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残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡
残暑お見舞い申し上げます。
残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19130630.jpg
最近、どういうわけか、盆に一日だけ早朝に目が覚めるときがあり・・・。
数年前、ふと、思い立って、大宰府政庁跡から、歩いて、太宰府天満宮まで行ってきました。
昼間は賑わう観光地も、早朝の時間帯であり、ほとんど、無人・・・。
残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19253877.jpg
(↑九州名物、「離合」(笑)。)

もちろん、両方とも行ったことはあるのですが、その間を歩くというのは初めての経験で、いろいろ、発見もあり、新鮮でした。
で、今年も、早朝に目が覚めたのですが、行こうと思っていた菅原道真が謫居した榎社都からの赴任者の官舎のうち「南館」)少し前に行ったし。
しばらく、布団の中で考えていたのですが、「そうだ、国分寺へ行ってみよう」と。
残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19242356.jpg

国分寺とは、天平時代の741年、聖武天皇が旧諸国に建立した寺院のことで、福岡県には筑前国分寺と筑後国分寺と豊前国分寺があります。
このうち、私が行ったのは筑前国分寺ですね。

残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19250317.jpg
(↑国分寺跡には基壇が再現されているが、瓦で造られているのは興味深かった。ちなみに、草履でここに上がったら、足元がびっしょりに。福岡はこの時点で、もう一ヶ月近く雨が降ってなかったはず。なのに、しっかり、朝露が降りてる。盆地なので寒暖の差もあるし、農産物には適してるだろうなと思った。


国分寺は、正確には、男僧の国分僧寺と、尼僧の国分尼寺に別れており、せっかくならと、国分尼寺跡にも行ってみたのですが、ここで思ったのが、「なぜ、この場所なんだろう」と。

残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19272402.jpg
(↑国分尼寺跡。現在は農地になっており、礎石が一つあるだけと。)


確かに、国分僧寺からは近すぎず遠すぎずの実に絶妙な距離なのだけど、国分僧寺と比べ、あまり平坦ではなく、全体に勾配がついている。

ここに寺を建てるなら、まず、造成から始めなければならなかったはずで、いくら太宰府が盆地とはいえ、もっと平坦な土地はあったのではないかと。

水の確保なら井戸を掘れば良かったはずで。

で、思ったのが、もしや、両側に堀があったのではないか?と。

残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19590335.jpg
(↑今もため池から、勾配を利用して、こういうきれいな水が・・・。)

ただ、筑前国分尼寺に限ったことでもないでしょうが、大宰府政庁に近い国分僧寺と違い、こちらは外れに位置するわけで、当時はこんな所、夜は真っ暗では?
堀があると言ったところで、尼僧ばかりがこんな所にいたんじゃ物騒で仕方ないはず・・・。
と言って、尼寺に警護の兵を入れるわけにもいかず・・・。
残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19240389.jpg
で、目についたのが、この国分尼寺跡の横にあるこの丘(↑)。
勾配を利用して堀で囲んだ上で、ここに一定の兵力を駐在させ、睨みを利かす・・・だったのではないかと。
もっとも、「狼を追って虎を招き入れる」結果になったようにも思えるが。

残暑お見舞いの盆の早朝の筑前国分寺跡_e0027240_19263138.jpg

(↑古墳。帰ろうとして気付いたが、完全に道路で削られてる。こういうの見るたびに思う。道路を少しずらせないものかって。)


                平太独白

by heitaroh | 2024-08-17 20:30 | 歴史 | Trackback | Comments(2)
Commented by sakanoueno-kumo at 2024-08-26 15:36
堀で防御を固めたような大寺院の背後の山には、だいたい詰城のような砦があったはずです。
調べたわけではありませんが、お察しのとおりなんじゃないでしょうか?
山の中に入ったら、曲輪のような削平地や土塁などの痕跡があるかもしれませんよ。
Commented by heitaroh at 2024-08-26 18:01
> sakanoueno-kumoさん

背後の山は、おそらく、水城の一部を形成していたと思われ、ついでに警護もやっていたのでしょう。
むしろ、ご説でいけば、国分寺の背後にも砦があるはずで、調べてみたら、大野城の尾根がありましたので、おそらく、大野城から水城に至る山塊全体で保護していたのでしょう。
が、それで行けば、政庁跡から薬師寺なども警護せねばならず、戦乱の危機が去った後でもかなりの兵力を駐屯させねばならなかったような。
いずれにせよ、まったく整備はされておらず。
政庁跡の隣も最近、発掘調査がされたようなことを言ってましたから、あるいは、私有地なのかもしれません。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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