昨日、我が、福岡ソフトバンクホークスの日本一で幕を閉じた今年の日本シリーズ。
・・・なんですが、私は常々、クライマックスシリーズというシステムには、かねてより、批判的でして・・・。
ただ、始まった頃に、「この制度はおかしい」と言ったら、「ソフトバンクが負けたものだから、そんなこと言ってる」とまるで耳を貸してもらえませんでしたので、今こそ、改めて、声を大にして言いましょう。
「この制度はおかしい!」
今年のシリーズほど、この弊害が如実に出ていたケースはなかったのではないでしょうか?
スポーツとは、優勝目指して全力でゴールに駆け込むのが本来の姿のはず。
それが、1ゲーム差からやり直し云々以前に、優勝するかどうか自体が二義的な問題ということになれば、3位以上になれることが確定した時点で無理する必要はなくなる。
無論、1ゲーム差はあったほうがいいはずなので、今年のソフトバンクが意図的にそれをやったとは言いません。
が、結果的に、柳田、バンデンハーグなど、シーズン中は故障でほとんど出なかった選手が、クライマックスシリーズと日本シリーズでは休養十分でバリバリやってたのに対し、巨人などは見るからに疲労感がありました。
日本人はとかく、原理原則というものを軽んじる。
(この点、事態に柔軟に対応した大久保利通と、原理原則を堅持した木戸孝允の違いでしょうか。確かに、木戸のようなことばかり言っていたら、明治初期のあの難しい時代に、無事の航海を続けることは難しかったでしょうが、反面、大久保があまりにも柔軟に対応しすぎたがゆえに、後の時代に禍根を残したとも言えないことはないわけで。)
こう言うと、「アメリカにもワイルドカードというのがあるじゃないか」と言われるかもしれませんが、あれと、日本のクライマックスシリーズはまったく似て非なるものです。
まずもって、球団の数がまるで違いますよね。
アメリカではプレーオフに進出できるのは、東・西・中地区それぞれの1位球団と3地区の中でもっとも成績が良かった2位チーム(ワイルドカード)が一つ。
詳しく調べたわけではありませんが、アメリカではリーグの球団数は3x6=18くらいあるはずですから、ワイルドカードでプレーオフに進出できるのは、各地区の1位球団3つを引いた15球団の中の一つとなり、つまり、15球団中1チームの計算。
(それに、日本のように3位になれば無条件でプレーオフに進出できるわけでもないのだから、手を抜いて2位を狙おうという考えもないはず。)
まあ、それ以前に、このくらいの倍率なら、2位チームが一つくらい混じってもいいかなと思うのですが、日本の場合は無条件で2位、3位チームまでプレーオフに行けるわけで、日本シリーズ進出の確率は6球団中3チームで、何と1/2!。
原理原則という意味では、これも以前から言っていることですが、もし、どうしてもやるというのなら、セの1位とパの2位、パの1位とセの2位がやる「たすき掛け方式」でないとおかしいでしょう。 (同リーグの2位の方が日本シリーズ進出チームより強いということは有り得るわけで。)
この点も、アメリカのそれに当てはめれば、もしかしたら、西・中地区の一位より、東地区の二位のほうが強いかもしれず、その意味では、三つの2位のうち、もっとも成績優秀の一つを加えて、本当に強いのはどこかを決める・・・というのはありだと思うんですよ。
で、最後にもう一つ。
クライマックスシリーズ導入の時点で言われていたことですが、本来、0.5ゲーム差で獲ったり獲られたりの激しいデッドヒートを繰り広げての優勝に一喜一憂してこそ、野球観戦でしょう。
(まさしく、今年の西武の劇的な逆転優勝かと。)
3位争いがデッドヒートして、そこに何の意味があるんですか?
平太独白