今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」ですが、全国的にどうかはわかりませんが、北部九州地方ではダントツ1位の視聴率を誇っております。(最近はそうでもないようですが、一時期は本当に2位以下に大きく差をつけてのぶっちぎりの1位でした。)
地元だから・・・なのかもしれませんが、だとすれば、福岡人も変わったなあ・・・と。
地元を盛り上げよう・・・とか言ったって、まあ、1~2回はお付き合いで見るかもしれませんが、私が知るかぎり、とにかく粘りがないのが福岡人なんで・・・(笑)。
でも、黒田官兵衛孝高(如水)が摂津有岡城に幽閉されてからの2話は本当に見応えありましたね。 特に、妻・てる役の中谷美紀さんの「我が子・松寿丸(後の黒田長政)が殺された」と聞いた後の、やつれ方は思わず、胸に迫るものが・・・。
戦国でも現代でも子を思う母の気持ちに変わりはないわけで、これが母の顔だ・・・と思いましたよ。
(←黒田長政愛用の兜。)
で、名演技という点では、もう一人、やはり、父・職隆役の柴田恭兵さん・・・でしょう。
実は、私はこの人が父親役と聞いた時、いや、この回の直前まで、この人の父親役にはどうにも違和感がありました。
だって、やはり、我々の世代には柴田恭兵と言えば、ドラマ「あぶない刑事」のセクシー大下ですよ(笑)。
でも、よく考えたら、私、「あぶない刑事」って殆ど見てないんですよね。
でも、「俺たちは天使だ!」とか「プロハンター」なんかにも軽いキャラで出てましたし、やっぱり何といっても缶コーヒーのCMの「関係ないね」がモノマネが流行りましたからねえ。
それだけに、「ハゲタカ」なんかでも、重厚感ある役というのがどうにも違和感がありました。
ただ・・・、今回のそれは思わず、目を見張りました。
「羽柴殿、それがしの独り言も聞いてくださらんか」と言って語り出すシーンは圧巻でしたね。
目には大量の涙・・・、しかし、絶対に零れ落ちることはしない。
武士だから。
やはり、柴田さん自身、20歳の次男に先立たれたという経験があったからなのかもしれませんが、それにしても見事でした。
江戸時代、博多には仙崖という名僧がいましたが、この人が「孫が産まれたから目出度い書を書いてくれ」と言われて書いたのが「親死ぬ子死ぬ孫死ぬ」。
どこが目出度いんだと言われ、答えて曰く、「これが一番目出度い。この逆が一番不幸」と。
まったくその通りで、子が親より先に逝くというのは最大の親不孝ですよ。
平太独白