時節柄、話題は何と言ってもコロナウィルスなのでしょう。
病気そのものについては、多くを語る資格を持ってませんが、思うのが、日本はサーズ(SARS)のときに痛い目に遭わずに済んだことが、逆に今、対応の不慣れとなって跳ね返ってきていると思います。
本当ならサーズが治まった時点で、厚労省の担当官を派遣して、「事態が起きたときに行政が採るべき対応」を研究しておくべきだったでしょう。 もっとも、私が知らないだけで、政府はそういう対応をとったのかもしれませんし、あるいは、中国側が教えてくれなかったということもあるかと思います。
が、それでも、台湾、シンガポールなどの治験、対策を知り、情報交換をするだけでも、ある程度の心構えは出来たはずです。
(出来ているのかもしれませんが、少なくとも、検疫官が感染するなどという事態を聞く限り、少し疑問です。)
日本は元寇以来、波打ち際で撃退するというのが基本思想になっているようで、サーズのときのように、そこで撃退できれば強いけど、海岸線を飛び越えて空から直接、後方に降下された場合の対応は、実に心許ない気がします。
さておき、今回の件は、病気の蔓延ということと同時に、中国の「無視できない存在感」というものを改めて見せつけた形になったと思います。
思わず、世界恐慌でアメリカがイギリスから世界の主役の座を奪ったことを想起しますが、無論、そこまではないにしても、世界のサプライチェーンは大きく渋滞を見せ、中国人の消費を当てにしていた世界中の観光地が悲鳴を上げるまでになっていることは事実です。
(私は日本は今バブルで、東京オリンピック後の調整不況から、アメリカ大統領選挙後のアメリカのバブル崩壊で大爆発・・・というシナリオを予想してましたが、今回のコロナウィルスの蔓延はあるいはそれを早めることになるかもしれません。もはや、米中貿易戦争どころではなくなったような。思わず、三國志で対峙していた両軍の前に、イナゴの大群が襲来し、戦争どころではなくなってしまったという話を想起してしまいましたが。)
ちなみに、サーズのとき、私がたまたま、大手の総合病院に行ったら、玄関の前に、防護服を着た人が二人、椅子に座って、「SARSに感染したと思われる人や、最近、中国や東南アジアなどに出かけて、高熱が下がらない人は、ここで申告してください。」という立て看板を持ってたことがありました。
思わず、「そんなもん、こんなみんなが見ているような所で、一々、申告するか?」と疑問に思ったことがあります。
このときのことについては、こちら↓を見ていただきたいのですが、これを見る限り、当時から、シンガポールなどは既に万全の態勢をとっていたようですね。
そう考えれば、日本はこの間、何をやってたんだ・・・と。
結局、阪神大震災など、実際に災害に見舞われないと、何も動かない国なんでしょうが、逆に言うと、一度、そういう痛い目に遭うとその後の対策はちゃんとしているという国でもあるような気がします。
平太独白