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ガウディの命日に思い出したスペイン視察報告。

ガウディの命日に思い出したスペイン視察報告。_e0027240_1941097.jpg今日、6月10日は、あの、アントニオ・ガウディが亡くなった日なんですね。

実は、私はね数年前、あるミッションの一員に加わって(紛れ込んで?)、サグラダ・ファミリアがある、スペインバルセロナに行ったことがあるんですよ。

以下は、私の帰国翌日に書いた帰朝報告です。
つまらないものですが、もしよろしければ、ご参考までに・・・。

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つらつら考えますに、バルセロナ市と我が福岡市は、人口も150万140万、共に二千年の歴史を持つ港町です。
(バルセロナは、ちょっと前まで170万だったそうですので減少傾向と増加傾向ということを考え合わせれば、ほぼ同規模かと。)
バルセロナは、古代から人が住んでた形跡はあるものの、歴史に名前が出てくるのはBC1世紀ローマ人による植民からであり、また、中世、バルセロナがブルボン朝の監視下にあったことも、徳川幕藩体制の中で博多が統治者としての福岡藩の監視下にあったこととも共通しているようにも思えました。
ただ、違うのは、この地域は、独立の気風が強く、今でも、独自の言語であるカタルーニャ語を尊び、カタルーニャ語でないと肩身が狭いとか、看板なども行政から補助が出る・・・などという話もあるそうです。
A・ガウディという人も、ちょうど、興隆しつつあったカタルーニャ国家主義というものの影響を強く受けた人だそうです。

ガウディの命日に思い出したスペイン視察報告。_e0027240_198384.jpg実は私はご存じの通り、中世以前の城郭建築などには大変、興味があるのですが、コンクリートという、極めて加工に制限のない素材の普及と言う点で、近代建築には否定的なまでに興味がなく、これが当初スペインに全く魅力を感じなかったことの一つだったのですが、ところが、やはり、百聞は一見にしかずで、現物を見て、否応なくガウディだけは別格なんだということに気づかされました。

まさに、ガウディの前にガウディ無し、ガウディの後にもガウディ無しとの感を強くし、今はひたすら、己が浅慮を恥じ入っている次第です。

ガウディの命日に思い出したスペイン視察報告。_e0027240_1952614.jpg(こちらの建物は、地震と湿気がないこともあり、コンクリート構造ではなく、石灰セメントによる煉瓦の結合だけの構造だそうで、薄い5cmくらいのタイルの庇(←)の上に大人8人くらいが乗ることができるそうです。

もちろん、アーチ型という構造的なものもあるそうですが、それ以上にこの石灰セメントというものの存在が大きく、これは30年を過ぎて初めて強度が出てくるという、コンクリートとはまるで逆の効能があり、これがガウディの作品を始め、古くなった建築物を成り立たしめている大きな要素だそうです。
もっとも、サグラダファミリアも最近の建築部分はすべて、鉄筋コンクリートに変えられているそうで、説明をしてくれた、日本人で現地に住みついて、ガウディの研究をしているというガウディ研究第一人者の方も、これには大きなクエスチョンをつけてました・・・。)

また、東へ東へと拡大していくEUというものを最西国としてどうみているのかなど、知りたかったことも多々ありましたが、この点でも、現地日本法人の方に、スペインの特殊な労働法なども含め、突っ込んだ話を伺えたことは私には何よりの収穫でした。
ポーランド人などはEUの拡大前からスペインなどにも結構いたらしく、ウクライナまでいけばともかく、日本人を知らない人はいてもポーランド人を知らないスペイン人はいないとのことでした。
この点、中国の北端と南端の人のような互いの存在も知らなといった感覚ではないようだという感を強くしました。

ということで、他にも多々、想うところありしも、哀しいかな、昨夜帰って、とんこつラーメン食べて一杯やってしまったことで時差ぼけというよりも、二日酔いでまだ、頭働かず状態となっており、どうやらもう一杯一杯のようで、委細はまた、後日とさせていただければと思います。
まずは取り急ぎ御礼まで。
乱筆乱文ご容赦。
----------------------------------------------------
お粗末!

ガウディの命日に思い出したスペイン視察報告。_e0027240_19134857.jpg←で、最後に、こちらは、サグラダ・ファミリアではないのですが、ガウディの建築物の中で、私が一番、感じいったものです。

これ、何だかおわかりになりますか?

ただの広場ではないんです。

バルセロナと言うところは、地中海性気候の為、あまり、雨が降らず、その為、雨水というのは貴重なモノだそうで、それで、ガウディは、この広場の下に貯水槽を設け、結果、ここに降った雨は、この広場の土で濾過されて、下の貯水槽に溜まる仕組みになっているのだとか・・・。
人々の憩いの広場・・・、雨水集めるスペース、そして、濾過槽・・・。
一石二鳥ならぬ三鳥・・・。
感嘆しましたねー、この発想には。
                                 平太独白

by heitaroh | 2006-06-10 08:50 | その他 | Trackback(1) | Comments(6)
Tracked from 音沙汰なき日々の過ぎ方 at 2006-06-11 17:12
タイトル : バルセロナ コロニア・グエル
駅からコロニア・グエルまでは足跡をたどって カタルーニャ鉄道の線路沿い、コロニア・グエル駅のすぐそばに、実業家エウセビ・グエルの所有だった繊維工場の建物が見えている。1890年以降にバルセロナ市内から引っ越してきた工場に隣接して、労働者の居住区として建設された一帯がコロニア・グエル(Colònia Güell)。 居住区そのものの所有者はオーナーのグエルだったけれど、生活共同体としてだけでなく、文化的共同体を労働者が主体となって築き上げるという試みに、人びとは希望をもって町づくりに励んだにちがいな...... more
Commented by achici at 2006-06-11 17:21
トラックバック返しさせていただきました! グエル公園は、私もバルセロナでいちばん気に入った場所のひとつです。ガウディの建築、外観だけでなく機能的にも画期的だったのですね。構造上のことは知らなかったので、heitarohさんの記事は参考になりました。
Commented by へいたらう(管理人) at 2006-06-11 19:23 x
>achiciさん

初めまして!
TB並びにコメント有り難う御座いました。

あの公園は、意外と知られてませんよね。
サグラダ・ファミリアばかりが有名で・・・。
私もただ、行っただけなら、まあ、何だか形が変わった公園だな・・・という認識だったのでしょうが・・・。
やはり、説明を聞くと・・・ホントに驚きました。

ということで、これに懲りず、今後ともよろしくお願いします。
Commented by ame-no-michi at 2006-06-12 11:30
TB&コメントありがとうございます。
とても懐かしいですね。
予定では2020年にはサクラダファミリアも完成ようですが、
その際は、改めて企画したいと思います。
お楽しみに。
Commented by へいたらう at 2006-06-12 15:18 x
>ame-no-michiさん

こちらこそ、コメント有り難う御座いました。

2020年ですか・・・。
私はそれまで生きてないと思いますが・・・(笑)。
前倒しで前祝いしましょう(笑)。
Commented by mohariza6 at 2010-11-03 02:15
今回の貴記事を初めて読ませて頂きました。

ガウディの建築とバルセロナ(人)の気質等、よく捉えていると思いました。
ガウディの建築の独創的で自由な形態は、ある種、カタロニアの煉瓦職人の腕で築かれた部分があることは事実で、その点を理解されていると感じました。

現代では、その様に自由に操る職人は少なくなり、かつ、ガウディも、コンクリート造(RC造)については、当時も知識を持ち、その自由性を知っていたので、色々批判がある「サグラダ・ファミリア教会」のRC造による建築継続も、本人にとって、異存は無いように感じています。

但し、ガウディ(及び当時の弟子を含めた…)の独創的な形態・色・材質感等を、現代人が、そのエキスを呑み込み、現在の建設に活かしているか?は疑問があります・・・。

以後、「ガウディとサグラダ・ファミリア教会」についての考察等は、弊ブログで、後日記します・・・。
Commented by heitaroh at 2010-11-03 10:50
<mohariza6さん

私も簡単に感じたことを書いただけですので、今読み返すと、もう少し、きちんとまとめておけば良かったな・・・という観をもちました。
このような物を専門家にお見せしてしまい、お恥ずかしい次第です。
ガウディの建築はその凝った意匠にばかりあるのではなく、こういう、「工夫」にこそあると感じたので、備忘録的に書いておきたいと思ったのでしょう。

当方も、ちと、目下、多忙にしておりますので、また、落ち着きましたら、改めて拝見させて頂きます。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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