廃藩置県以前の地名は、正式には筑前国那珂郡春吉村・・・ですが、俗称としての「人参畑」で知られていたようです。

まず、春吉村とは、元々、隣の住吉村にある住吉神社の境内地だったようですが、慶長7年(1602年)、住吉村から分かれたとあります。
関ヶ原の戦いの2年後ですね。)
が、同時に、「されども、この所、その時は民家無し。この地に田畑を作る農人は皆、博多市中より通う。」と記されているように、かつてのように海岸線に隣接するという事はなかったとは言え、まだまだ農地だけが拡がる寂しい所だったようです。

この春吉村に、初めて、人が住んだ記録としては、それから、10年が経った慶長16~17年頃、二代藩主黒田忠之が、ここを宅地として造成し、足軽を入植させたことが記されています。
そして、この頃から、以前、平太郎独白録 「民主党のお粗末さに想いを馳せる筑前福岡藩の財政運営。」で申し上げたところですが、日本一の裕福藩とまで言われ、潤沢だった福岡藩の財政が、慢性的な赤字体質を見せ始めたようで、これに苦しんだ藩は、江戸時代中期、殖産興業の一環として、その春吉村の一角である、現在の博多駅前の地に高麗人参の栽培を企図し、新たに足軽数名を入植させています。
もっとも、この事業自体は頓挫してしまったようですが、ともあれ、以来、この地は、それにちなみ、「人参畑跡」と呼ばれるようになった・・・と。

ちなみに、以前、平太郎独白録 「日露戦争と福岡人の奮闘に見る、男装の女傑と人参畑!」で触れました、男装の女傑、高場乱がここに興志塾という私塾を開き、右翼の巨頭、頭山満翁などに薫陶を与え、晩年、「人参畑の婆さん」と言われたのは、幕末から明治にかけてのことだそうですが、当時は人家もまばらな寂しいところだったと言います。

その後、明治4年の廃藩置県に伴い福岡県那珂郡春吉村となり、同6年9月には第2大区第22小区、同9年12月には第6小区、同11年11月には1区となります。
ちなみに、同15年の「字小名調べ」によると、春吉村には54の小字があり、そのうち、当家の所在地は「馬場添(ばばぞい)」というところで、従って福岡県那珂郡春吉村大字春吉字馬場添となります。
そして、同19年6月には隣村である住吉村と同区となったことで、明治22年の大日本帝国憲法発布に伴う市町村制施行により福岡市が誕生したのと同じくして、この地域は、春吉村から分離して住吉村に編入され、福岡県那珂郡住吉村大字春吉字馬場添となります。
元々、ここは春吉村とは言いながら、春吉の飛び地的な感覚のところであったようで、従って、実際には、春吉よりも住吉に含めた方がいいような地域であったようです。
従って、春吉村から住吉村へ編入された後、「住吉村大字春吉」という変則的な地名で残ったようです。
ちなみに、現在、住吉は博多区ですが、春吉は中央区です。
が、まあ、お世辞にも、柄の良くないところは五十歩百歩といったところでしょうが(笑)。
                            平太独白
by heitaroh | 2006-07-29 18:04 | 地域 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://heitaroh.exblog.jp/tb/3812359
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 越本隆志選手の初防衛戦にみた福... 越本隆志選手の初防衛戦福岡開催... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
ライフログ
最新のコメント
> sakanoueno..
by heitaroh at 11:39
今回に限らず、あの番組で..
by sakanoueno-kumo at 17:22
> sakanoueno..
by heitaroh at 14:02
岡城、一度行きたいんです..
by sakanoueno-kumo at 09:41
> sakanoueno..
by heitaroh at 09:41
「離合」、初めて聞きました!
by sakanoueno-kumo at 09:26
>とがわさん 大橋..
by heitaroh at 12:11
大橋武夫氏の名言に惹かれ..
by とがわ at 11:58
> sakanoueno..
by heitaroh at 16:59
号外いいなぁ! 私は住..
by sakanoueno-kumo at 21:18
> sakanoueno..
by heitaroh at 11:00
> sakanoueno..
by heitaroh at 10:57
「健安」はやめちゃたんで..
by sakanoueno-kumo at 21:02
無事是名馬、おっしゃると..
by sakanoueno-kumo at 20:59
> sakanoueno..
by heitaroh at 10:55
検索
タグ
(65)
(54)
(54)
(51)
(50)
(46)
(42)
(41)
(41)
(36)
(32)
(31)
(31)
(30)
(29)
(28)
(26)
(26)
(25)
(25)
(24)
(24)
(24)
(24)
(24)
(23)
(21)
(21)
(21)
(21)
(20)
(20)
(19)
(18)
(18)
(18)
(17)
(16)
(16)
(16)
(16)
(16)
(15)
(15)
(14)
(14)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(12)
(12)
(12)
(12)
(11)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
カテゴリ
以前の記事
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
最新のトラックバック
太平記を歩く。 その69..
from 坂の上のサインボード
太平記を歩く。 その68..
from 坂の上のサインボード
八犬傳(上・下)
from 天竺堂の本棚
2016年NHK大河ドラ..
from <徳島早苗の間>
明治日本の産業革命遺産の..
from 坂の上のサインボード
フォロー中のブログ
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧