今年の大河ドラマ「西郷どん」。ちまたでは、「言葉がわからない」などいろいろと不評もあるようですが、私的には結構、面白かったですね。
今世紀になってからの大河ドラマでは一番面白かったかも。
ただ、「面白かった」という過去形になっているように、後半になって何だかなあって感じになってきました。
まあ、一橋慶喜を悪者にするのもドラマの演出上仕方ないかなぁと思いますが、島津久光はすっかりバカ殿扱いですし・・・。
何より、見ててひっかかるのが、「西郷・大久保」と並び立つ両巨塔のもう一人、大久保利通まで低く貶めるのはいかがなものかと。
西郷が得意とした、単身、敵地へ乗り込んでの体当たり交渉。 西郷はこれを朝鮮でやろうとして征韓論政変に繋がるのですが(ていうか、このままだと征韓論政変も西郷の主張が正しかったということになるのでは?)、しかしこれが出来たのはやはり、「万一、斃れても後には大久保がいる」という安心感があったからではないでしょうか。
リリーフがしっかりしていいればこそ先発も安心して全力投球が出来る。
つまり、大久保の実力を誰より認めていたのが西郷ではなかったかと。
そのことは維新後の両者の足跡を見れば、何より雄弁に語っているように思います。
(↑島津久光という人物は必ずしも暗君というわけではなかったでしょうが、どうにも舞台運に恵まれない人物であったことだけは間違いないでしょうね。名君の兄と比べられ、さらにその流れに連なる不仲の西郷隆盛が明治維新の立役者となったがために、「賢兄愚弟の田舎者」の構図が出来てしまった・・・と。)
日本に総理大臣という制度ができる前なので、大久保を総理大臣に数えることはできませんが、日本に「政府」というものが確立してい以降、最初にその舵取りを担ったのが大久保であったことを考えれば、大久保こそ、日本で最初にして最高の「初代宰相」だったと思っています。 平太独白