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日露戦争と福岡人の奮闘に見る男装の女傑と人参畑!3
先日の続きです。

ところで、さらりと書き流しましたが、おそらくは、「玄洋社って何??」という風に思われたのではないでしょうか?
玄洋社とは、知る人ぞ知る、右翼の大巨頭で筑前福岡藩出身・頭山 満翁ら、「旧福岡藩士が中心となり、明治14年(1881年)、国権主義、天皇中心主義、大アジア主義を掲げ結成された国家主義的な政治団体」だそうです。
もっとも、「単純な右翼とは異なりアジア共同体を構築するためにアジア各国の独立運動家たちを積極的に支援。1946年(昭和21年)、GHQによって解散させられた」と言いますが、戦前は政治家などに対するテロリズムで恐れられた団体であり、現在のいわゆる右翼団体も、多かれ少なかれ、その流れを汲む物だとか・・・。

日露戦争と福岡人の奮闘に見る男装の女傑と人参畑!3_e0027240_19284958.jpg実は、この頭山 満という名前は、私にとっては、子供の頃から、ある意味、慣れ親しんだ名前でもありました。
もちろん、私如き小市民がお近づきになるわけもなく、私が慣れ親しんだのは人物ではなく、あくまで名前の方です(笑)。

←それが、こちらの石碑です。

これは、うちの近所に、私が物心付いたときからある石碑なのですが、「人参畑塾跡」と書いてあり、頭山満書と副書してあります。
私は、子供の頃からこれを見て、「ずやま・まん?とう・さんまん?あたまやま・みつ?何?人の名前??」って思ってました(笑)。

今では、オフィスビルが建ち並ぶこの辺りも、元々、明治の頃までは、近くに神社があるだけの取り立てて何もないところだったようで、江戸時代には、財政難に喘ぐ福岡藩が殖産興業の一環として、足軽数名を入植させ、高麗人参の栽培に従事させたところから、辺り一帯を「人参畑」と呼ぶようになったのだとか・・・。
(私が小学校に上がるくらいまでは、上人参町、中人参町、下人参町という名が残ってました。)
もっとも、人参畑事業自体はあっさり頓挫したみたいで、入植させられた足軽たちも、その後、どうなったのかはわかりませんが、幕末の時点で、この地域には数軒の人家があったと言いますから、あるいはそのうちの何人かは、そのまま、ここに残り続けたんでしょうか。
(少なくとも、私が知る限り、それらの子孫という方はいらっしゃいませんが。)

で、ここに、幕末頃、高場 乱(たかばおさむ)という女傑が私塾を開いたそうで、それが「興志塾」、通称、「人参畑塾」と呼ばれ、当時のいわゆる壮士と呼ばれる人たちが集い、梁山泊のごとき様相を呈していたとか・・・。
高場 乱と言う人は、元々、眼科医だったそうですが、幼き日から男として育てられ、生涯を「男装」で通した奇人であったと言います。
(通称、「人参畑の婆さん」としても知られていたとか・・・。)
彼女は、実際、相当に肝の据わった「男」だったようで、塾生への講義には、一切、書物を用いず、何時間も熱く道理を説いたといいます・・・。
世代的には、吉田松陰の1歳下だったと言いますが、男性と女性、静と動、正と奇、短命と長命・・・、相通ずるものなど何もない、正反対のような両者でありながら、二人に同時代人の空気を感じるのは私だけでしょうか・・・。

で、その人参畑塾で、若き日に学んだのが、「日本の右翼を作った人」と言っても過言ではない頭山翁であったわけで、翁をキリストに例えるなら、高場 乱という人はさしずめ、マリア様みたいなものだったでしょうか(笑)。
                            平太独白
by heitaroh | 2006-04-17 08:32 | 歴史 | Trackback | Comments(2)
Commented by Sarhto at 2006-04-15 18:39
[玄関]・▽・)ノ おじゃまします♪
どうも・・・(*'-')o(*,",)oぺこり
ここ最近、ちゃんとしたコメントがかけず
本当にすみません・・・
後1週間ほどで切り抜けられるので
どうか見捨てないでやって下さいまし(><)

応援ポチ凸~ c=(・ェ・o) と連打~


Commented by へいたらう at 2006-04-16 21:18
>Sarhtoさん

いえいえ、とんでもない・・・。
ご多忙中にも関わりませず・・・。
いつも、感謝しております。

有り難うございますですw
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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