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阪神、金本選手の世界記録達成に見るプロスポーツの本質!
親愛なるアッティクスへ

以前、平太郎独白録 「WBC、世界一に想ったアストロ球団のひたむきさに昭和を見た!」の中で申し上げたことなんですが、決勝のキューバ戦で、ヒザに爆弾を抱えている松中浅い犠牲フライで懸命に走ってましたし、エラーをした川崎怪我を恐れずに本塁突入してましたよね。
あの、シーズン前だ・・・などという、こざかしいことを誰も考えていない、ただ、がむしゃらに目の前の勝利を追いかけている、そんな、ひたむきなプレーに、多くの人が感動したのではないでしょうか?
パ・リーグセ・リーグへの吸収合併問題選手の年俸高騰問題・・・等々、ファンサービスの充実云々以前に、プロの選手は、すべてこの原点をもう一度、見直してみる必要があるのではないか・・・。
「怪我をしないようにプレーをするのがプロではなく、怪我をするかもしれないようなプレーで怪我しないのがプロ」だと・・・。

で、先日、USJに行った折り、その行き帰りの新幹線の中で、西鉄ライオンズの伝説の大投手、稲尾和久氏の自伝「神様、仏様、稲尾様」という本を読破しました。
その前書きの部分で、「完投した翌日に救援で、とシーズン42勝の舞台裏を説明すると米・大リーグの関係者には「クレージー」といわれたし、今の日本球界でも投げ過ぎとあきれられるだけだ。
 しかし、いまはなき西鉄ライオンズの不思議に根強い人気を思うとき、「バカになれた時代」の幸せを思う。
 後先考えずに投げ続けた私の投手としての盛りはプロ八年目の昭和三十八年で終わったといってよく、もっと肩を大事にしていたら、と残念がってくれる人もいる。それは違う。10勝を二十年続けたところで「勤続表彰」はしてもらえても「神様、仏様‥‥‥」とはならなかった。
 日本のプロ野球がつまらなくなったといわれる。もしそうだとすると、投手は怪我を恐れて投げなくなり、打者は監督の指示を着実にこなすだけのコマに、と妙にこざかしくなったところに原因があるのではないか。」と言っておられましたが、ほぼ、私の言いたかったことと重なると思います・・・。

また、後書きの部分には、「球団親会社は多少の赤字宣伝になるのだからと大目に見て、選手本当のファンサービスとは何かを忘れてきた。
 西鉄ライオンズが苦しくなり、太平洋クラブライオンズとなったとき、球団は本物のライオンを球場に連れてきて、ファンの歓心を買おうとした。日本のファンサービスはとかくこうした筋違いの方向に走りやすい。しかし本当は本業いいプレーを見せること。「サプライズ」がある記録を残すこと。我々選手にはこれしかないのだ。
 人に「クレージー」といわれるようになるまで、私をマウンドに送り出してぐれたのは極端な話、監督でもコーチでもなかった。ファンである。正直、肩が張って「今日は無理かなあ」と思っても、あの懇願にも近い声援を受けたら、投げずにはいられなかった。
 ファンからみると、稲尾というのは先発投手だけれど、いつでも呼べば出てくるぞ、ということで球場に足を運んでくれたわけだ。
 えりすぐられた者の代表として、持てる力を惜しみなく出し続けるより以上のファンサービスはない。だから私だけでなく、王・長島オープン戦からずっと試合に出続けていたのだ。」と。
私は、この部分にこそ、プロスポーツというものの本質があるように思うのです。
プロは自分を見に来てくれるお客さんがいる以上は、試合に出なければならないものだと・・・。

かつて、コメディアンの伊東四朗さんは、舞台から転落して、足を折る大けがをしたときも、興行主からは、「伊東さん、生きてるんでしょ?だったら出してよ!」と言われたとか・・・。
球場に、長島を見に行って、「長島は今日は、欠場・・・。」と言われたら、それはやっぱり、「話が違う!」とまでは思わないにしても、「何だ、つまんねえ・・・」とはなるわけで・・・。
さらに、私が子供の頃、大人気だった、キックボクシングは、当時、人気絶頂!と言っても、その実態は、「キックの鬼」と呼ばれた沢村忠氏で成り立っている、言うならば、沢村忠一座だったと言います。
ただ、となれば、沢村が出ないと言うことになると興業的に成り立たないということにになり、特にテレビ中継が始まってからは、格闘技という過酷なスポーツでありながら、毎日毎日、来る日も来る日も、怪我していようが何であろうが、沢村はリングに立ち続けたそうです。

その意味で、先日、阪神の金本知憲選手が達成したフルイニング出場世界記録というのは、球場に足を運びさえすれば、「金本が見られる!」という、プロ選手として外せない、本質的な原点だと思うのです。
しかし、ここで、見逃してはいけないのが、金本選手は、「ただ、記録を作る為に試合に出続けたわけではない」のだということです。
しかも、フルイニング出場というものは、ただ、打つだけ、守るだけ・・・の選手では、出来ないわけで、試合に出て、しかも、打撃でも、守備でも、走塁でも、誰も文句の付けようのない「結果」を残しているわけで・・・。
そう考えれば、この記録の凄さが、改めてわかるような気がします。

かつて、衣笠祥雄選手が連続試合出場記録を続けていたとき、前日の試合で骨折して、代打での試合出場となったそうですが、打席に立った衣笠選手は、最後は全力フルスイングして三振したとか・・・。
当時の古葉監督は、「彼が振ってくれたから、翌日からも、試合に出すことが出来た。」と言い、衣笠選手本人も、「打席に立った以上は、振るのは当たり前。その為に出てるんだから。」と言ってました。
以前は、よく、記録やタイトルがかかった最終戦などで、ファン無視で敬遠を連発するという姿を見かけましたが、ファンが納得してくれない記録というのは、所詮、自己満足に過ぎないという・・・。

また、稲尾さんの自著に書いてあったのですが、稲尾さんのロッテ監督時代、肘を故障後、手術して復帰した村田兆治投手は、医者から「100球以内!」と厳命されていたにも関わらず、無失点に抑えていた試合で稲尾監督が「100球になったから」と言って替えようとすると、血相を変えて拒否したと言います。
いくら、「無理するな!」と言っても、「壊れても、本望です!」と食い下がり、結局、155球を投げて、2点を取られたものの見事な完投勝利を飾ったとか・・・。
肘が壊れて、二度とマウンドに立てないことになるかも知れないのに、彼は毎試合100球づつ投げて勝ち星を重ねていくより、「完封」という勲章の方を選んだのだそうです。
この、村田投手にしても、稲尾投手にしても、衣笠選手にしても、そして、金本選手にしても、記録のために記録を作っているんじゃないということですよね。
遠くに球を投げるとか、速く走られるなどというのが、実際に人々の市民生活に無くてはならないものではないので、プロは、観客に感動を与えなければならないのです。

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by heitaroh | 2006-04-11 17:12 | スポーツ | Trackback | Comments(4)
Commented by Sarhto at 2006-04-12 06:55
[玄関]・▽・)ノ おじゃまします♪
おはようございます。
お仕事前にちょっときました。
ひとまず応援だけしていきます…
またゆっくり見に着ます。

応援ポチ凸連打


Commented by へいたらう at 2006-04-12 11:48
>Sarhtoさん

ご多忙中にも気に掛けて頂いて有り難うございました。
お陰様で、8位に入りました!
Commented by at 2006-04-13 17:37
まさにそうですね。


なんにしてもそうですが、自分だけのことを考えるやつは
たかがしれてます。

一己の雄であるひとは、自分のためでなく
大義をもって行ってると思います。

自分がそういう人間になりたいと思います。

難しいですけどね(笑)
Commented by へいたらう at 2006-04-13 18:17
>俊さん

稲尾さんは、講演などをしてまわったときには、いつも「最後はバカになったヤツが勝つ!」と言うそうです。
また、旧陸軍のバイブル、統帥綱領要項には、こう書いてあるそうです。
「まず計算し、しかる後、それを超越せよ!」

計算だけでも、最後は理屈じゃないってことになるし、ある程度は、計算もしておかねばならない・・・ということでしょうか。

大儀な話ですね(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱「財閥」の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

令和7年 19世紀ロンドンと東京。「描きたかったのは猟奇ではない。悲惨である」。「女王陛下の十手持ち」出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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