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「鎌倉殿の十三人」の菅田義経は白眉の大河ドラマ史上最高の義経!
大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」での菅田将暉くん演じる源義経、ついに、最期を遂げましたが、最後まで、白眉だったと思いますね。
おそらく、大河ドラマの義経史上、最高の義経だったと思います。
で、そこまで考えて、「はて、大河ドラマで印象に残る義経って誰がいたっけ?」と。

「鎌倉殿の十三人」の菅田義経は白眉の大河ドラマ史上最高の義経!_e0027240_15483434.jpg
(↑伝義経の兜。)

源頼朝「草燃える」での石坂浩二さんのイメージが強いんですが、このときの義経は確か、国広富之さん。正直、石坂頼朝に隠れてしまって、あんまり記憶に残っていません。
で、義経と言えば、初代の尾上菊五郎 (7代目)さんは正直、私も覚えていません。
(私の記憶にある最初の大河ドラマは「天と地と」からです。)
そうなると、やっぱ、昭和47年の新・平家物語」での志垣太郎さんかなぁ・・・と。

で、そこまでさかのぼったところで気が付きました。

そもそも、義経役は今回の菅田くんも含めて、わずかに7人しかいないんですね。

まあ、そもそも、源平時代自体、毎回、戦国と幕末ばかりだとマンネリになるので、他に挟むの無いしって感じで採りあげられてる観があり、したがって、元々、分母も小さいんでしょう。

「鎌倉殿の十三人」の菅田義経は白眉の大河ドラマ史上最高の義経!_e0027240_15500822.jpg
(↑伝義経の鎧。確かに、小柄なのですが、当時の人の体格を考えると、それほど小さくもないのかなと。義経が小柄ではなかったか、それとも、義経の物ではないか・・・でしょうか。)


で、「鎌倉殿の十三人」の義経で一つだけ思ったのが、鎌倉攻めの戦略を北条義時に開陳する場面。
あれ、「炎立つ」(1993)での野村宏伸くんも同じようなこと言ってましたが、何か伝承でもあるんですかね。
私は、当時、それを聞いて、「おいおい、そりゃないよ」と思いましたよ。
菅田義経も野村義経も、船で太平洋岸を南下し・・・というものでしたが、机上の空論以外の何ものでもなく、私は、明治2年(1869年)に、旧幕府軍艦が新政府軍艦隊を襲撃し、惨敗した宮古湾海戦を想起しました。
(このときも、旧幕府側艦隊は当初、3隻で襲撃の予定だったのが、暴風雨に巻き込まれ、結局、到着した1隻で襲撃を敢行。あっさり、敗北を喫しています。)

「鎌倉殿の十三人」の菅田義経は白眉の大河ドラマ史上最高の義経!_e0027240_15543228.jpg
ましてや、当時の操船技術では、絶対、無理。
確かに、義経は屋島の戦いの折、嵐の紀伊水道を渡った実績がありますが、それとは、距離も海洋も比べ物になりません。
1隻ならともかく、最低でも屋島同様、5隻150騎の船団が、石巻から出航したとして、房総半島を回って三浦半島沿いに北上し、鎌倉まで400km、屋島の10倍近い距離ですよ。
今でも、仙台~名古屋間のフェリーが24時間近くかかるみたいですから、単純に石巻~鎌倉は10時間。
仮に、ぎりぎりまで陸地を南下し、いわきから出航したとしても、250km、単純に6時間でしょうか。
(距離、時間は、かなり、ざっとした数字です。そもそも、仮定の話ですから、十分でしょう。)
これを親潮に逆らい、風力と人力で漕いでいくわけですから、途中、敵地に何泊しないといけないんだって話。
それどころか、実際には、まず、出た瞬間に親潮に流されて、三浦半島ならぬ、カムチャツカ半島行きでしょう。

もう一つ、野村義経も言ってましたが、「内応がある」って話。
いや、これも、いざとなれば「話が違う」なんてことはよくある話で、そもそも、こんなあやふやな話を前提に作戦を練る時点で凡将以下。
それ以前に、義経の特徴は軍事的才能にあるのであって、こういう調略の類は元々、計算にすら入っていなかったでしょう。
                         平太独白

by heitaroh | 2022-05-23 07:54 | 音楽芸能 | Trackback | Comments(2)
Commented by sakanoueno-kumo at 2022-05-26 23:05
なるほど。
たしかに、そう考えれば机上の空論ですね。
そこまで深く考えてあのシーンを見ていなかったです。
まあ、史実だとも思っていませんでしたが。
この話になにか出典があるとしたら、おそらく、義経の戦いは一ノ谷といい屋島といい、いつも奇想天外なところから攻めてくるから、もし義経が鎌倉を攻めるなら、きっと誰も考えなかった海から攻めただろう、という想像で生まれた伝承なんじゃないかと。

わたしも菅田義経、最高だったと思います。
彼はきっとそう遠くない将来、大河の主役をやるでしょう。
彼を主役に抜擢するときには、ぜひ脚本、演出共に最高の布陣で望んでほしいですね。
しょうもない作品の主役になったらもったいない。
Commented by heitaroh at 2022-06-01 00:17
> sakanoueno-kumoさん
>彼はきっとそう遠くない将来、大河の主役をやるでしょう。

いや、ぜひ見てみたいですねぇ。
高杉晋作なんていいんじゃないですか?
高杉晋作が主役の大河はまだないわけで。

それと、頼朝が義経の首櫃を前に、泣きながら語り掛けるシーンは、あの演出はないですよね。
他が良かっただけに。
あそこは、ただ、黙って無表情のままで、わずかに唇を震わせるか、もしくは、大泣きした後に、一転して、「腹減ったな」とか言わせ、後にポツンと首櫃があるとすべきでしたよね。
あのベタな演出は三谷幸喜らしくないなと。
彼も、菅田義経と一緒に燃え尽きたんじゃないですか(笑)。
<< 私的壇ノ浦の戦い考察 その1 ... 菅田義経に敬意を表しての壇ノ浦... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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