「西郷どん」にみる主人公中心史観の弊は必要なのかの疑問
今年の大河ドラマ「西郷どん」
ちまたでは、「言葉がわからない」などいろいろと不評もあるようですが、私的には結構、面白かったですね。
今世紀になってからの大河ドラマでは一番面白かったかも。
ただ、「面白かった」という過去形になっているように、後半になって何だかなあって感じになってきました。
まあ、一橋慶喜を悪者にするのもドラマの演出上仕方ないかなぁと思いますが、島津久光はすっかりバカ殿扱いですし・・・。
何より、見ててひっかかるのが、「西郷・大久保」と並び立つ両巨塔のもう一人、大久保利通まで低く貶めるのはいかがなものかと。

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西郷が得意とした単身、敵地へ乗り込んでの体当たり交渉。
西郷はこれを朝鮮でやろうとして征韓論政変に繋がるのですが(ていうか、このままだと征韓論政変も西郷の主張が正しかったということになるのでは?)、しかしこれが出来たのはやはり、「万一、斃れても後には大久保がいる」という安心感があったからではないでしょうか。
リリーフがしっかりしていいればこそ先発も安心して全力投球が出来る。
つまり、大久保の実力を誰より認めていたのが西郷ではなかったかと。
そのことは維新後の両者の足跡を見れば、何より雄弁に語っているように思います。

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(↑島津久光という人物は必ずしも暗君というわけではなかったでしょうが、どうにも舞台運に恵まれない人物であったことだけは間違いないでしょうね。名君の兄と比べられ、さらにその流れに連なる不仲の西郷隆盛が明治維新の立役者となったがために、「賢兄愚弟の田舎者」の構図が出来てしまった・・・と。)

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日本に総理大臣という制度ができる前なので、大久保を総理大臣に数えることはできませんが、日本に「政府」というものが確立してい以降、最初にその舵取りを担ったのが大久保であったことを考えれば、大久保こそ、日本で最初にして最高の「初代宰相」だったと思っています。
                      平太独白

by heitaroh | 2018-08-21 08:13 | 歴史 | Trackback | Comments(4)
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Commented by sakanoueno-kumo at 2018-08-27 21:37
わたしも、西郷より大久保贔屓なので、ドラマの大久保の描き方は少し不満です。
30年前の『翔ぶが如く』のときの鹿賀丈史さん演じる大久保が大好きだったので、そのイメージが強すぎるのかもしれませんが。
まあ、大久保の活躍はこれからなので、じっくり見てみたいと思っています。

この度のドラマを観るにあたって、昨年に司馬遼太郎の『翔ぶが如く』と海音寺潮五郎の『西郷隆盛』を20数年ぶりに読み直したのですが、両巨匠の西郷観、大久保観がまったく違っていて、とくに海音寺さんは西郷愛が強すぎて、大久保が気の毒になります。
司馬さんの『翔ぶが如く』が出るまでは、大久保はまだまだ嫌われ者だったんだなあということが、よくわかりました。
Commented by heitaroh at 2018-08-28 15:40
> sakanoueno-kumoさん

そういえば、ふと思いましたが、過去の大河ドラマで一番、大久保らしい大久保・・・といえばあんまり思い当たりませんねぇ。
案外に原田泰造なんて顔や雰囲気は出てたような。
でも、はまり役となると誰かいたっけ?みたいな。
やっぱ、西郷、坂本に比べるとどうしても地味なんでしょうねえ。
お説のとおり、「民のため」と「戦いの無い世の中を作るため」は大河ドラマの一つ文句でしょうが、昭和の頃はともかく、後者はさすがに73年も平和が続くと説得力無くなってきたように感じるのは私だけでしょうか。

同様に明治維新から150年も経つと河井継之助もすっかり名誉回復しましたし、大久保、川路ももうそれなりに郷土の英雄みたいですよ。
昔は「西郷の銅像をもう一つ造ろうと言えば予算がつくが、大久保の銅像では予算がつかん」といわれたそうですが。
ただ、他にも大山巌はまったく出ないし、西郷従道もあそこまで頼りないただの人に描かなくてもいいような。
Commented by sakanoueno-kumo at 2018-08-28 17:47
もう長いこと鹿児島には行っていないのですが、そうですか、今はもう大久保のことを悪く言う人はあまりいませんか。
維新100年の年に大久保像が鹿児島に建てられたとき、その除幕式の前後1週間、暴漢が壊しに来ることを心配して24時間の警備が付いたと聞きますが、いまはもうそんな空気はないんですね。

鹿賀丈史さんの大久保はダメでしたか?
わたしは好きだったんですけどね。
Commented by heitaroh at 2018-08-28 19:17
> sakanoueno-kumoさん

私もそれほど鹿児島に詳しいわけではないのですが、さすがにこの50年は大きいですよ。
長岡に行ったときも河井継之助記念館があり、小学生が引率されて郷土の英雄を見学しに来てましたからねえ。
博多でも100年目くらいの時までは旧藩主黒田家を悪く言う人も居ましたが、今は誰も関心が無いって気がします。

鹿賀丈史はだめではなかったのですが、それほど「はまり役」って気はしませんでしたねえ。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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