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鬼ノ城、鞠智城、金田城。白村江敗戦後の築城ラッシュ
さて、少し前のことになりますが、ちょっと、友人の初恋の人?探しツアーに同行して岡山県まで行く機会があり、かねてより、一度行きたかった鬼ノ城(↓)に行ってきました。

鬼ノ城、鞠智城、金田城。白村江敗戦後の築城ラッシュ_e0027240_18324435.jpg

鬼ノ城とは、白村江での敗戦後、パニックに陥った大和朝廷が、防衛のために対馬から畿内に至る要衝に次々に造った防御施設の一つだと言われています。
が、福岡県の大野城や対馬の金田城と違い、史書に記載がなく、ただ、発掘調査から7世紀後半のものだとわかっているだけの謎の山城です。
ただ、この時代、日本中、至る所に城が造られたことは事実で、中には熊本県の鞠智城(↓)のように、立派な割に、設置目的がどうにも得心がいかないものもあります。

鬼ノ城、鞠智城、金田城。白村江敗戦後の築城ラッシュ_e0027240_19010636.jpg
私はおそらく、大和朝廷にもそれほど明確な築城戦略はなかったのだろうと思います
パニックになって築城にゴーサインを出しただけ・・・と。

どこまで本当か知りませんが、対馬の金田城(↓)などは、わずかな日数で築城し、籠った兵力は十人程度だったという話も聞いたことがありますし。
鬼ノ城、鞠智城、金田城。白村江敗戦後の築城ラッシュ_e0027240_19170186.jpg
まあ、城なんてものは造っている間に敵が来たら意味ないわけで、おそらく、外側だけ先に造って・・・ということだったのだろうとは思いますが。

ただ、大和朝廷はそれでなくとも、海の彼方で兵力のほとんどを失うという大敗を喫した後。
西日本の国民からすれば、郷土の若者の大半を失った上に、このような負担を押し付けられ・・・では普通は反乱が起きますよ。
それが起きていないということは、ある程度、「危機」ということが、全国民的に共有されていたのでしょう。
この点は、島国であるということが有利に働いたのでしょうか。

その上で、持ち城を作りたくてたまらなかった地方豪族らに、好きなだけ、好きなように造って良いという号令を出した・・・と。
もちろん、負担を押し付けられる領民は塗炭の苦しみを味わったでしょうから、地域的には不満が爆発したかもしれません。
が、彼らの不満は大和朝廷ではなく、直接の支配者である領主に向かったはずで、国家的には反乱は起きなかったという言い方はできたでしょうか。
ま、それでも、無理はありますけどね。
                          平太独白

by heitaroh | 2024-06-18 19:23 | 歴史 | Trackback | Comments(2)
Commented by sakanoueno-kumo at 2024-07-09 22:00
おっ!
ここ行かれたんですね。
ここも全部見て回ろうとすれば1日がかりの城ですね。

吉備国は古代、畿内や出雲国と並んで勢力を持っていたといわれ、古墳が多く残っています。
畿内の古墳に勝るとも劣らない規模の古墳も見られ、古代吉備にヤマト王権に対抗しうる強力な王権(吉備政権)があったのではないか、という学説があるそうです。
それが本当なら、ここの城も、大和朝廷の歴史資料に残っていないのは、当然といえるかもしれません。

そんなことより、ご友人の初恋の相手探し旅行というのが、とても気になります(笑)。
Commented by heitaroh at 2024-07-11 11:34
> sakanoueno-kumoさん
そうなんですね。
私は一人なら、もっとゆっくりしたかもしれませんが、いかんせん、遠いので、友人を運転手代わりに連れて行ったもので。
犬走りがあって、排水計画がちゃんとしているのに驚きました。
何かヒントは無いかなと思いましたが、当時とは海岸線も違うようですし(倉敷辺りはまだ、海中ですよね。)、さすがにお手上げでした。

友人の初恋の人の話も、さすがに、鬼ノ城と一緒で古すぎて何もわかりませんでした(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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