さて、5月。今年も半分を経過しようとしております。
さあ、連休も終わり、今日から・・・と思ったのですが、どうやら世間はまだ連休のようで。
で、この連休(?)中、今年は割と本が読めました。
で、少々、今更ながらではあるのですが、香川照之著『中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記』読了しました。
何で今更?映画は?と言われそうですが、実は20年ほど前、友達が「一緒に見ようと思ってDVD買ってるから」と言ったので、爾来、待てど暮らせど20年、いまだにお誘いはなく(笑)。
で、もう、ここらで見切りをつけて(というよりも、きれいに忘れてました(笑)。子供の頃から好きだった加賀まりこさんの著書の中に、この本をもらったという記述があり、そういえば・・・と。)、DVD「鬼が来た!」を視聴。
映画自体は、当時、話題になったほどは、私にはインパクトはなかったのですが、これを見て、その後で出演していた香川照之さんの著書を読んで、改めて、思ったことがあります。
もっとも、この映画が撮られたのは、1998年。
今なら、まだ、多少は事情が違うのかなとは思いますが、何せ、まだ、鄧小平による改革開放が始まって、それほど日が経っていない頃ですからねえ。
で、文中、中国人の通訳で、通訳役の人が言った「ああいうやつらが山ほどいて万里の長城はできた」は深遠なる真理を実に的確に言い当てていると思う。
で、改めて思ったのが、昔、戦前の日本人満州馬賊の活躍を描いた横山光輝作「狼の星座」読んで、辻真先作、横山光輝画「戦国獅子伝」読んだとき、「満州は戦前までは、春秋戦国の頃と大差ない生活が続いていたんだ・・・」と思ったことがあります。さらに、昨年だったかに、森繁久彌の満洲からの引き揚げ体験記にソ連軍がなだれこんできたとき、「赤軍というから、みんな共産党員だと思っていたら、まったく違って、文明というものから隔絶された連中だった」という意味の記述を読んで、満洲からシベリアにかけてのあの辺は3000年前の世界そのままだったんだ・・・という感を持ちました。
でも、香川さんの著書を読み、これは、満州からシベリアに限定された話ではなかったんだなと。 少なくとも、中国内陸部からシベリアまでのユーラシア大陸内陸に共通する現象なのかもしれないと。
ちょっと言っていることが抽象的過ぎて、少々、わかりにくいかもしれませんが、内容的に、なかなか、はきとは言いづらい話でして・・・。
委細は香川の著書をご覧いただければと。
で、最後に、香川さんの著書の一節。 『一刀劉のヨボヨボした芝居は、本当にこれで良いのかという感じであった。花屋小三郎と薫漢臣の首を触っただけで「こっちは日本人」「こっちは中国人」と分かる彼が、では「日本人は殺す」と本当は言うところを、「中国人は殺す」とどうしても間違って言うので、監督が呆れ果て、「それじゃ話が終わっちゃうじゃないか!」と吠えるが、中国の森繁久弥の耳には届かない。おかげでこのシーンは途中で終わってしまった』と。
昔、日本でも映画「七人の侍」のとき、巨匠・黒澤明が左卜全に対し、何度も「いいですか、ここで泣くんですよ」と言うが、そのたびに「バハハハハ~」と笑うので、結局、そのシーン自体がなくなったということを思い出しました。
(その話は以前、上げましたので、詳細はよろしければこちらを。
→ https://heitaroh.exblog.jp/5370751/)
どこの国にも、大物はいるもののようで(笑)。
平太独白