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小野田寬郞という人格
親愛なるアッティクスへ

小野田寬郞という人物がいます。
いつまでも、元日本兵という呼称で呼ぶのも如何なものかと思いますが、言うまでもなく、あの市川雷蔵主演で有名な「陸軍中野学校」を経て、フィリピンのルバング島へ赴任し、でそのまま、終戦を知ることなく30年近く、戦い続けていた人物です。
昭和49年、この人が日本に帰還したとき、国内の反響は、まさしく、昨今の拉致被害者の帰国の時と同じようなもので、熱烈なものがありました。
当時、子供だった私には、その少し前に帰還した横井庄一氏のときと同じく、なぜ、大人たちがそんなに騒いでいるのか理解できませんでした。

で、先日、この人のインタビュー番組がテレビであってましたが、私が見るところ、この小野田寬郞という人物を構成している要素は二つ
即ち、ひとつは、「激しさ」であり、もうひとつが「プラス思考」ではないかと。
このインタビューの中でも、度々出てきた言葉が「過ぎたことは振り返らない。」でした。
フィリピンでのゲリラ活動中、フィリピン軍との交戦により戦友を次々と亡くし、遂に一人になったときに、彼がやったことは、「二人の時にうまく活動できなかったこと」、「一人の方が支障なく活動できること」を書き出すことだったと言います。
また、「もし、もう一度、人生をやり直せるとしたら?」というインタビュアーの問いにも、「やり直すって言ったって、人間、先天的なもの、後天的なもの、そして、時代で、そう思い通りになるわけでもないから・・・。」と答え、他にも帰国して後、全国から彼に送られた見舞金を全額、靖国神社に寄付したところ、一部の人から軍国主義と非難されたことに対しても、「何も私一人が戦争に行ったわけじゃないんだから帰国したら、人と同じように働けばいいんであって・・・。」と述べるなど、そこには、徹底的なまでに、卑屈被害者意識など微塵も見られませんでした。
その後、氏はブラジルに渡り、日本との往復生活を送っておられるとのことでしたが、その際、いつも日本を発って飛行機がブラジルに到着するときになって初めて、「あ、俺はブラジルで牧場やってたんだ。」と思い出すと言いますから、おそるべき、プラス思考集中力ではないでしょうか?

一方で、彼は物心ついてより、両親と反りが合わず、17歳にして上海に渡り、貿易業に従事する傍ら、思い切り、青春を謳歌したそうですが、小野田自然塾を作ったきっかけも、川崎市で17歳少年金属バット殴り殺した事件をブラジルの邦字紙が報じたことだったそうで、加害者の少年に対しても、「どうして、家を出なかったかなー。僕は17歳の時には家を出ていたんだけどなー。」と呟いている姿が印象的でした。
彼のこの気性の激しさと、この徹底したプラス思考があったからこそ、今も充実した人生を歩んでおられると共に、同時に彼をしてルバング島で戦い続けさせることになったものと思われます。

そのインタビューの中で最も印象に残った一言が、「子供たちにもよく言うことだけど、『目的がなかったら、くじけるよ。』と。目標を持たずに、悩み出すと網に絡まっちゃって抜け出せなくなる。」というものでした。
まさしく、これこそ、私が度々述べております方向性ということであり、即ち、「自分は何の為に、今、これをやっているのか?」ではないでしょうか?

多くの自殺者を出している現代日本
『目的がなかったら、くじけるよ。』
小野田さんのこの一言は、子供たちにではなく、今の迷走日本に語りかけていることのように思えて成りません・・・。
                                   平太独白
by heitaroh | 2005-07-20 20:31 | 時事問題 | Trackback(1) | Comments(4)
Tracked from KatsuhitoWeb at 2005-08-04 23:39
タイトル : ܹǹΥȥ饤꡼ȡͧ줵82С
ưŪʥɥ󥿥꡼ȤǤ̤ۤɤζʳȴưͤΤǤ...... more
Commented by 海イグアナ at 2005-07-24 06:35 x
TRACKBACKありがとうございました。
小野田さんの帰還のときは私が会社勤めをしたばかりの頃でした。
「小野田さんを発見した人」として知られる故・鈴木紀夫氏と同じ年代ですね。
Commented by へいたらう at 2005-07-24 20:37 x
>海イグアナさん

はじめまして。
いわゆる、鈴木青年ですね(笑)。
当時、私は小学校卒業間際だったかと。
そう考えれば、本当に遠い昔であり、小野田さんがご健勝なのには、本当に驚かされます。
Commented by ha_ll at 2005-07-27 00:23
はじめまして。トラックバックありがとうございます。小野田さんの「プラス思考」はとっても印象的でした。「自分」という核を持っているからプラス思考になれるし、プラス思考だから自分というものを持ち続けられるのかな、とも思います。学生の時にこの番組や小野田さんを知っていたら私もちょっとは違っていたかも。。
Commented by へいたらう at 2005-07-27 09:25 x
>ha_llさん

はじめまして。コメント有り難うございました。
でも、あの人のあのプラス思考はあの人特有のモノだと思いますけどね・・・。やっぱり、先天的なモノが大きいんじゃないですか?
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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