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私的壇ノ浦の戦い考察 その4 根緒城接収
前回の続きです。

間が空いたので、何を言いたかったのかわからなくなっておりますが、ま、適当に(笑)。

私的壇ノ浦の戦い考察 その4 根緒城接収_e0027240_11315060.jpg
それでなくとも、海には不慣れな坂東武者が主力の源氏軍。
そんな連中を木造手漕ぎ船に満載して、海上戦闘に慣れた平家軍に戦いを挑む・・・。
ましてや、武将級は30kg超とも言われる甲冑を着ての乗船ですから、迂闊に立ち上がって、よろめいたと思ったらそのまま転落死なんてこともあり得るわけで。
(先日、第二次世界大戦終戦時の佐世保港引揚者の記録を読みましたが、「もう大丈夫だ」という安心感からか、甲板で愛児を遊ばせていて落とした人や、上陸寸前になって、後ろからつめかけた人の圧力に耐えかねて落ちた人・・・などもいたらしいですね。「落ちたんなら、拾い上げてもらえばいい」ように思いますが、船からの転落はそんなに甘いものではないようで、すべて、転落=死だったようです。)

私的壇ノ浦の戦い考察 その4 根緒城接収_e0027240_12311716.jpg
(↑ハウステンボス。元はここが佐世保の引き揚げ港だったとか。)

まあ、坂東武者たちも、ここまで来る間に、船舶での航行というものは経験していたのかもしれませんが、軍勢を率いる源義経とて、海戦の経験は初めてだったわけで。
戦闘開始前に思わぬ事故を続発させてもならず、さらに、無事だとしても、船酔いで戦闘どころではない・・・。
もし、私が義経の立場だったとしたら、まず、考えるのが、戦闘地点までの移動距離を縮めること。
出来るだけ、会戦位置に近い所から乗船し、かつ、できるだけ、敵の方から近づいてきてもらうようにする・・・。

ここでわからないのが、もはや、根緒城に孤立する平家軍であれば、普通、源氏方としては籠城戦を念頭に置いて考えるはず。
であれば、彦島は海上封鎖するだけに留め、出来るだけ陸伝いに移動し、彦島に近づいた所で船に乗せ、潮の流れが弱まった時を狙って、最短距離で上陸、一部、兵を割いて海上から睨みを利かせる一方、義経自らは、そのまま、根緒城を攻略・・・ではなく、もはや、抵抗らしい抵抗もなかったでしょうから、接収し、そこにいる安徳天皇三種の神器を確保・・・というのが筋書きでしょう。
関ヶ原でも鳥羽伏見でも、それ以外の日本の全ての戦いで、非戦闘員である婦女子が戦闘現場には出てきて、一緒に自害した例は記憶にありません。
賤ヶ岳の戦いでのお市の方のように、本軍が外で敗れた後、城に火をかけて・・・か、もしくは、最初から籠城していて、落城とともに自害したというケースはあるでしょうが。)

私的壇ノ浦の戦い考察 その4 根緒城接収_e0027240_11595898.jpg
(↑「市、泣くでない。」)

少なくとも、関門海峡を越えてから、乗船することを考えます。
であれば、もし、戦場が壇ノ浦で間違いなかったとすれば、先に源氏が彦島に向い進発、むかって来るのを見て、平家軍も押し出した・・・ではなく、突然、彦島の平家の船団が動き出し、そのまま、進路を関門海峡方向へ向けてきたのを見て、源氏軍は慌てて乗船。
あるいは、平家としては、「死ぬなら、住み慣れた都で」ということになったのかもしれませんが、源氏軍は、意図が読めず、困惑するも、素通りさせるわけにもいかず。
(平家方の動きは、下関側には明治政府が砲台を置いた火の山がありますから、すぐにわかったでしょう。)

源氏水軍は、一旦、すぐ沖にある満珠島、干珠島に移動させ、船が苦手な者はここに上陸させ、平家水軍の動きを見る。
あるいは、関門海峡を突破すると見せかけて、反転して、再び、九州へ逃げることも考えられたでしょうが、そんなことをするくらいなら、最初から西に向けて漕ぎ出せば、源氏水軍では追いつけなかったでしょうから、その意味では、むしろ、ぎりぎりまで乗船時間を減らしたいというのが義経の本音だったと思います。
なお、両島の広さははっきりわかりませんが、近く(?)にある長府庭園といい勝負のようで、そちらが、約1万坪。
潮の満ち引きの具合はわからないのですが、写真を見る限り、広さは満珠島の方が大きいものの、こちらは結構な山になっており、人を休ませることができる浜ということになると、干珠島の方が広いようです。

私的壇ノ浦の戦い考察 その4 根緒城接収_e0027240_17382377.jpg
(↑関門海峡を越え、壇ノ浦に出た平家軍が見たであろう満珠・干珠の小島。)

と、思っていたら、平家水軍はまさかの関門海峡を越え、どんどん、こっちにやってくる。
こうなると、もはや迎撃しないわけにもいかないので、義経は乗船を命令、戦闘が始まったと。
おそらく、義経もすぐに、平家軍が華々しく散ろうとしていること、そして、その中にあった御座船の存在に気づいたでしょう。
が、鎧袖一触で、あまりに順調に進む戦況に、義経も少し酔ってしまった。
あまりにも勝ち過ぎた。
まさか、御座船の中にいた人たちが、これで、自分たちの運命を悲観し、安徳天皇と三種の神器もろとも、入水自殺を図るとは思わなかったのでしょう。
それが、「あ、え?うっそー」で見ている間に、ドボンと。

この辺が壇ノ浦の戦いの真相だと思うんですけどね。
                        平太独白

by heitaroh | 2022-09-01 07:02 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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