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ホリエモンにマキャベリ思う「好漢惜しむらくは兵法を識らず」
ライブドアホリエモンなる人物は、私は同郷(福岡県出身)でありながら、あまり、好きではありませんでした。
むしろ、私には、なぜ、彼があんなに支持されているのかが理解出来ませんでした。
(そういいつつも、欧米市場では、未だに「彼のような人物を排斥してはいけない」などというコメントがでる始末。杉村太蔵議員も然りですが、「率直さ」というのが、現代の若者に容れられるひとつのキーワードなのかもしれません。)
彼については、度々、ちらちらっと・・・触れてきましたが、別に彼のような人物は、今初めて出てきたわけではなく、金儲けがうまいだけの人間なら、以前からいたんですよね。
山崎晃嗣然り、森脇将光然り、横井英樹然り・・・。

マキャベリの言葉に、「幸運により国を得た者は、幸運が去る前に実体作りをしておかねばならない」とか言うのがありますが、彼は、球団買収に名乗りを上げたことで、一躍、時の人となるという幸運を手にし、期を逸することなく、時流に乗り、今の地位を手に入れたわけですから、その間に、「本業」と呼べる実体を築いておかねばならなかったのでしょう。
ただ、その点では、セシールを買収したりしてましたから、抜け目なく、手は打っているものとばかり思っていたのですが、実態は、やはり、マネーゲームの域を出なかったようですね。
もっとも、マキャベリも、先ほどの言葉の後に続けて、「だが、それは建物を建てた後に基礎を作るようなもので、特に優れた能力が必要である」と言ってます。
彼も、もう少し、本業から入った方が良かったのではないでしょうか・・・。
一方で、マキャベリは「武器無き預言者は滅びる」とも言ってますから、金儲けの大切さもしっかり指摘してるんですけどね・・・。

企業買収を続けていかないといけない・・・というのは錬金術以外の何ものでもなく(店舗展開をし続けていかねばならないというのも聞いたことがあります。)、言うならば、自転車操業的なものだったのでしょうが、一方で、テレビなどであれだけ、言いたいこと言っているわけですから、今更、内幕も言えないと言う・・・。
この辺は、創業者と呼ばれる人が陥りやすい心理でしょうか。
「あの人は、一代でここまで築いたのよ」、「大したもんだ。一代で自社ビルを建てたんだから・・・」などと言われていると、会社がおかしくなっても、「実は」と言い出すことが出来ずに、手形が落とせなくなっても、まだ、ベンツに乗り続ける・・・などと言うことになって、行き着く先は・・・。
これは、実際に私が見た事例です。

私如きが言うのも何ですが、実は、以前、申し上げました平太郎独白録 : 理論と実践は車の両輪!という記事は、堀江社長を念頭において書いた物でした。
彼は、言うならば、実践の人だと言えるでしょう。
理論だけの人は「自分では出来もしないくせに・・・」と言われ、実践だけの人は、「好漢惜しむらくは兵法を識らず」ということになり、いずれ行き詰まる・・・。
従って、金儲けも大事ですが、しかし、儲けてから何をするか・・・という思想の裏付けとなる理論を緊急に充塡する必要があったわけです。

「事業の中で金の占める割合は大きいが、全てではない」
今となっては、平太郎独白録 「我が心の師、大橋武夫氏の叱咤に想う秋霜烈日的ブログのヨロク!」も、彼にこそ、当てはまる物だったのかもしれません。

「いずれ、あをのけに高転びに転び申し候」
まだ、転んだと決まったわけではありませんけどね。
                                平太独白

by heitaroh | 2006-01-20 01:26 | 時事問題 | Trackback(4) | Comments(6)
Tracked from 親父の威厳BLOG.ver at 2006-01-20 13:14
タイトル : 管理体制の崩壊。
東証&ライブドア&ビザ恒久化問題。... more
Tracked from Born to Skip at 2006-01-20 14:40
タイトル : ライブドアグループ副社長自殺
ライブドア関連会社の役員だったエイチ・エス証券の野口英昭副社長... more
Tracked from zangtao at 2006-01-21 23:45
タイトル : 堀江社長を近く聴取 特捜部、不正経理ただす
ライブドアの関連会社「バリュークリックジャパン」(現ライブドアマーケティング)株をめぐる証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は19日、ライブドアの堀江貴文社長(33)や宮内亮治取締役(38)、岡本文人取締役(38)から近く任意で事情を聴く方針を固めたもようだ。  バリュー社による出版社買収や粉飾があったとされるライブドア本体の2004年9月期決算など一連の不正経理をただすとともに、違法性の認識などについても聴くとみられる。特捜部は既に、ライブドアマーケティングの小宮徳明前社長(42)らから事情聴...... more
Tracked from <徳島早苗の間> at 2006-01-23 02:36
タイトル : 塩野七生著・「マキアヴェッリ語録」読了。
 マキャヴェッリ(Niccolò Machiavelli, 1469~1527)は、イタリア、ルネサンス期の政治思想家である。代表作に、『君主論』、『ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考』『戦略論』など。理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治を宗教、道徳から切りはなして現実主義的な政治理論を創始した。 マキャベリズム 【Machiavellism】  1 :マキャベリが「君主論」の中で述べた政治思想。15~16世紀のイタリアを背景に、君主の現実主義的な統治を主張し、政治目...... more
Commented by たかっち at 2006-01-20 12:30 x
トラックバックありがとうございます。
虚業家は実業に手をだしたがるんでしょうね。中古車販売を始めたなんていうのも全体の利益から見れば微々たるもんですよね。かつてのソフトバンクがそうであったが、堀江氏もそろそろ終着駅を模索していたのかもしれません。
それにしてもマンションの耐震偽装にもいえることですが、日本人が目先の利益だけに飛びついてしまい、まっとうな商売をしようという本質から遠ざかってしまっているのが嘆かわしいかぎりです。タバコ一本吸うのにもルールを作らなければならない世の中は異常です。
人間って弱い生き物ですね。『みんな悪いことをやっているのだから自分がやっても大丈夫』と考えても、『みんな良いことをやっているのだから自分も良い行いをしよう』と考えることは少数派ですものね。
Commented by さゆみ at 2006-01-20 14:46 x
TBありがとうございました。
私も正直、堀江氏はあまり好きじゃありません。
それだけに、こんなにも知名度が上がったのが不思議でなりませんでした。彼のどこが良いんだろう?と・・・。
私には株のこととか、詳しいことはわかりません。
ただわかることは今の日本がおかしいってこと。
こんなくだらない人間が、たくさんのさばる世の中は、いつの時代になっても変わらないものなのでしょうか?
金を稼ぐということは、悪いことしないと稼げないんでしょうかね?
どんどん今の日本が変わっていくことに時々恐くなってしまいます。
Commented by へいたらう at 2006-01-20 16:11 x
> たかっち さん

初めまして。
コメント有り難うございました。

ライブドアは、終着駅を模索していたにしては、買収も手当たり次第みたいなところがありましたよね。
それに、問題がある会社を買って、優良企業に立て直したということでもないわけですから、かつての、小佐野賢治などと比べると、どうしても、亜流であるという感が否めません。

そういったヒルズ族だのIT社長だのといって、持ち上げている今の日本の軽薄な空気も嘆かわしいばかりです。
「浮利を追わず」と言ったのは、住友の家訓でしたでしょうか・・・。
Commented by へいたらう(管理人) at 2006-01-20 16:19 x
>さゆみさん

コメント有り難うございました。

かつて、渋沢栄一は、「片手にそろばん、片手に論語。」と言って、経営者の倫理観を強く戒めましたが、彼には、明らかに論語というよりも、書物自体が欠けていましたね。
勢いだけであそこまで成ったみたいな・・・。

でも、ホリエモンみたいな人間は、いつの時代になってもいると思いますよ。
今までもいましたし、これからも・・・。

そして、いつの時代も日本人とは軽薄なものだと思います。

Commented by ろぼっと軽ジK at 2006-01-21 05:34 x
TBありがとうございました。
わたくしはホリエモンそのものには、はじめてメディアで見かけた近鉄買収ほど、嫌悪感を抱くようなことはなくなっていました。
 第1に、彼の著書「100億稼ぐ仕事術」を読んで、意外と基本を抑えていることを知ったからです。実際、わたくしの仕事でも時間短縮のノウハウとして活かさせてもらった項目もあります。
 第2に、ニッポン放送買収の際にあの長期間ギリギリの交渉の場に置かれてなお音をあげなかったタフネゴぶりに「若いのに・・・」と感服したところです。
 第3に、ニッポン放送騒動が終了後に、マスメディアはヒルズ族をもちあげ、それを毎週のように目にしていたことです。
 川に落ちた犬を棒で叩く行為には何の生産性も見出せません。ですので昨今のメディアやインターネットでもここぞとばかりの叩きっぷりには食傷した感じもあります。
 ホリエモンその人に関する功罪交えた客観的な分析を今こそ目にしたいものです。
Commented by へいたらう(管理人) at 2006-01-21 14:29 x
>ろぼっと軽ジKさん

コメント有り難うございました。

確かに、彼を批評するには、私はせめて彼の著書のひとつでも読んでからにするべきかもしれません。
ただ、その場合、そこに書かれていることが真実で、そして、それをその通りに実行していることが前提でしょうが・・・。

私は近鉄買収のときは、「なんかまた、変なのが出てきたな・・・。」って感じで、それほど、違和感は持ちませんでした。
(あ、誤解のないように申し上げておきますと、別に私はホリエモンの事は好きでもありませんが、嫌いでもありません。あまり好きではないという程度です。)

むしろ、ニッポン放送買収のときが、球団買収と放送局買収がどう繋がるのか、そこに一本の線を見いだせなかったことで、結局、彼はライブドアという会社をどこに持って行こうとしているのか、何屋さんになるつもりなのか・・・ということについて、明確な物を見出せなかったことで、やはり・・・という気持ちになりました。
タフネゴぶりや知名度アップをすかさず実績に結びつけた手腕は、認めますが、それだけに、目指すべき目的地を持っていなかった点が惜しまれます。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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