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私的壇ノ浦の戦い考察その3 源氏軍海上基地 満珠・干珠
前回の続きです。

彦島に、まとまった兵を陸揚げできる浜(今、気づきましたが、「浜」って、サンズイに兵と書くんですね。元々、兵を上陸させる地点という意味だったとか?)が、どの程度あったのかはわかりませんが、平家とすれば、屋島で、同様の条件下で、源義経に奇襲され、敗退した苦い記憶がありますし、ましてや、兵力が激減した現状では、到底、島に籠って迎え撃とうという気力はなかったでしょうね。

私的壇ノ浦の戦い考察その3 源氏軍海上基地 満珠・干珠_e0027240_18350429.jpg
(↑月夜の下関港から見る対岸九州側。もちろん、当時はこんな灯りはなかったでしょうが、滅亡までの日々、平家の人々はどんな思いで、この景を見たのでしょう。)

その上で、前回、源氏方が、どこから船出してきたのか?は謎ですが・・・と申し上げましたよね。
私的壇ノ浦の戦い考察その3 源氏軍海上基地 満珠・干珠_e0027240_10405561.jpg
上図の右上、一番奥まった所にちょうど折れ曲がったような所ありますが、ここは河口で、おそらく、当時の海岸線はもっと奥まった所にあったとは思います。
が、それでも、しっかり、山塊があるので、仮に当時は島だったとしても、それほど極端に内陸でもなかったでしょう。
したがって、パッと見はそこのような気もしますが、おそらく、実際には少しでも航続距離を少なくするため、中央ちょっと上の長府港辺りから乗船したのではないでしょうか。

私的壇ノ浦の戦い考察その3 源氏軍海上基地 満珠・干珠_e0027240_18342180.jpg
というのは、戦国期、瀬戸内海を東上した毛利の水軍は、播磨国(現・兵庫県英賀(↑かつては浜でした。)の地に上陸したものの、船酔いで動けなくなっていたところを、黒田官兵衛(如水)に奇襲を受け、一敗地に塗れているからです。
もちろん、それよりは航行距離も短いとはいえ、南船北馬ならぬ、西船東馬で、海戦になれた平家方と違い、源氏武者は海戦にはまったく不慣れで、(そう考えれば、平家の武士はともかく、都落ちしてきた安徳天皇やそれに付き従う女官たちなどは、一直線に九州鹿島城へ・・・というわけにはいかなかったでしょうね。安徳天皇も「もう、船は嫌じゃ」と駄々をこねたかと。)そこで、出てくるのが、満珠島干珠島という、壇ノ浦に浮かぶ二つの小島の存在です。
私的壇ノ浦の戦い考察その3 源氏軍海上基地 満珠・干珠_e0027240_17280424.jpg
(↑満珠島・干珠島の上空から見た関門海峡方向。中央上、赤いポインターが根緒城。ちなみに、満珠・干珠というのは、一般に左が満珠、右が干珠と称されているようですが、厳密にはどちらがどちらとは決まっていないようで、したがって、ここでは海中に浮かぶ二つの小島のうち、左側にまとめて、満珠島・干珠島と記載してあります。)
                         平太独白

by heitaroh | 2022-06-23 18:41 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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