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念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理
今、世上はアメリカ大統領選挙で一色ですね。
バイデンが勝利宣言をする場合、絶対に言わなければならない一言があります。
それは、「トランプ大統領のこれまでの貢献に感謝する。絶対に弾劾はすることはない。してはならない」と。
退任後、首を獲られることを宣言されている権力者くらい危険なものはありませんよ。
そのことは、シリアの現状がよく示しているはず。
法廷闘争ならまだしも、もし、アメリカで内乱など始まれば、その経済的、軍事的混乱は、世界大戦の導火線に火をつけることにもなりかねません。
まあ、トランプが勝てば勝ったで、また頭が痛い4年間になるのでしょうが。

さて、実は先日、まだ暑いころだったのですが、念願の千早城に行ってきました。
千早城といえば、楠木正成が籠城するくらいだから、さぞかしアクセス悪いんだろうなと、長年、遠巻きに見ていただけだったのですが、覚悟して行ったものの、入り口まで行ってしまえば案外に拍子抜けでした。

念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理_e0027240_16113114.jpg
まあ、鎌倉幕府軍は京都から歩いて行軍してきたわけでしょうから、我々、現代人と同じように考えるべきではないのでしょうが、そこまで考えてふと思いました。
何でここだったんだ?と。

念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理_e0027240_15471248.jpg
(↑以前、どこかでも同様の看板を見た気が。東京スカイツリーの完成以来、これが一つの基準となっているようです。)

そもそも、メディアもない時代、どうして、楠木正成がここで反旗を翻したとわかったんだろ。
こういう場合、一番いいのは、源頼朝の挙兵の時のように、敵の出先機関を襲撃することですよ。
できれば、そのまま、代官の首をあげてしまう。
そうすれば、敵としても威信にかかわるから、無視はできなくなる・・・。
しかし、楠木正成がそれをした形跡はない。
(あるのかもしれないけど。実は楠木正成のことはあまり、それほど知りません。)

念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理_e0027240_15462848.jpg
であれば、凋落気味の鎌倉幕府としては、あまりに遠方で堅固な城だと「捨て置け」で見て見ぬふりを決め込むかもしれません。
かと言って、兵力が寡少である以上、京都の近くまで出撃すれば、全滅の可能性さえある。
ここはやはり、何としても、敵にここまで来てもらわなければならない。
だからこその砦が赤坂城だったわけですね。
求心力が低下している鎌倉幕府としては、威信を示し、士気を上げるにはちょうどいい相手だったと。
つまり、赤坂城は幕府軍をおびき寄せるための餌だったと。
幕府軍は見事にそれに引っかかった。

念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理_e0027240_16280288.jpg
赤坂城で敗退することも、計算のうちだったんじゃないでしょうか。
勝ったことで味をしめた幕府軍は、次の千早城に攻めかかかり、ここで戦線は膠着状態に陥るわけですが、正成としては、もし、千早城も落ちたら、さらに次・・・とどんどん、金剛山のほうへとひっぱりあげていくつもりだったのではないかと。
まあ、そこはそう正成の思うとおりに、整然と展開したわけではないでしょうが、当時は、兵農分離前ですから、戦闘は冬に行われたはずで、前線が奥へ奥へと行けば行くほど、兵糧の補給も困難になったはず・・・ではないかと。

で、最後にこれ(↓)
念願の千早城登城で思う赤坂城決起は撒き餌の論理_e0027240_15503530.jpg
最寄りの富田林駅で降りたら、これ。
「何?」と思って、店の人に聞いたら、「あれはPL学園の塔です。ここは裏の丘からずっとPL学園が持ってますから」と。
PL学園といえば、大阪とは知ってましたが、てっきり、大阪市内だとばかり。
ガウディみたけりゃ、わざわざ、スペインまで行かずともここで見れるじゃないと。
                        平太独白

by heitaroh | 2020-11-05 07:36 | 歴史 | Trackback | Comments(6)
Commented by sakanoueno-kumo at 2020-11-13 11:31
千早城、行かれたんですね。
たしかに、有名な城ですが、わたしも行ってみると、山の中腹にある神社といった感じで、ちょっと拍子抜けでしたね。

>源頼朝の挙兵の時のように、敵の出先機関を襲撃すること

それが赤坂城だったんじゃないでしょうか?
前年の笠置山の戦いで後醍醐天皇が隠岐に流されたとき、赤坂城も幕府方に奪われていましたが、それを翌年に楠木軍が襲撃して奪い返しました。
そのとき、敵の代官の首をあげるまでに至ったかどうかはわかりませんが、赤坂城を奪還した正成は、その後、次々に和泉、河内の豪族を制圧して一大勢力となり、正成が京に攻め込むかもしれないといった報せが六波羅探題に続々と届き、幕府も無視できなくなって軍勢を向けた、というのが太平記の流れだったと思います。
まあ、『太平記』の記述がどこまで信用できるかはわかりませんが。

>赤坂城は幕府軍をおびき寄せるための餌だった
>千早城も落ちたら、さらに次・・・とどんどん、金剛山のほうへとひっぱりあげていくつもりだったのではないか

わたしもそう思います。
わたしは数年前に、楠木七城と呼ばれるこのあたり一帯の正成が築いたとされる城跡をめぐりましたけど、戦国時代の山城と違って、独立した山の頂上にある城ではなく、すべて金剛山系につながる尾根上にあるんですね。
その立地を考えると、これらの城はすべて砦で、本丸は金剛山だったんじゃないかと思いました。


Commented by sakanoueno-kumo at 2020-11-13 11:34
ちなみに、PL学園の塔ではありません(笑)。
通称「PLの塔」、正確には「PL教団の塔」です。
揚げ足を取ってスミマセン。
Commented by heitaroh at 2020-11-13 13:11
> sakanoueno-kumoさん
なるほど。
赤坂城はそういう経緯があった城だったんですか。
獲られたのを獲り返した城だけに、それがまた獲られたというのは獲り返しやすいと思われる反面、放置すると幕府の威信が傷つく・・・と。
格好の撒き餌ですね。
ただ、地理的なものを考えると、獲り返して引き揚げたらまた獲られる城であれば、ここに大軍を張り付けるのは現実的ではなく、幕府としては、思い切って放棄してもよかったのでは?
放棄できない何かがあったのでしょうか?


Commented by heitaroh at 2020-11-13 13:15
> sakanoueno-kumoさん
正確には「大平和祈念塔」ですね(笑)。
揚げ足を取ってスミマセンが(笑)。
ちなみに、PL学園は全然別の場所にあるんですか?
ここにあるんですよね?
店の人は「この裏の山から一帯が全部、PL学園の物です」と言っていたのですが。

Commented by sakanoueno-kumo at 2020-11-13 14:37
>放棄できない何かがあったのでしょうか?

そこは私もよくわかりませんが、おっしゃるように、幕府の威信が傷つくってやつじゃないでしょうか?
「太平記」によると、前年の赤坂城の戦いの際、幕府軍は赤坂城の大穴に見分けのつかない焼死体を30体ほど発見し、これを楠木正成とその一族と思い込んで関東に帰陣したといいますから、死んだと思っていたはずの正成に城を奪い返されたとなると、まんまと騙されていたわけで、幕府の威信を守るためにも、これを捨て置くわけにはいかなかったんじゃないかと。
たしかに、冷静に考えれば、楠木一党など放っておけばよかったのかもしれませんが、簡単にひねりつぶせると思ったんじゃないですかね。
この時点では、まさか足利高氏が反旗を翻すとは思っていなかったでしょうし。

PL学園はPLの党の3~4km北にあったと思いますが、その間にゴルフコースがあったと思います。
そのゴルフコースを経営しているのがPL教団だとすれば、そのお店の人の言ってるとおり、このあたり一帯が全部PL教団のものということになるでしょうが、すみません、そこはよく知りません。
Commented by heitaroh at 2020-11-13 15:22
> sakanoueno-kumoさん
焼死体は幕府軍も怪しいとは思ってたんじゃないですか?
何でもいいから、「勝った」という看板だけあれば、早く帰りたいというのが本音だったのでは。
そう考えれば、本当に赤坂城を奪取したのかどうかも怪しいところですね。

PL教団も含め、宗教はすごいですね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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